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監修:陣内彦良

夫とタイミングを取れない… | 妊活、やり切れない思いの和らげ方

妊活中、身近な人に対して持つネガティブな感情に、不妊治療専門クリニックがアドバイスをする連載。第1回は「夫とタイミングを取れない」です。夫婦で決めて始めたはずの妊活。でも、夫はいつもどこか他人事…そのように感じることはありませんか?夫と妊活に対する意識がそろわない、あるいは事情によってタイミングが取りにくく心が荒れてしまったとき、どうすればよいのでしょうか。とある夫婦の例をもとに、不妊治療専門外来の医師がアドバイスします。

夫へのやり切れない思いを和らげる、あなたの心の持ち方

ここからは、不妊治療専門外来「陣内ウィメンズクリニック」院長、陣内彦良先生のお話をもとにお伝えします。夫が妊活に向き合ってくれない…そう感じる状況について、先生は以下のように話します。

「妊活は夫も当事者。誠実に向き合ってほしいものですよね。そんな中、自分の気持ちだけが空回りしている、あるいは夫が妊活をないがしろにしているように思えると、傷つくのも無理はありません。

クリニックでは夫との気持ちのすれ違いに悩んでいるという相談が多く『夫婦二人三脚』とは簡単にいかないものだと感じます。ときには夫の態度を強く問い詰めたくなるかもしれませんが、一方で妊活のために夫婦の関係性が悪化するのは悲しいものですよね」(陣内先生、以下同)

夫に対してやり切れない思いを抱えたとき、どうすれば穏やかな気持ちになることができるのでしょう。

排卵当日以外にも妊娠のチャンスはある

「排卵日にタイミングを取ろうと考えると、チャンスはその1日しかないように感じられてしまいますね。もちろん排卵当日にタイミングが取れれば妊娠の確率は高まるのですが、精子は48時間、卵子は24時間ほど生存するといわれています。排卵当日だけではなく、前日や翌日、それ以外の日にも妊娠の可能性はありますよ。

排卵当日と思われる日にタイミングを取れなくても、翌日にまたチャレンジすれば大丈夫。チャンスは1日だけではないと思うだけでも、精神的に追われるような気持ちから少し解放されるかもしれません」

タイミングにこだわらなくても妊娠できる手段を知る

「飲み会に限らず、やむを得ず排卵日付近にタイミングを取れないことはあるでしょう。何度も続くと、排卵日のたびにタイミングに振り回されることに疲れてしまうかもしれません。

そんなときは、タイミングを取ることにこだわらない妊娠の方法について少し知ってみてはいかがでしょうか。たとえば、精液を容器に取っておき、シリンジで膣の中に入れる『シリンジ法』、クリニックで精子を子宮内に注入する『人工授精』なら、夫婦で生活パターンがすれ違っていても妊娠のチャンスがあります。詳しく知りたい方は担当医に相談してみてくださいね。

夫婦で時間を合わせてセックスをするのは妊娠の手段の一つにすぎません。人によってはシリンジ法や人工授精の方が気が楽と思う方もいます。夫と妊娠の方法について話せそうなら、少し話し合ってみてもよいでしょう」

夫との話し合いは医師に仲立ちしてもらう方法もある

「子供が欲しい気持ちや、治療についての知識に、夫婦間で差があることは少なくありません。お互いどう考えているのかを確かめたいけれど話しにくいとき、あるいは治療についての説明が難しいときは、医師やカウンセラーを交えて話し合う方法があります。

他人の前で話しにくいと思う方もいるかもしれませんが、今後いつまで治療を続けるのか、どの方法までトライするかの認識を夫婦でそろえておくと、結果的に妊活中の衝突を減らすことにつながります。そのために、気になることをすぐに質問できる病院という場が適切な場合もあるでしょう」

取材協力:陣内ウィメンズクリニック 陣内彦良先生

イラスト:ちくまサラ

記事の監修

理事長

陣内彦良

千葉大学医学部卒業。ニューヨーク・アルバートアインシュタイン医科大学不妊内分泌研究員。東邦大学医療センター大森病院勤務ののち、2003年自由が丘に「陣内ウィメンズクリニック」を開院。一人でも多くの元気な赤ちゃんをこの世に贈りたいという目標で、開院以来一貫して自然周期に合わせる方法を大事に考え、心と体に優しい生殖医療を提案。
2014年に同じ自由が丘エリアに移転し新たなステージへ。大学病院とも提携し、男性生殖外来を開設してご夫婦お二人をサポートする体制を整える。"more friendly, more natural”をモットーに、赤ちゃんを望まれるご夫婦の想いを一日でも早く叶えられるよう、これからも体外受精・顕微授精を中心に、薬を使い過ぎない、体に負担を掛けない優しい高度生殖医療を提供する。

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