「妊婦は要らない」マタハラ事業者が、初の実名公表
2015年9月4日厚生労働省は、妊娠を理由に女性職員を解雇し、国の是正勧告に従わなかったとして茨城県のクリニックの実名を公表しました。
いわゆるマタハラ(マタニティ・ハラスメント)を行なった事業主の実名を公表されるのはこれが初めてです。
「妊婦は要らない」妊娠を理由に解雇
今回公表されたのは「牛久皮膚科医院」というクリニックです。
正職員の20代の看護助手が妊娠を報告すると、院長が2週間後に突然「明日から来なくていい。妊婦はいらない」と退職を迫ったといいます。
看護助手は「妊娠したばかりで、まだ働きたい」と訴えましたが、院長は認めませんでした。
女性から相談を受けた労働局は、3回にわたって院長に是正勧告、7月には厚労大臣による初の勧告も行いました。
しかし院長は解雇を撤回せず「妊婦はいらない」「(男女雇用機会)均等法を守るつもりはない」などと応じたため、クリニックの実名が公表されることになりました。
ネット上には賛否さまざまな意見が…
このクリニックの実名公表に対し、ネット上にはさまざまなコメントが投稿されました。
賛成!もっと実名公表すべき
目立ったのは実名公表を支持するコメント。特に、現在妊娠中の女性にとっては他人ごととは思えないようです。
マタハラをもっと皆に知ってほしい!
こちらは過去にマタハラの被害にあった女性のコメント。妊娠をきっかけに職場で嫌がらせを受けていたようです。
「妊娠しないで」もマタハラ?
これもよくあるケースではないでしょうか?「妊娠しないで」「今◯◯さんが妊娠したら困る」…
一見、信頼しているからこそ発せられた言葉のようにも思えますが、子供を産むか産まないかは上司や経営者が決めることではありませんよね。
「罰則なし」の是正勧告だけじゃ改善しない!
罰則のないマタハラの是正勧告。事業者が勧告に従わないにも当然のように思えます。
今回「実名公表」という切り札を見せたことで、今後は是正勧告に従う事業者も増えるのではないでしょうか?
実名公表はやりすぎじゃないの…?
一方で「実名公表はやりすぎ」との声もちらほら…
急に1人いなくなるのはキツい…
少人数の職場は例え1人でも欠けると痛い、という旨のコメントも。
妊婦さんのことを思っての発言だったかも…
妊娠した女性に負担がかからないようにするために解雇したのではないか、という人も。
妊婦中や子育て中の女性に対し、会社側がよかれと思って負担の少ない部署へ移動させることについても、たびたび議論になっています。
問題意識が広まったことは確か
今回の実名公表に対してはさまざまな意見がありますが、この報道により「マタハラ」に関心をもつ人が増えたのも事実ではないでしょうか?
少なくとも「問題意識を広める」という意味では、実名公表が世間に与えた影響は大きいように思えます。