再婚禁止期間ってなに?女性なら知っておきたいその法律!
夫婦の離婚後、女性にのみ再婚禁止期間が設けられているのを知っていますか?
民法には、以下のように定められています。
第733条 女は、前婚の解消又は取消しの日から6箇月を経過した後でなければ、再婚をすることができない。
2 女が前婚の解消又は取消しの前から懐胎していた場合には、その出産の日から、前項の規定を適用しない。
出典: www.houko.com
再婚禁止期間とは…
- 女性は離婚後180日間は再婚できない。
- 夫が失踪及び行方不明で裁判により離婚を認められた場合は、すぐに再婚可能。
- 180日以前に出産した場合、元夫の子と認定されるので180日経っていなくても再婚可能。
- 元夫と再婚する場合は180日経っていなくても再婚可能。
- 離婚後、女性が堕胎手術を受けた場合、診断書を提出すれば再婚可能。
- 女性が67歳以上の場合は離婚禁止期間を適用しない。
上記の適用条項を見て分かる通り、女性の再婚禁止期間は『離婚した時に気付かず妊娠していた場合』にその後に起こるであろう認知の問題や、遺産相続の問題を懸念して定められています。
再婚後に子どもが産まれた場合、現夫が「自分の子ではない可能性があるから認知したくない」と言い、元夫も「離婚後出来た子のことは知らない」と言った場合に子どもが不利益を被るのを避けるための法律なのです。
一緒に知っておきたい300日ルール
180日という期間を、「中途半端だなぁ」と思う人も多いのではないでしょうか?
WHOは、赤ちゃんが産まれるまでには最終生理日から280日かかるという指針を示しています。180日を過ぎて産まれても、前の夫の子である可能性は高いということになります。
だから、再婚禁止期間とは別に、離婚後300日以内に産まれた子は前の夫の子とするという法律があります。
180日以降300日以内に産まれたけど現夫の子である場合は、DNA鑑定など医学的証明書をそろえて「元夫の子ではない」という裁判をしなくてはいけません。
再婚禁止期間、増える無戸籍児!
元夫と円満に離婚できた場合はいいのですが、DVで泥沼裁判の末に離婚し、元夫に住所などを伏せて引っ越す女性も多くなっています。
その場合、離婚成立後に妊娠に気付いて出産すると、出生届を出した場合に「元夫の子」として届出る事になるので現住所が元夫に知られてしまいます。
元DV夫からの報復を恐れて出生届を出せない女性も多く、すると子供が「無戸籍」になってしまいます。
元夫離婚後に知り合った男性の子を妊娠したが、早産などで300日を前に産まれてしまった場合も、出生届が元夫の子として出されるので、相手に居場所が分かってしまいます。
現夫の子であると裁判をする場合にも、親子関係不存在の裁判で元夫との親子関係の解消をしなくてはいけないので、元夫がそれに応じないことが考えられる場合に出生届を出さないという判断をする女性もいるようです。
訴訟で話題になった、再婚禁止期間!
ある女性が、2011年に「女性にだけ再婚禁止期間が定められているのは違憲である」と訴訟を起こしましたが一、二審判決で請求が退けられました。
しかし、女性は上告し、今年11月4日に最高裁が原告女性と国側の違憲を聞く弁論を開いた事で話題になっています。
最高裁はこれまでこの規定が違憲か合憲かの判断を示した事はありません。そこに触れずに請求を棄却して来たのです。年内には最高裁が初めて合憲かどうかの判断を下すのではないかと注目されています。
裁判のニュースを皆はどう思っている?
再婚禁止期間の裁判を知って、どういう意見を持っているのか。ニュースに寄せられたコメントがこちらです。
再婚禁止期間あるのはおかしいけどなくなったらそれもすごいな。外国では男女ともある場合が多い。女性だけあるというのが時代錯誤すぎなんだよね 出典: headlines.yahoo.co.jp
再婚禁止期間が 六ヶ月あるのは知ってるけど 女性だけって 知らなかった 、 男女 まだまだ 平等じゃなぃんやなぁ 出典: headlines.yahoo.co.jp
再婚禁止期間については、子供の権利として、必要だと思う。
離婚するまではこどもは作らない。作れない。そこまで考えての行動が、結婚の責任と権利と義務、だと思うけどなぁ。 出典: headlines.yahoo.co.jp
知らなかったという人もいて、このニュースが多くの人が『知る』『考える』機会になったようです。
女性にのみ再婚禁止期間を定めた法律は見直すべき!
みなさんは、この法律を知ってどう思いましたか?
私は、子どもの権利を守るためにも必要な法律だとは思うけど、不備が多い法律なのではないかと思ってしまいます。
女性側だけの問題ではない!
憲法の内容は、女性と、主にその子供を守ることを趣旨としています。
しかし、男性側はどうなのでしょう?元妻が妊娠が分かってすぐに元夫に連絡を取ればいいですが、そうでない場合は知らない間に自分の子が産まれていて、養育費を支払う義務もあるし、自分の死後には財産を相続させなければいけません。
男性側が再婚する前に、元妻の妊娠や出産が分かっていれば問題は少ないのですが、分かる前に再婚してしまうとややこしいことになってしまいます。
相手の女性が「バツイチとは知っていたが、子どもがいるとは聞いていない!」となったり、再婚相手との間にも子どもが出来ていて生活が苦しく「養育費を払う余裕がない」となる可能性もあります。
男性側も、再婚後に揉めないように「元妻が妊娠しているかどうか判明するまで再婚出来ない」という期間が一定期間必要なのではないでしょうか?
男性のためでもあり、その再婚相手の女性や子どものためでもあると思います。
再婚禁止期間が不合理
180日を過ぎても元夫の子とされるなら、180日という規定に何の意味があるのか。とてもややこしいと思いませんか?
本当に誰の子かをハッキリさせるのが目的なら、『300日以内に再婚したい場合は、役所の指定する病院で妊娠していないという診断書を提出する』ということを義務付ければいいだけではないでしょうか?
現在は妊娠していない事を証明しても、婚姻届は受理されません。子どもの父親をハッキリさせる法律なのに、妊娠してなくても適用されてしまう、融通のきかない所も問題ですね。
男性側が再婚したい場合には、女性側の検査協力が必要になりますが、それも憲法で「義務」と定めてしまえば良いと思います。
本当に子供の権利を守るためなら、DNA鑑定を義務付けるべき!
女性の再婚禁止期間の法律が出来た当時、DNAの親子鑑定がありませんでした。
しかし、現在DNAの親子鑑定は「父・子」2人の親子鑑定をするだけなら20,000円前後、鑑定書付きの最高精度の鑑定でも60,000円前後ですることが出来ます。
離婚後100日でも300日でも、DNA検査をしなくてはどちらの子かハッキリしません。検査がない時代には、原則元夫の子としてきましたが、300日以内に産まれた子は出生届を出す時にDNA鑑定を義務付ければ良いのではないでしょうか。
検査費用が一括で支払えない場合は、児童手当から天引きでの分割払いも可能だと思います。
自分の父親が誰であるかを知るのは、子どもの当然の権利だと思います。妻、元夫、現夫が費用を負担したくないと言った場合には、子ども本人のための検査となので児童手当から支払うのがふさわしいかと思います。
身近な問題として考える機会に!
再婚禁止期間を制定している民法について、私なりの見解や、世間の人の意見を紹介しましたが、みなさんはどう考えましたか?
厚生労働省の発表では、日本人カップルの3組に1組が離婚しています。無国籍者の数も1万人を超えると言われています。
3人兄弟ならそのうちの1人は離婚してもおかしくない事になりますから、決して自分とは無縁の法律ではありません。
知る事、そして考える事から始めてみましょう!