思い描いた暮らしを実現できる「注文住宅」を建てるには?
家族を持ったら「いつか家族で理想の家に住みたいな」と思うこともあるのではないでしょうか。家族にとって住みやすい間取りで、みんなが集まるリビングや庭のある暮らしなど、家庭によって理想がありますね。
そんな家族それぞれの理想を叶えてくれる家といえば「注文住宅」です。家族で思い描いた間取りがそのまま形になり、そこに住むことができるのはとても幸せですよね。
しかし、注文住宅を建てるには実際にどのような準備が必要で、どのくらいの時間がかかるのでしょうか。注文住宅を建てるために必要な手順やポイントをご紹介します。
予算を具体的に計画する
マイホームを建てるときに、まず気になるのは資金のことですよね。頭金を含め、ローンを支払う期間全体のことを考えなくてはいけません。
例えば、フラット35などの月々の返済額が一定になるプランを使ったとしても、毎月の出費は永遠に同じというわけではありません。子供の成長に応じて教育費がかさむこともあり、両親が年を取れば介護費用が発生することもあります。さらに、マイホームを管理するのは自分自身なので、将来傷んだ箇所が出てきた場合にはリフォームをしなくてはいけません。
こうした「将来増える可能性がある出費」についても十分に考えて予算を立てましょう。難しい場合にはライフプランナーに相談してみるとよいですね。
将来にわたったライフスタイルで家づくりを考える
住宅は簡単にリフォームをしたり間取りを変えたりすることはできません。大きな出費になってしまいます。
そのため、注文住宅を建てたい場合には「誰が住むのか」「何人住むのか」を未来のことまでしっかり考える必要があります。子供の進学に合わせて住む場所を考慮する必要があるかもしれませんし、さらに成長して独立すれば住む人は減ります。また、両親がリタイアしたあと一緒に住むなら二世帯住宅を考慮しなくてはいけません。
20年、30年後の家族の形までしっかり考え、間取りや家の形を考えましょう。そのためには注文住宅を建てる前に家族で話し合いを行うことが必要です。プランがはっきりしない場合「まだ家を建てない」というのも選択肢でしょう。
家族の要望を話し合う
家族でどのような家に住みたいのか要望を話し合います。
- 駅から近い家
- 家族が一緒に過ごせる広いリビングがある家
- 雨の日でも室内に洗濯物が干せる家
- 2階建て、3階建て
土地への要望から間取りへの要望まで、多くの要望が出てくるでしょう。特に注文住宅を建てることを決める前に決めておきたいのは「どこに住みたいか」「どのような広さの家に住みたいか」ということ。これらの選択は予算に大きく影響します。「土地」「広さ」の条件は最優先で話し合いましょう。
要望は忘れないように紙に書き出し、優先順位を決めておくと良いですね。また、デザインや見た目のイメージは雑誌やフリーペーパーを切り取って貼っておくと、メーカーに要望を伝えるときに役立つでしょう。
- LIFULL「〈20代の家づくり〉子育て世代の注文住宅、ポイントと事例を紹介」ライフルホームズ(https://www.homes.co.jp/cont/buy_kodate/buy_kodate_00633/,2021年8月11日最終閲覧)
- 細田工務店「第4回「住まいの資金計画編」」細田工務店(http://www.hosoda.co.jp/build/special/schedule/vol04,2017年4月3日最終閲覧)
- ネクスト・アイズ「将来まで見据えたマイホーム計画が大切」ハウスネットギャラリー注文住宅(http://www.hng.ne.jp/knowledge/article/641/,2017年4月3日最終閲覧)
- ワイズコーポレーション「家づくりガイド」ワイズコーポレーション(http://www.y-scorporation.co.jp/index.php?guide,2017年4月3日最終閲覧)
- リクルート「土地を購入して家を建てる。入居までの流れとかかるお金は?」SUUMO(http://suumo.jp/article/oyakudachi/oyaku/tochi/tochi_knowhow/nagare/,2017年4月3日最終閲覧)
- 京急不動産「住み替えサポートシステム〜住宅ローン」京急不動産(http://www.keikyu-sumai.com/contents/code/support_loan,2017年4月4日最終閲覧)
- アレグレホーム「注文住宅ってどんな家?」アレグレホーム(http://www.alegrehome.com/faq/faq-404/,2017年4月4日最終閲覧)
注文住宅を建てる段取りは?
家族で「どのような家に住みたいか」という家族会議を開き、家族にとっての理想の家が見えてきたら、どのような手順で動き始めたらよいのでしょうか。家のイメージか固まった後にするべき工程をお伝えします。
1.依頼先を決定する
建てたい家のイメージが固まったら、実際に建ててもらうハウスメーカーや工務店を探しましょう。モデルハウスを訪れたり、実際に建てられた家の見学会などに参加したりすることで、より具体的に想像ができるでしょう。
次に、依頼先の候補となる業者に、家に関する計画を相談します。どのような家にしたいのか具体的に話すことによって、業者によってできることや、こだわりのある部分に対応できる業者かどうかがわかってきますよ。
候補の業者ごとに見積書を出してもらい、提案内容によってどの業者と契約するのかも検討しましょう。契約後に詳しい間取りの相談をすることになります。
2.建物の間取りを決める
契約が完了したら具体的な間取りについて検討をはじめます。まずは建物の工法による違いを確認しましょう。工法とは建物の軸になる材料をどのように組み立てるかという方法です。2×6(ツーバイシックス)工法と呼ばれる、床面と屋根の面を組み立てて建物をひとつの箱のように一体化させる方法や、古くからの柱や梁、土台を組み立てて作る方法などさまざまな方法があります。
業者によってどのような工法を採用しているかは異なりますが、選ぶ工法によって家づくりのプランに影響することがあるので、早めに相談しましょう。
間取りづくりでは、設計士とともに家の窓や扉の位置、部屋の分け方や壁、床の色など細部を検討します。この時期が一番「家づくりをしている」という実感があるときかもしれません。後悔のないよう入念な話し合いが必要です。
あまりにも候補の間取りが多くなって、どうしたらよいかわからなくなった時には、はじめに決めた「家に求める優先事項」を見直して冷静に考え直すとよいですね。
3.工事請負契約を結ぶ
間取りや壁の色などすべてが決定したら「工事請負契約」を結びます。この契約後に変更が発生した場合には、工期が長くなってしまったり予算が上がってしまったりする可能性があるので注意が必要です。
契約時にはいくつかの書類が渡されるので一つ一つよく確認をしましょう。不安なことやわからない用語が出てきた場合には、なんとなくでサインをせずにきちんと確認することが必要です。
4.住宅ローンを契約する
建築に必要な金額が確定したら、住宅ローンを契約します。まずは住宅ローンの種類と特徴について知りましょう。
「住宅ローン」というと銀行からの融資が一般的ですが、その他にもフラット35や住宅業者と提携しているローンなどの選択肢があります。また、金利の制度も異なり、「全期間固定型」「変動型」「固定期間選択型」の3種類があります。
最初の金利が安くても、支払期間中に金利が変動してしまう可能性がある変動型には注意が必要です。しかし、逆に金利が途中で下がる可能性もあり、固定金利と比べて確実にどちらが得とはいえないものです。固定金利のローンにはフラット35などが含まれます。
変動金利の方が支払い初めの金利が安い場合がありますが、全期間固定金利のローンなら支払期間中の支払額が変動しないため、生活資金の計画が立てやすいのがポイントです。金利を固定する期間を選択できる「固定期間選択型」も選択肢の一つです。家庭のライフプランに沿ったローンを選びましょう。
また、いつローンが実行されお金が支払われるのか、それまでに現金で必要なお金はどのくらいかを、きちんと確認しましょう。
5.地鎮祭・上棟式などの行事に参加する
いよいよ家の工事が始まると、施主として参加するべき行事があります。まずは工事の無事と安全、繁栄を祈る「地鎮祭」です。工事が無事に完了すること、住む人たちの繁栄を祈ります。
さらに工事が進み、屋根まで骨組みが完成する「棟上げ」の段階になったら、「上棟式」を行います。建物が無事に完成するように祈る儀式です。
こうした儀式のときや、敷地に足を運ぶ機会があるときには、職人とコミュニケーションをはかったり、近隣の方に挨拶をしたりすることも大切です。
6.引っ越し日時の決定、手配
引き渡しの日が決定したら、引越しの手配を行いましょう。引越しは土日に行う人が多いため、2~4月の新生活開始シーズンには予約ができない場合があります。
荷物の整理は1~2ヶ月程度前から、早目に少しずつ行いましょう。ダンボールは引っ越し業者が用意してくれるのが一般的です。不用品や粗大ごみの回収日は限られている場合が多いため、ギリギリになって焦らないためにも早めに行っておきましょう。
また、電気やガス、水道などのライフラインの手続きや、郵便局への住所届などの手続きも、余裕を持って行うようにしましょう。
7.鍵の引き渡し、入居
建物が完成したら、建物の仕上がりに問題がないか最終チェックを行います。見るだけではなく実際にドアを開け閉めしてみたり、押入れの中の建具を確認したり、細かい部分も具体的にチェックします。気になる場所はメモし、業者に手直しを依頼しましょう。
全ての手直しが終わった後に引き渡しをし、入居になります。入居の際にはカギ、確認申請書、工事完了検査済証などを受け取り、内容を確認するようにしましょう。入居後に何か問題があった場合も速やかに業者に相談しましょう。
- リクルート「SUUMO住活マニュアル」SUUMO(http://suumo.jp/article/jukatsu/archives/chumon/,2017年4月3日最終閲覧)
- 守矢建設「家づくりの流れ」守矢建設(http://www.moriyakensetsu.com/flow,2017年4月3日最終閲覧)
- 細田工務店「第1回 住まいのスケジュール編」細田工務店(http://www.hosoda.co.jp/build/special/schedule/vol01,2017年4月3日最終閲覧)
- 三井開発「初めての一戸建て 引っ越しの準備をしよう - 三井開発」三井開発(http://www.mitsuikaihatsu.co.jp/column/knowledge/moving_preparation.html,2017年4月3日最終閲覧)
- 京急不動産「住み替えサポートシステム〜住宅ローン」京急不動産(http://www.keikyu-sumai.com/contents/code/support_loan,2017年4月4日最終閲覧)
- プランニングエステート「自分に合った住宅ローンの選び方」プランニングエステート(http://www.planning-estate.jp/column/money/choice.html,2017年4月4日最終閲覧)
- オウチーノ「新居のイメージをしっかりと固める」建築家オウチーノ(http://www.o-uccino.jp/kenchikuka/special/guide/vol1_2.php,2017年4月4日最終閲覧)
- 日新火災「失敗しないお引っ越し」日新火災お部屋を借りるときの保険(http://direct.nisshinfire.co.jp/oheya/tips/moving01.html,2017年4月4日最終閲覧)
- 渡辺工務店「工法と構造」home105(http://www.watanabe-homes.co.jp/sp/method/,2017年4月6日最終閲覧)
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注文してから建つまでどのくらいの期間がかかる?
実際にハウスメーカーや工務店などと契約し、間取りを決定させて建築が完了するまでの期間は、おおむね7~8ヶ月が一般的です。ただし、間取りの決定までに長期間かかると、より長い期間が必要になります。
着工してから入居までは4ヶ月程度かかるので、それを除いた3~4ヶ月の期間で間取りを決定し、地縄張りや地鎮祭を済ませます。契約してからの日取りは想定よりもハードになる可能性があるので、業者に相談している段階でおおまかな理想の間取りを用意しておくようにすると安心です。
業者と契約するまでの期間を含む「注文住宅を建てるための時間」は、1年ほどを予定して準備しておくと良いでしょう。
- リクルート「SUUMO住活マニュアル」SUUMO(http://suumo.jp/article/jukatsu/chumon/chumon_category/taterudandori/,2017年4月4日最終閲覧)
- 山本建築「よくある質問」山本建築(http://www.waiwai-home.jp/33qanda/post_9.html,2017年4月4日最終閲覧)
- ジャーブネット事務局「住まいづくりの流れ」ジャーブネット(http://www.jahbnet.jp/posts/7,2017年4月4日最終閲覧)
家を建てるまでにやることはたくさん!計画的に進めよう
家を建てるまでにやるべきことはたくさんあることがわかりましたね。憧れのマイホームは大きな買い物。家族で何度も話し合いをして、計画的に進めていくことが大切です。
子供の進学のタイミングなどを考えると、つい「早く決めなくては」と焦りやすいものですが、焦って決めて後悔するよりも、納得して家族で「これが最高」と思える家に住むことが一番大切ではないでしょうか。
やるべきことはたくさんありますが、その先には夢のマイホームがあります。家族で協力して進めていきましょう。