ⓒ坂井恵理/講談社
男性が妊娠する世界を描いた漫画が話題
「まれに男性も妊娠する」という世界を舞台に、妊娠・出産、働きながらの子育ての大変さを描く『ヒヤマケンタロウの妊娠』とその続編『ヒヤマケンタロウの妊娠 育児編』。
結婚の予定もなく自由気ままに生きていたサラリーマン、主人公のヒヤマは、思いがけない妊娠をします。これまで妊娠や出産なんて他人ごとのように感じていた自分に反省の日々。出産を決意したヒヤマはパートナーの女性と子育てをしながら、世間の育児にまつわる課題に向き合っていきます。
男性の妊娠という独特の切り口から見えてくる、社会の課題。パパとしてのヒヤマの成長と、その奮闘ぶりをきっかけに動く周囲の変化にも注目です。
妊娠や育児は、女性だけの課題ではない
ⓒ坂井恵理/講談社
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自由気ままに生き、仕事も恋愛も楽しんできたヒヤマの人生は、妊娠を機に大きく変わります。妊娠や出産に向けられる目線は温かいものばかりではなく傷つくことも。
男性の妊娠は現実にないことですが、描かれているのは今の社会に存在する理不尽や不便さばかり。実際に読んでみると、あり得ないテーマの中にも、重くなりすぎず課題にフォーカスしていると感じました。ヒヤマの妊娠を興味深く追いながら、社会について男性も女性も同じ目線で考えられる作品です。
「産むのは女の仕事」と考えていた主人公の変化に注目
『ヒヤマケンタロウの妊娠』『ヒヤマケンタロウの妊娠 育児編』では、話を追うごとに妊娠や育児への考え方が変わっていくヒヤマの成長に注目です。
妊娠した当初のヒヤマは「産むのは女の仕事」と考えていました。そんなヒヤマが出産を決意しパパになり、子どもの成長にまさに当事者として向き合っていく様子は、パパやママだけでなく、今は直接妊娠や出産に関わりがない方にもぜひ読んでほしいと思います。
人によって妊娠や出産をする・しないはさまざまですが、世の中に確実にある子どもを持つことへのハードルを身近に感じられる作品、ぜひ手に取ってみてくださいね。