Ⓒママリ
🔴【第1話から読む】大して打ち解けていないのに「ちゃん呼び」引っ越し先で距離感バグ系ママに遭遇|私のストーカーはママ友
なぜか、同じバス停にいるママ・真奈美に執着するようになったママ友の梓。真奈美は困惑して、夫に相談をします。
違和感を持ったのは私だけじゃない
その日の夜。私は日中の出来事を健一に話していた。
「その人、ちょっとおかしいよ」
健一が呆れたように言った。
「でしょ?私だけじゃないんだよね、そう思ってるの」
私は力強く頷いた。最近、梓さんの行動はエスカレートしている気がする。幼稚園のバスが一緒だから毎日顔を合わせるのは仕方ない。でも、明らかに、他のママたちとは違うのだ。
「今日もね、『まなちゃん、タケルくんの手さげ、新しいの?かわいいね!どこで買ったの?』って聞かれたんだけど、それ、別に新しくもないし、去年の入園の時に買ったものなんだよ。なんでそんなこと聞くんだろうって思ったの…」
なんで私にだけ執着するの?
健一は腕を組み、真剣な顔で私の話を聞いてくれる。
「なんでだろうな。よっぽど人のことが気になるタイプなんじゃないか?それにしても、毎日のように、人の家の夕飯の献立まで聞いてくるってのは、ちょっと気持ち悪いよ」
「気持ち悪いって言われると、さすがに可哀想だけど……でも、わかる。私だって、毎日毎日、献立とか、タケルの服のこととか、些細なことまで聞かれると、ちょっとうんざりしちゃう」
もちろん、表面上は笑顔で対応している。私の性格上、そこで露骨に嫌な顔はできない。でも、心の中では「またか」と思ってしまうのだ。
「それでね、この前も、バスが遅れてて、みんなで待ってたんだけど、梓さん、私にだけ話しかけてくるんだよ。他のママさんたちもいるのに、私の方にだけ体を向けて、ずっと喋ってるの」
他のママたちも、最初はちらちらとこちらを見ていたけれど、そのうち誰も近寄ってこなくなった。まるで、梓さんが誰も入ってこないように見えない壁を作っているかのよう…。その時の梓さんの顔は、なんだかうれしそうに見えたのを覚えている。私を独り占めしているような、そんな表情だった。
「それは、ちょっとヤバいんじゃないか?」
健一が眉間にしわを寄せた。
「でしょ?私もそう思うんだよ。なんか、他の人には見せないような、なんていうか……特別な親近感みたいなものを、私にだけ抱いてるような気がして」
それが、私には重荷だった。別に、梓さんと特別な関係になりたいわけじゃない。むしろ、できれば関わりたくないタイプだ。
卒園までの我慢?だけどストレスはたまる一方
私は、これまでも何度か、この梓さんのことで友人に相談していた。友人とは、園とは関係ない学生時代の友達だ。
「ねえ、この前さ、幼稚園のバス停で、梓さんって人がね……」
そう切り出すと、友人たちはいつも決まって同じような反応をする。
「え、それ、ちょっとおかしくない?」
「その人、大丈夫なの?」
誰もが、梓さんの言動を「おかしい」と判断した。だから、私は自分の感覚が間違っていないのだと、少し安心した。
バス停での会話だけではない。幼稚園の行事や、公園で偶然会った時も、梓さんは必ず私の隣にいて、私にばかり話しかけてくる。まるで、私が梓さんにとっての、唯一の話し相手であるかのように。
「もしバスが一緒じゃなかったら、絶対にママ友にはならなかったと思う」
私の心の底からの本音だった。このままでは、ストレスがたまる一方だ。タケルの卒園まで、あと2年。その間、ずっとこの状況が続くのかと思うと、気が重くなるばかりだった。
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あとがき:ママ友の執着と深まる苦悩
平穏を願う真奈美の日常は、ママ友・梓の異常な執着により乱されていきます。個人的な質問や独占的な会話に嫌悪感を抱きながらも、流されやすい性格ゆえに距離を置けない真奈美。夫や友人からは梓の言動がおかしいと指摘され、自身の感覚が間違っていないと安心しつつも、ストレスは募るばかりです。幼稚園の卒園まで続く関係に、真奈美は深い憂うつを感じています。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










