🔴【第1話から読む】端末に残された「ホテル予約したよ」→運命の人と信じた夫の“最低な裏切り”|結婚前から女がいた夫
不倫を問い詰めた日から、家は戦場と化してしまいます。逆上した哲司は暴力をふるうこともあり、警察沙汰になることも。一方、由美子は哲司を捨てきることができなくて…。
夫に問い詰めても開き直られて…
夕方、哲司がゴルフから帰宅した瞬間、私は彼にiPadを突きつけました。
「これ、どういうこと?」
私の声は、自分のものとは思えないほど低く、震えていました。哲司は一瞬で顔色を変え、一歩後ずさります。
「ゆ、由美子……なんで見たんだよ」
「あなた、結婚前から私を騙して、入籍直後に不倫旅行に行ってたんだね。東京旅行なんて大嘘じゃないの」
問い詰める私に対し、哲司はあろうことか開き直り、態度を急変させました。
「お前こそろくな女じゃないくせに文句つけるなよ。他の女にいかれる側にも原因があるに決まってんだろ」
「は?どういうこと!?」
私たちは激しく怒鳴りあってしまい、近所の人が通報したのか警察がきてしまいました。恥ずかしいことをしたと思い私は反省したのですが、夫はここでストッパーが外れてしまったようなのです―――。
夫のDVが始まった
このときから、哲司はカッとなると手を出すこともありました。
ある夜は「もう不倫してないの?」と疑ったことに腹を立てられ、腕を押さえつけられました。彼の指の跡がくっきりとした青アザになったとき、私は恐怖で声も出ませんでした。
そのほかにも、物を投げ始めて恐怖のあまり私が110番したこともあり、警察が介入したのは、4回。警察がくれば哲司は表面上は反省した態度を見せるのですが、すぐにまた元に戻ってしまいます。
今思えば、この状況になったらすぐに離婚すべきだったと思います。でも、私は両親に言えませんでした。あんなににこやかに顔合わせをしたのに、彼を信じきっていた自分を認めるようで嫌だったんです。それに、私の両親は結婚を心から喜んでくれていました。その期待を、たった数か月で裏切るのが怖かったのもあります。
「私が黙っていれば、いつか平和な日がくるかも」
そう自分に言い聞かせ、我慢し続けました。
ついに不仲が両親の耳に入ってしまう
しかし、4度目の警察沙汰で、さすがに警察から私の両親に連絡が行ってしまいました。母から電話がかかってきた時の、あの悲痛な声。今でも忘れられません。
「由美子、哲司さんに手をあげられているの?すぐ帰ってきなさい!」
当然、両親は大激怒です。「すぐに離婚させないと」と両親と哲司の四人での話し合いの場が設けられました。
両親の前で、哲司は頭を床につけんばかりに謝罪しました。「もう二度と由美子に手を上げません。女性とも一切連絡を絶ちました」と、スマホの中身もすべて開示し、土下座を繰り返します。
それでも私の両親は猛反対しましたが、私は情がありました。それに、彼の言葉を、彼の涙を、もう一度だけ信じたくなってしまったのです。
「お父さん、お母さん。私は哲司とやり直したい」
両親の怒った顔、悲しい顔を前にして、私は再構築を選んでしまいました。親を裏切り、自分自身をも裏切ってしまった、あの時の決断を、どれだけ後悔したことでしょう―――。
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あとがき:暴力と情の狭間で揺れる決断
不倫発覚後の喧嘩、そしてDVへとエスカレートしていく展開はつらいですね。由美子は、恐怖よりも「両親を悲しませたくない」「自分の決断を間違いだと認めたくない」という強い思いから、地獄への道となる「再構築」を選びます。しかし、DVは繰り返されるものであり、一度始まった暴力に終わりはありません。
この決断は、彼女が両親を裏切り、自分自身をも裏切った行為でした。彼女の献身的な愛が、逆に彼女自身を縛り付けてしまった悲劇的な回です。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










