不調を感じることもなく、受けないといけないから受けただけの会社の健康診断。最後の診察で先生から言われた「甲状腺が腫れているので再検査通知がいくと思います」との言葉。後日再検査通知が届いた私は、「めんどくさいな」と思いながらしぶしぶ大学病院へ行ってみると、甲状腺に腫瘍が見つかり細胞診を受けることに。
後日結果を聞きに行くと、悪性の腫瘍だったことがわかり手術をしないといけない事態になりました。
手術前に検査で新たにわかったこと
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検査を受けた病院でも手術は可能だったのですが、車で1時間ほどのところに甲状腺で有名な専門病院があり、そこへ紹介状を書いてもらうことにしました。
手術前に詳しく検査して分かったのですが、甲状腺乳頭癌の他に「甲状腺機能低下症」も発症していることがわかりました。
見過ごしがちな症状も多い「甲状腺機能低下症」
日本内分泌学会によると「甲状腺機能低下症」には以下のような症状があるといいます。
甲状腺機能低下症による症状には、一般的に、無気力、疲労感、むくみ、寒がり、体重増加、動作緩慢、記憶力低下、便秘などがあります。軽度の甲状腺機能低下症では症状や所見に乏しいことも多いです。 ※1
思い当たる症状がある方も多いと思うんです…でもなんと言うか、病院に行くまでもないような「なんとなく調子悪いなー」ぐらいで過ごしてしまうような症状なので、なかなか見つけにくい病気なのかなと思いました。
ドキドキしながら初めての手術
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これまで幸いなことに大きなケガや病気もなく生きてきたので、初めて手術を体験することに。
全身麻酔なので「寝てる間に終わってるから大丈夫よ」と看護師さんに言われましたが、緊張で前日は寝られず…。結局一睡もしないまま、手術に挑むことになりました。
麻酔が効かなかったらどうしようとドキドキしまくっていたんですが、先生から「10まで一緒に数えようね~」と声をかけられ、いーち、にーまで数えたところで眠ってしまったようで、次の目が覚めると手術を終えて、回復室にいました。ぼんやりしていると、手術に付き添ってくれていた母と姉が大丈夫?分かる?と声を掛けてくれました。
まだ麻酔が効いているので、痛みはなかったのですが、2人の顔を見て、自然と涙がでてきました。それから少したって自分のベッドに戻り、術後まだ私が眠っている時に母と姉が先生から聞いた状況を話してくれました。
手術は甲状腺の4/5を切除したこと、リンパ節にも転移していたらしく、リンパ節も一緒に切除したそうです。腫瘍の大きさは4cm弱ぐらいだったので、結構大きい腫瘍だったみたいです。
甲状腺が声帯の近くなので、もしかしたら声が出しにくくなる可能性もあると言われていたのですが、普通に話すことができました。想像していたよりも痛みはなく、違和感がある程度でした。
退院後の生活
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手術前日から入院して10日で退院しました。入院費は、限度額適用認定証を準備していたので10万円弱。退院した次の日まで、仕事はお休みをしたので結局休んだのは2週間弱。
普通に有給を使いましたが、今思うと傷病手当を使うことができたはず…!当時傷病手当の存在を知らず、会社からも特に案内もなく、申請し損ねました。
それから基本的には3か~半年に1回健診に通っています。妊娠中や産後半年ぐらいは2~3か月に1回と頻度を増やして通いました。
甲状腺乳頭ガンは再発の可能性は低いガンと言われていても、採血の結果が分かるまでは心臓バクバクで、エコー中は不安すぎて、検査技師の方の目線や口調に敏感に反応してしまいます。手術から13年たち、子どもを4人出産しましたが、子どもたちへの影響も今のところなく、手術跡もほとんど分からないレベルになりました。今も薬は飲んでいますが、数値も落ち着いていて、日常生活も支障なく元気に過ごしています。
甲状腺疾患の症状はついつい見逃してしまうような症状ばっかり…でも甲状腺は妊娠や出産にも関係してくるので、特にママ達にはこんな病気があることを頭の片隅に覚えておいてほしいです。以前、インスタグラムのコメントでも書いてくれた方がいたんですが、健康診断で甲状腺の検査がオプションで選択できるようになるといいのにと思っています。
仕事や家事や育児があるとつい後回しにしがちな自分の不調。見過ごさずに病院を受診するようにしてくださいね。