女性専用車両設置の経緯について
女性専用車両は痴漢や盗撮などの性的犯罪から女性たちを守るために設置されました。このような犯罪が電車内で増加・顕在化してきたことがその背景にあるのは言うまでもないことです。
古くは明治時代にありましたが、近年の普及は2001年の京王選の試験導入が首都圏での始まりです。その後、関西にも広がり、時間帯は主に通勤時間ですが、細部は各線にもより異なります。
興味深いことに、男性が女性専用車両に乗ること自体は法律違反ではないようで、男性が乗車することを妨げる強制力はないようです。しかし、違法行為ではないとしても、事実上男性が乗るのは難しいのが現状です。
商業的目的もあります
このような車両が作られた背景は車内広告という商業的見地もありました。女性専用車両では男性向きの物を避け、女性向きの広告を吊るして購買意欲を注ぐというものです。
女性専用車両を必要な車両と肯定的に見る一方、男女差別と見る意見があることも否めません。
また、老人夫婦の利用、妊婦とその家族、要介助者に付き添う男性の利用等の問題点も指摘されましたので、2005年からはこの点は改良され、以下の場合は男性の乗車も認められることになりました。
- 小学生以下の男の子
- 身体の不自由な方
- 身体の不自由な方とその介護者
女性専用車両が有る線と無い線の違いは?
せっかく導入された女性専用車両ですが、ある路線、ない路線があります。皆様のご利用される路線はいかがですか?
女性専用車両がある線
女性専用車両がある路線は乗車時間が比較的長く、列車の編成が長いもの。埼京線・川越線や中央線・総武線、常磐線、京浜東北線などです。
このような車両は痴漢行為発生の確率が高いのです。ですから、女性の安心を得るために女性専用車両を設置したわけです。
最後尾や先頭などの1車両だけとされており、平日の出勤時間帯や帰宅時間帯に設置されていることが多いようです。
女性専用車両がない理由
山手線、武蔵野線、大江戸線には女性専用車両がありません。理由として考えられることは長時間の利用者が少なく、乗客の入れ替えが激しい路線なので、痴漢が発生しやすい環境ではないからではないでしょうか。
また、短時間乗車のため、わざわざ女性専用車両に乗ろうとする女性は少ないのではないかと思われています。
女性専用車両がある線の多くは、階段付近など一部の車両が混雑し、先頭や最後尾車両は比較的空いていることがあります。そのため、その車両を女性専用車両にしているのですが、山手線のようにどの車両も混雑している線では、女性専用車両を設けることが難しいとされています。
女性専用車両ってどう?女性の声をご紹介します
次に、女性専用車両について感じることを女性側の意見として集めてみました。5つ、ご紹介いたします。女性の皆様、男性の皆様、どう思われますか?
子連れ専用車にして!
私としては、女性専用車は廃止して、子連れ専用車に変更すべきだと思います。
利用可能な人は
・小学校2年生以下と、その同伴者
・身体に障がいのある方
・妊娠中の方
として、安心して、混雑に巻き込まれることなく乗車できる社会を作るべきだと思います。
これなら終日実施でもいいと思います。(鉄道ファンとしては先頭車の場合終日実施は止めて欲しいですがw)
出典: pasonal.com
なるほど。ママとしての貴重なご意見ですね。子連れの乗車は確かにママにとって負担になることがありますし、肩身の狭い思いをすることが多いのではないでしょうか。
まして、今はワーママが多い世代。保育園まで電車で通うパパ、ママも多いですよね。こんな車両があるといいですね!
自身は利用しないけど…有効に活用されてほしい
女性からも女性専用車両について賛否両論あります。
私はあっても良いとは思いますが、多分利用しません。
とにかく早くスムーズに行動するために階段やエスカレーターに近い車両に乗るようにしています。
本当に必要な人がいるなら、女性専用車両は必要だと思います。
有効に活用されると良いなぁとしみじみ思いました。 出典: tblo.tennis365.net
そうですね。こちらも貴重なご意見。そして女性でも女性専用車両に乗ったことないという方は多くいらっしゃるようです。それはやはり女性専用車両が乗り換えがスムーズにいかない車両、というのも大きな理由かもしれません。
多少の不便はあっても、痴漢の恐怖に怯える女性達のために廃止などされず、今後も有効に利用してほしいですね。世の中には痴漢被害で心に傷を抱えた女性は少なくないと思います。そのような方々のための車両ですからね。
男性が乗っていても気にしない
私女だけど、女性専用車両には乗ったことないし、女性専用車両に男性が乗ってても気にしないし良いと思う。乗らざるおえない理由があるかもしれないしね!
でもあくまで女性専用って書いてるから極力控えた方がいいとは思うけど…
出典: www.youtube.com
女性の中にはこの方のように女性専用車両に男性が乗ってても気にしないという方もいるかもしれませんね。
大事なのはどの車両にいても、マナーが守れるかどうか、なのかもしれません。
そして、女性専用車両に乗れる男性は障がいのある方、介助者、子供といった規定がありますが、この規定をご存知のない方も多いのではないでしょうか。
もっと、周知すべきかもしれません。
男性から見ると不公平かもしれないけど、有っても良いと思う
男性側から見たら不公平感があるのではないかとも思う。ただ、痴漢まがいの被害に遭っている女性もいれば、ただ手が当たっただけで喚き散らされる男性もいるだろうから、有っても良いのかなとも思う 出典: chosa.nifty.com
男性側から見たら不公平感があるかも…と、男性の立場も考慮された貴重なご意見ですね。でも実際に痴漢の被害にあっている女性もいるし、痴漢と間違えられないよう苦労している男性もいるので、それぞれの立場を思いやるということでしょうか。
皆が満足できるような車両であってほしいですね。
全ての車両を男女別にしても良い
男性から痴漢されない「安心感」があります。
男性も同じように「安心感」が欲しいというならわかります。
そういった意味で私は男性車両もあれば良いと思っています。
冤罪に怯える男性が気の毒だからです。
アベノミクスで今後は働く女性がますます増えそうですから
なんなら全ての車両を男女別にしてもいいと思う。 出典: detail.chiebukuro.yahoo.co.jp
痴漢の被害におびえるのは女性だけでなく、近年男性も増えているようです。女性専用車両によって男性から痴漢されない「安心感」を女性が得られるのであれば、男性専用車両によって女性から痴漢を誤解されない「安心感」を男性も欲しいということでしょうか。
そういうご意見もありますね。世の中は男性と女性が協力し合って作っていくもの。お互いに譲り合いながら、男女ともに安心して、電車に乗りたいですね。
女性専用車両を増やすにはどうしたらいい?
まだまだ、十分とは言えない女性専用車両ですが、上記からもわかりますように、女性はもちろん、冤罪を不安に思う男性からもその必要性は叫ばれています。
増やすには、どうしたらいいでしょうか?
女性専用車両のみならず、10両編成中男性専用車両2両、子連れ可車両1両などを作るというのはどうだろうかと私なりに考えました。
このようにそれぞれの必要性を満たした車両ができれば、女性専用車両も必然的に増えることになるのではないでしょうか。
1.男性専用車両を作る
痴漢の被害で苦しむのは女性のみではありません。冤罪で嫌な思いをする男性もいらっしゃるのです。立場は同じ。どちらも苦しいと思います。
ですから、男性専用車両があれば、嫌な思いをする男性がいなくなるかと思います。男女平等が叫ばれる現在だからこそ、必要な処置ではないでしょうか。
2.子連れ専用車両を作る
女性の声でもありましたが、子連れ専用の車両があれば、子連れのパパ、ママ、子連れでない通勤客の人々と良い距離感ができるのではないでしょうか。保育園が少ない現在、職場近くの無認可に連れて行かなければならないパパ、ママも増えてきていると思います。
でもその一方、赤ちゃんの泣き声、子供の声を不快に思う方々もいらっしゃいますので、このように車両が分かれれば、お互いに助かりますよね。
また、妊婦さんもお腹が大きく、辛い思いをされている方も多いかと思いますし、子連れ妊婦さんもいらっしゃるかと思います。子連れ、妊婦車両になると良いですね。
3.地域で声を挙げてみる
お使いになる路線に女性専用車両がない場合、やはりその地域で声を挙げてみないと鉄道会社には届かないです。ですから、お使いの鉄道会社のホームページ、お住まいの市町村のホームページ等の意見欄に書き込む等、声を挙げてみましょう。
より多くの人の目につくには新聞の投書欄でも良いかと思います。
世論を動かすにはやはり、身近なところからですよね。小さな一人ひとりの声が国に届くにはやはり、たとえ小さな声でも挙げないことには何もなりませんよね。
女性専用車両は女性を守る大切な仕組みです
女性車両について考えてみましたが、いかがでしたか?
朝のラッシュ時、皆せわしなく動いています。混み合った電車に乗るのはそれぞれの我慢が必要で体の密着等、仕方のないことですが、痴漢行為があったり、何もしていないのに濡れ衣を着せられたりするのは本当に嫌なことです。
特に私が心配に思うのは中高生の女の子。心に傷が付いてしまっては可愛そうです。一生の傷になってしまう子もいると言います。
そのようなことがないようにやはり、女性車両は増やしてほしいもの。皆の幸せのために皆さんで声を挙げましょう。一人ひとりの声は小さいけれど、皆が集まれば、大きな声になります!