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絵本の中でモンスターは「みんなでパーティーを楽しみたい」と思っていたのに上手く伝えられません。大きな声でみんなをこわがらせてしまい、最後にはひとりぼっちに。その姿が靴屋で怒鳴ってしまった自分と重なった母は「このモンスター、お母さんみたい」とつぶやきます。
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娘が持ってきた絵本「さびしがりやのモンスター」には、一匹のモンスターが登場します。
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大声で「うまいものを持ってこい」と言われた動物たちはビックリ。「自分たちが食べられてしまうのでは」と不安になり、必死で食べ物を運びます。
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モンスターは「動物たちを食べたりしない」と言いますが、その剣幕に動物たちはすっかり怯えてしまうのでした。
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怒鳴られて何もできなくなっていた動物たちに「おれの言うとおりにしろ」と追い打ちをかけるモンスター。とうとう、動物たちは逃げていきました。
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モンスターはひとりぼっちになってしまい、さびしそうにしています。本当はみんなでパーティーをしたかったけど、どうやってお願いしたらいいのか、分からなかったのです。
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絵本のモンスターと、靴屋で怒鳴ってしまった自分が重なります。上手く伝えられずに、みんなを怯えさせてしまいました。
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あの出来事を思い出して、娘がまた悲しい思いをするかもしれないのに、思わず「お母さんモンスターじゃん」と言ってしまいます。
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母が激昂する姿を見て号泣してしまった娘は、あの日のことには一切触れてきませんでした。「感情を抑えきれずに怒鳴ってしまった自分はモンスターだ」と言う母に、何と返すのでしょうか。
🔴【続きを読む】「私のために怒ったんだよね」暴走した母を肯定した、幼い娘の深い愛
誰もが「モンスター」になり得る時代に
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「カスタマーハラスメント」という言葉が浸透した現代では、激昂する客は単なる「悪者」と映りがちです。しかし、その怒りの裏側には、切実な「心の余裕のなさ」が隠れていることもあります。
本作に登場する母親も、最初から攻撃的だったわけではありません。苦しい家計の中から娘のためにと奮発した靴がすぐに壊れてしまい、その焦りと不安の最中、店員の心ない対応が引き金となり、彼女を「モンスター」へと変貌させてしまったのです。
一方の店員もまた、日々の理不尽な客対応で心をすり減らし、無意識に威圧的な「モンスター」として振る舞っていました。感情的に怒りをぶつけることは、周囲に悪影響を及ぼす避けたい行為です。しかし人間である以上、追い詰められた時に感情を完璧にコントロールすることは難しいことです。
だからこそ重要なのは、相手を単なる「モンスター」と断じるのではなく「なぜこの人はここまで言うのだろう」とその背景に思いを馳せる姿勢です。人は誰でも、状況次第でモンスターになってしまう可能性を秘めています。互いの立場や事情を想像し、尊重し合う対話こそが、悲しい連鎖を止める唯一の鍵となることを教えてくれる作品です。
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