33歳の専業主婦・貴子は、優しい夫と幼い2人の子どもに囲まれ、穏やかな幸せを噛みしめていた。しかし、実両親からの度重なる借金依頼が影を落とす。兄・隆太と協力し、貴子はついに両親との絶縁を考えるようになって―――。
家族と過ごす幸せな日常
「ママ、みて!お花描いたよ!」
4歳の長女・蘭が、誇らしげに画用紙を差し出します。
「わあ、上手!陸くんも、お姉ちゃんに負けてないね」
2歳の長男・陸は、クレヨンで力強く丸を描いて笑っています。
私は貴子、33歳。優しい夫の幸弘さんと、育ち盛りの2人の子どもに囲まれ、専業主婦として穏やかな日々を送っていました。我が家の家計管理は、銀行員である幸弘さんにすべてお任せしていて、とても頼もしく思っています。
「貴子は育児で大変なんだから、細かい数字のことは得意な僕がやるよ」
そう言って笑う彼に甘え、私は自分の家庭を何より大切に守ってきました。
両親がお金を無心するのはいつものこと
しかし、そんな平穏を乱すのは、いつも決まって私の両親でした。
「もしもし、貴子?……実はね、今月の光熱費が払えなくて」
母からの電話は、いつも世間話もそこそこに本題に入ります。
「また?お母さん、先月もお兄ちゃんから5万借りたって聞いたよ」
「だってお父さんのパチンコが……。お願い、あと3万でいいの」
「ダメだよ。うちだって蘭の幼稚園代とか、これから陸のこともあるんだから」
毎月のようにこんな調子です。最初は「育ててくれた母のお願いだから」と応じていた面もありますし、幸弘さんも「できる限りは助けてあげて」と言ってくれていました。でも、お金には限りがありますし、子育てしている以上は常にいっぱいいっぱいで、とても余裕なんてありません。
困り果てた私は、実の兄・隆太に連絡をしてみることにしました。
兄も悩む両親のこと
兄・隆太は電話に出てくれましたが、母からの電話について伝えると大きくため息をつきました。
「また?俺ももう無理だよ。今まで合計でいくら貸したと思ってるんだ…これ以上は俺の家庭も壊れるし、嫁も『これ以上は貸さないで』って言ってる。今回ばかりは断ろう」
兄の言葉に、私は強く頷きました。
「わかった。私ももう1円も出さないって言うね。お父さんもお母さんも、私たちが貸すから甘えてるんだと思うから」
兄との電話を切った後、私は両親に対して「もうお金は貸さない。お金の無心なら電話はしてこないで」とメッセージを送り、着信を拒否しました。これで私たちの強い気持ちが伝わると思っていたのですが、現実はそんなに甘くはなかったのです―――。
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あとがき:身近に潜む「家族」という名の呪縛
幸せな家庭のすぐ裏側に潜む、実家からの不躾な要求。身に覚えがある方も多いのではないでしょうか。「親だから」という理由で、大切に築いてきた生活を脅かされる恐怖は計り知れません。貴子が下した「絶縁」という決断は、冷酷なものではなく、自分たちの小さな宝物を守るための切実な防衛策でした。物語の幕開けは、多くの女性が抱える「親との距離感」という重いテーマを突きつけます。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










