兄弟げんかの原因は?
兄弟げんかと一言に言っても、原因やきっかけはその時によって違いますよね。親からすれば大半は「そんなことでけんかしてるの?」ということではないでしょうか。手が出るほど興奮したけんかにつながっていない状況なら、親が双方の話を聞いて仲裁すればお互い納得できたり、物の貸し借りは時間を決めたりという一般的な声掛けでなんとか乗り切れたりします。
一方、親目線で「いつもと違うかも?」というけんかが起きたときは、けんかそのものではないところに要因があるかもしれません。
当たり散らすような態度は、家の外で嫌なことがあったかも
例えば幼稚園や学校で嫌なことがあったとき。そのシコリを抱えたまま帰ってきて家でもモヤモヤが重なったら…。一番近くにいる兄弟に当たってしまったり、ちょっかい出してしまうことがあるでしょう。
そんなときに兄弟げんかになって親に叱られてしまっては、その子にとっては負のループになってしまいます。
「いつもと何か違うかな」と思うときや、理由もなく当たり散らしてる時には、ケンカになってしまったことよりも外で起きた嫌なことがないか話を聞いてみるといいかもしれません。気持ちを聞いてあげると落ち着きますよ。
お互いが邪魔し合うときは、一時的に距離をおく
何かをやりたい気持ちが強い時に、何かが原因でできないとイライラするときはありますよね。兄弟でお互いを邪魔してしまうようなときは、場所を離してあげることが大切です。例えば別の部屋にしたり、環境を変えたりしてあげるとけんかがおさまることがあります。
「離れなさい」と言っても離れないで、何度もケンカしてしまうときは、おもちゃを半分に分けて別の部屋へ移動したり、1人はおやつタイムにするなど物理的に分けてあげるのが効果的。子ども同士も距離感は大事ですね。
取り合いの仲裁で有効「物の気持ちになって考えて」
兄弟のやっていることは楽しそうに見えるし、やってみたくなるのですよね。それは当たり前で、何も悪いことではありません。お互いに貸し借りして楽しく遊べていれば問題ないのですが、急に物の取り合いになってしまうことも。そういうときは「物の気持ち」になって考えさせるのも、効果的な方法です。
兄弟げんかでよく注目されるのは、けんか中の2人の気持ち。でも、どちらを優先することもできませんよね。そんなときに子どもに問いかけたいのは「物の気持ち」です。例えば、「車のおもちゃ」と取り合いでヒートアップしてしまったら「取り合いになった車の気持ち?」蹴り合いになってしまったら「2人の足の気持ちはどんなだろう?」そんなことを、子どもたちに聞いてみてください。
「取り合いして欲しくないな」「痛いな」「楽しく遊びたいな」など、意外とたくさん挙がるのではないでしょうか。
そこで「じゃあ、その気持ちどうしてあげたらいいかな」と、考えさせてみるのです。答えが出なくても、その考えている時間に、ヒートアップしていたものが落ち着いて、声も小さくなっていって、いつしかどちらかが、貸してあげることができたり、「ごめんね」と言えるような雰囲気になっていきます。
ケンカは悪いことだけじゃない
けんかがはじまると、さっきまでの楽しそうな光景はなんだったんだろう…と親はゲンナリしてしまいますよね。しかし、兄弟ケンカを通じて得られるものもあります。例えば相手の気持ちを考えたり、その物の気持ちを考えたり、仲裁に入るママの気持ちを考えたり。そうした時に初めて、コミュニケーションの取り方や自分の思いの伝え方や気持ちの折り合いのつけ方がわかるようになるものです。
正直、親からすればけんかをしないで欲しいですし、なだめている時間も惜しいですよね。しかし、いずれはけんかを解決するすべを子どもが身につけられるときがきます。それは将来外に出たときにも役立つスキルで、とても役立つもののはずです。
「絶対仲直りしなきゃいけない」という概念は置いておいて、親の仲裁方法にもいろいろな方法があるのだと、頭の片隅においていただけたらうれしいです。