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「私がいなくなったら…」未来におびえていた日々
幼いわが子を見ていると、ふと頭をよぎるのは「私がいなくなったら、この子はどうなるんだろう」ということばかりでした。小さいからこそ、親がいなければ生きてはいけない。そんな彼の姿を見ていると、「まだ来ぬ未来」に恐怖と不安を感じるのです。
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その不安を大きくさせていたのは息子の「障がい」への思いだと思います。「障がい」があるからこそ、将来生きていけるか不安。「障がい」があるからこそ、親がいなくなってからの生活が不安。
私は全てを「障がいがあるから」と考え、不安になっていたのです。
「未来」に目を向ける前に「今」を見る
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うちの息子の場合、知的障害はなく、学校では「支援級」に在籍し、他の小学生と同じような日課で生活しなくてはいけません。いずれ大人になれば、身の回りのことは自分でやりながら生活する必要があります。掃除・洗濯・食事・買い物・仕事などの「衣食住」、わが子にはできるでしょうか。そう思ったときに、未来への不安をなくすことは難しいと思います。
しかし「親として今の自分にできることは何か?」そう考えた時に、やはり地道にそのときを生き、ゆっくりでも生活力を身につけていくことが一番大切ではないかと思いました。
未来につながる「今」を大切に
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私の場合、日々の子育てが大変すぎて、どうしても前を向けない毎日が続きました。正直、前を向きたくても向けないことの方が多いことも。私自身も息子が幼いころは、毎日を過ごすだけでも大変で「その日を無事に生き抜くこと」だけで精いっぱいでした。
ただ、この12年息子と過ごしてきて感じるのは、「あのときできなかったことは、今できるようになっている」「今に目を向けないと、未来に結びつかない」ということ。この年月を過ごしてきたからこそ、わかったことでもあります。それがどれだけ地道なことか、当時はその時間さえもつらかったんですよね。
早く終わりたいと思っていた子育ても、過ぎてしまえばあっという間で、息子も来年中学生。もう「社会」は目の前まで来ていることに、今度は焦りさえ覚えます。親って勝手ですよね。
もっと教えられることはあったんじゃないか、この子のためにはあと何が必要なのか。そんなことを考えています。だからこそ、今をしっかり生きていくことが大切なんだと感じます。急いであれこれやることよりも「今」できることをコツコツと確実に。これが本当に大切です。
いずれ親はいなくなります。その時に、わが子がどんな支援を受けながら、しっかり生き抜いてくれること。これが親としての願いです。