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監修:伊組 公郎

親の箸から虫歯菌がうつる?1歳児の生活の中に潜む、虫歯リスクを解説

1歳代は乳歯がどんどん生えそろう時期。大切な乳歯はしっかりケアしていきたいところです。生え始めの真っ白な1歳児の歯も、虫歯のリスクを抱えています。この記事では、1歳児の虫歯リスクについて知り、これからの虫歯予防や早期発見に役立てましょう。

ⓒママリ

1歳児の虫歯リスクと対処法

1歳児の生活で特に気を付けたい、虫歯リスクについて知っておきましょう。

箸やスプーンからうつるミュータンス菌

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1歳7か月から、2歳7か月までの間は「感染の窓」といわれる時期です。乳臼歯(奥歯)が生えてきたり、子どもが砂糖入りの食品を口にする機会が増えたりすることから、そう呼ばれています。

ミュータンス菌は、親の箸やスプーンで子どもに食事をさせたり、保育園などでお友達が口をつけたものに口をつけたりすることで感染します。気を付けていても、いつの間にか感染してしまうことがあるものです。

できるだけ箸やスプーンを共有しないことも大事ですが、そもそも親の口の中に虫歯菌が多い状態にならないよう、親も食生活に気をつけるとよいでしょう。

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時間を決めずにおやつやジュースを与える

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糖を含むおやつやジュースをだらだらと飲食するのも、虫歯の原因の一つです。

糖は口の中でミュータンス菌に分解されて酸になります。口の中が酸性に近い状態が長時間続くと、歯が酸に溶かされて虫歯ができやすい状態になるのです。

甘いものを食べる時間を決めて、だらだらと食べさせずに切り上げるようにすれば、唾液の再石灰化作用によって、酸で溶かされた歯の表面(エナメル質)がもとの状態に戻ります。しかし「遊びながらちょこちょこつまむ」というような飲食のさせ方をしていると、口の中が常に酸性になり、虫歯になりやすい状態になってしまいます。

おやつは時間を決め、だらだらと飲食させないようにしましょう。

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寝る前の授乳によるリスク

寝る前に母乳やミルクで授乳をしながら寝かしつけることで虫歯リスクが高まるという声もあります。ただし、授乳は子どもの精神的な安定のために意味があるものでもあり、子どものために必ずやめることが良いとも言い切れません。

日本小児歯科学会は、寝る前の母乳による授乳について以下のように語っています。

母乳育児は、栄養学的利点のみでなく、子どもの精神的安定に効果があることがわかっており、乳児期にはできるだけ続けたいものです。ただ、1歳を過ぎると、砂糖をとり始めることでむし歯原因菌(主にミュータンス連鎖球菌)が歯の表面に付着しやすくなり、そこに母乳を与えたまま眠って母乳が口の中に長く残っていると、むし歯のリスクが高まります。母乳を続けているうちは、甘味飲食物を控えて、歯みがきをしっかり行い、むし歯のリスクを下げましょう。フッ化物を利用するのもいいでしょう。また、昼間よく遊ばせ、疲れて母乳にたよらずに眠れるようになるかもしれません。子どもの様子をみながら卒乳の準備をしていきましょう。 ※1

同様にミルクの場合も、子どもの気持ちの安定のために与えている人もいるかもしれませんね。わが子にとって、授乳をやめるのがよいか、続けながら虫歯予防をしていくのがよいかは、家庭によって考え方が異なります。授乳を続けたいときは、そのほかの部分で虫歯リスクを避けるようにしましょう。

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完璧な予防は難しいからこそ、定期的なチェックを

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虫歯の原因は、生活習慣や遺伝的な要素などさまざまで、完全にリスクを回避するのは難しいものです。

だからこそ、できる限りの予防をすると同時に、定期的な歯のチェックが大切。虫歯菌を増やさない生活習慣を心がけつつ、定期的な歯科検診を受けて、虫歯は早く見つけるようにしましょう。

記事の監修

いぐみ歯科矯正歯科 理事長

伊組 公郎

東京都出身。歯科医師。
平成22年九州歯科大学卒業。平成27年東京都中野区にいぐみ歯科矯正歯科開設。一般歯科、小児歯科、矯正歯科、口腔外科など幅広く診療をしている。特にマウスピース矯正に力を入れている。二児(1歳、5歳)の父として子育てに奮闘中。最近の悩みは子供のおねしょ問題です。

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引用元一覧

  • ※1 日本小児歯科学会「1歳半を過ぎていますが、眠くなるとぐずるので母乳を飲みながら寝てしまいます。むし歯が心配ですが、大丈夫でしょうか。」(http://www.jspd.or.jp/contents/main/faq/faq02.html#faq_b0111,2021年5月17日最終閲覧)

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