監修:清水なほみ 先生

双子の妊娠はいつわかる?双胎妊娠の分類とリスク、分娩方法

厚生労働省が公表する人口動態調査によると、2016年の分娩のうち、双子の割合は約1%。双子を出産する割合は、不妊治療における排卵誘発剤の使用などが影響して一時は増加傾向にありましたが、2006年以降は減少傾向にあります。この記事では、双子妊娠を希望している方に向けて、双子の種類やリスク、分娩方法をご紹介します。

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双子(双胎妊娠)の種類

子宮内に一人以上の胎児がいることを多胎妊娠と呼び、なかでも双子は「双胎妊娠」と呼ばれます。双子は、一つの受精卵が二つに分裂した「一卵性」と、二つの受精卵がそれぞれ育つ「二卵性」という認識がありますが、医師はそのような判別を重要視しません。

双子は、一卵性、二卵性といった分類のほかに、膜性(まくせい)と呼ばれる、絨毛と羊膜の数による分類があります。絨毛と羊膜は聞きなれない言葉かもしれませんが、絨毛は胎盤のこと、羊膜は赤ちゃんが育つ部屋のことを指します。一口に双子と言っても、どの膜性かによってリスクが異なります。

二絨毛膜二羊膜双胎(DD双胎)

二絨毛膜二羊膜双胎(にじゅうもうまくにようまくそうたい)は、絨毛が二つ、羊膜が二つということを指します。これは、赤ちゃんが育つ部屋が別々で、それぞれの部屋に胎盤がある状態です。そのため、血液や酸素は母体からそれぞれの赤ちゃんに供給されます。

お互いのへその緒が絡まる心配もなく、妊娠中のリスクが比較的少ないと言われています。二卵性であれば原則的にDD双胎ですが、一卵性でも25~30%の割合で起こります。

一絨毛膜二羊膜双胎(MD双胎)

一絨毛膜二羊膜双胎(いちじゅうもうまくにようまくそうたい)は、絨毛が一つで羊膜が二つ。つまり、二人の赤ちゃんがひとつの胎盤を共有していて、部屋は別々にわかれている状態です。この分類の双子では、それぞれの赤ちゃんの栄養バランスが均等にならない可能性があります。

原因は、赤ちゃんの間で胎盤の専有面積が異なることや、お互いの血管が胎盤内でつながっていることが挙げられ、後者の場合は双胎間輸血症候群(そうたいかんゆけつしょうこうぐん)と呼ばれます。双胎間輸血症候群は、進行例では予後が悪いとされており、対応できる病院で治療を受ける必要があります。

一卵性の双子では、70~75%がこの一絨毛膜二羊膜双胎となります。

一絨毛膜一羊膜双胎(MM双胎)

一絨毛膜一羊膜双胎(いちじゅうもうまくいちようまくそうたい)は、絨毛も羊膜も一つ。つまり、二人の赤ちゃんがひとつの胎盤を共有しており、部屋も同じ状態です。同じ部屋の中で赤ちゃんが育つため、お互いのへその緒が絡まってしまうことによる突然死のリスクが高くなるとされています。

突然死のリスクは胎児が大きくなるにつれて減少していきますが、この分類の双胎は発生頻度が低いため、統一された対応方針がありません。そのため、それぞれの状態に合わせて対応していくことになります。

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双子の妊娠はいつわかる?

超音波検査 PIXTA

双胎妊娠は妊娠初期の超音波検査でわかるのが一般的で、絨毛膜と羊膜の数によってわかります。絨毛膜は胎嚢の数、羊膜は胎嚢の中にある羊膜という薄い膜の数を数えます。胎嚢は、妊娠5週ごろから確認できるため、その時点で胎嚢が二つ確認できれば二絨毛膜双胎とわかります。

また、妊娠7週以降の胎芽が確認できる時期では、一つの胎嚢に二つの胎芽が確認できれば一絨毛膜双胎と診断されます。一絨毛膜双胎である場合、赤ちゃんの間に羊膜が確認できれば二羊膜、確認できなければ一羊膜という風に診断しますが、羊膜は見えにくい場合もあるため、妊娠14週まで繰り返し検査を行って診断します。

このように、双子の中でもどの分類に属するのかを診断することを膜性診断と呼びます。

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双子の妊娠によるリスク

妊婦 入院 PIXTA

双胎妊娠は、単体妊娠に比べ母子共にトラブルを起こしやすく「ハイリスク妊娠・出産」として扱われます。特に、MM双胎(一絨毛膜一羊膜双胎)では、早めの管理入院をすすめられることが多いです。

赤ちゃんへのリスク

  • 流産・早産
  • 胎児発育不全

双胎妊娠では、単体妊娠に比べて流産・早産のリスクが高まります。早産率は約半数といわれ、その1割程度は妊娠28週未満の超早産となる方もいます。

また、胎児の発育が均等でないことや、二人とも小さめの発育となることがあります。胎盤やへその緒の状態が原因で起こりますが、特に一絨毛膜性双胎でリスクが高いため、超音波検査を頻繁に行うなどの対策がとられます。胎児の発育が止まったままにしてしまうと胎児仮死や胎児死亡につながる可能性があるため、胎児の発育に問題がある場合には入院による管理が行われることがあります。

母体へのリスク

  • 妊娠高血圧症候群
  • 血栓塞栓症
  • 産後の過多出血 

単体妊娠の3倍程度で、高血圧や尿たんぱくの症状が起こります。重症化すると、常位胎盤早期剥離(じょういたいばんそうきはくり)などを引き起こす可能性があります。

多胎妊娠では、単体妊娠に比べて母子ともにさまざまなリスクが高くなるため、妊婦健診の頻度を多くしたり、状況によっては管理入院をしたりといった対応がとられます。ただし、経過が順調な場合は単体妊娠と同様の対応となることもあります。

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双胎妊娠の分娩方法

診察 PIXTA

双子の出産と聞くと「帝王切開」というイメージを思い浮かべる方が多いかもしれませんが、経膣分娩ができる可能性もあります。ただし、病院の体制や考え方によって異なりますので、希望しても実現できないこともあります。

通常は陣痛が来る前の34週くらいから管理入院をして、自然な陣痛を待つのか帝王切開をするのかを状態によって判断します。

経膣分娩が可能な条件

  • 第一子が頭位であること
  • 妊娠34週以降であること
  • 赤ちゃんの推定体重が、2人とも1,800g以上あること

経膣分娩が可能な条件は病院によって異なる場合もありますので、経膣分娩を希望する場合には医師に確認してください。また、経膣分娩での出産を進める中で、緊急帝王切開となる可能性もあることを頭に入れておきましょう。

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「いつもと違う」と感じたら迷わず医師に相談を!

診察 PIXTA

双子は単体妊娠よりも母子共にトラブルが起こる可能性が高いです。双胎妊娠はさまざまなリスクがあり単体出産よりも注意深く経過を見る必要があるのです。少しでもいつもと違うなと感じることがあれば、迷わず医師に相談しましょう。

双子の妊娠とわかったら、無理をせず休息をとりゆったりとしたマタニティライフを過ごしながら、元気な赤ちゃんと出会えるまでの心の準備をしたいですね。

記事の監修

ポートサイド女性総合クリニック〜ビバリータ〜 院長

清水なほみ 先生

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