女性は休めない?現代の流れに逆らうお正月の習慣とは
おめでたいお正月。親戚一同で集まって新年の始まりを祝う習慣があるお家も多いですよね。しかし、せっせと働いているのは女性だけ。男性は飲んだり食べたりして思い思いにくつろいでいる…。このような様子を見て、違和感を覚えた方も少なくないのではないでしょうか。
とあるブログが発端となり、お正月に親戚が集まった時の男女の過ごし方に大きな差があることが話題になっています。
まずは、このブログに記載されていた内容をご紹介しますね。
「正月の男尊女卑」についてのブログが世間でも話題に
お正月は父方の祖母の家に親戚一同集まって過ごしているというこのブログの著者。
この時、食べ物や飲み物の準備、片付けなどは全部女性の仕事。男性陣はというと、テレビを見ながらお酒を飲んで、好きなものをつまみ、好きなようにくつろいでいます。
幸せなムードのお正月であっても、著者たちはゆっくり座って美味しいものを食べることも許されず、残り物をそそくさと食べるだけ。そして食器を下げて洗い物をするのも女性の仕事。
育ててもらった恩がある父親や、親戚とはいえ他人である叔父や従兄弟はまだしも、兄が当たり前のように好きなものを好きなように食べているのが許せない。その兄が、一仕事終えて席についた著者に「お疲れ」と話しかけてきたことにも腹が立ってしまいます。
著者の方が兄に比べて稼ぎもあって、残業もして、そのうえで普段から家事もこなしているのに「家事全般は女性がやって当たり前」という親戚一同。彼らに腹を立てると同時に、何もできないくせにと心の中で批判してしまう自分や、実際に声に出して周囲へその疑問をぶつけてしまう自分にも嫌悪感…。
似た経験をしたことがある!という読者の方もいるのではないでしょうか。
- 匿名「正月の男尊女卑」はてなブログ(http://anond.hatelabo.jp/20170101194020)
地域や家庭によっても違う?私が経験したお正月事情
私は東京出身ですが、九州出身の父と静岡出身の母の間で育ちました。時代の流れもあったのかもしれませんが、父はいわゆる「九州男児」で亭主関白、母は専業主婦という環境。子供心ながらに思うところがありましたし、母の愚痴を聞かされることも多かったです。
私の夫は北陸地方出身で、結婚してからはお正月やお盆は北陸の義実家に帰省します。親世代から共働きが主流で、現在でも共働き率が全国1位の県であることもあり、女性と男性の差は、実家にいたときほどは感じることがありませんでした。
親戚で集まるときには台所に女性が大集合!男性は居間でゆっくり…
父方の実家の親戚で集まるときは、いつも上記のブログで言われていた通りの光景が繰り広げられていました。父は4人兄弟だったのですが、女性陣はせっせと料理の準備をし、男性陣はお酒を飲んでくつろいでいます。
母たちは台所でせっせと料理の支度や片付けをしていました。実家に集結するときだけでなく自宅に親戚を呼ぶときも、台所に奥様方が押し寄せ、あーでもないこーでもないと準備をし、時にはキッチンの収納や掃除の仕方にダメ出しをしてくる人もいました。
また、結婚した後に参加した法事でも、成人女性だからという理由で台所に集合をかけられたときは少しびっくりしてしまいました。
お嫁さんはお客様?義実家では楽させてもらっています…
義理の実家があるのは、日本でも共働き率が最も高い地域。私も結婚した当初は、気を遣ってこまめに「お手伝いすることありますか?」と声がけしていましたが、義母からも丁重に断られることが多く「いつも大変なんだからゆっくりしてきね」と言われます。気遣いに感謝ですが、どうやらキッチンに立ち入られるのも苦手なタイプのよう。
また、義両親も親戚の家での集まりがあまり得意でないとのこと。夫の親戚の家に行くときも「私忙しいからあなたたちで行っておいで~」と言われます。夫と私、娘の3人で親戚の家にお邪魔すると、お茶菓子とお茶を頂いて、お話を聞き、娘の相手をしてもらい、そう長居することもありません。ありがたいですね。
しかし、義実家はずっと共働きで、義母は長いこと働き続けており、義父は定年を迎えて1年前に退職したばかり。それでも、家事をやるのはほとんどが義母です。これにはちょっと違和感を覚えました。
お正月の習慣、どうやったら男女平等に近づく?
お正月で特に顕著になる行動の男尊女卑。私が経験した事例からも、地域やそれぞれの家庭によってだいぶ差があるものの、基本的には「家事は女がするもの」という認識があるようです。
そして、共働きが決して珍しくない子育て世代のママたちが違和感を覚えるところでもありますよね。
おめでたいお正月は、会社や保育園、幼稚園、学校も休みのところが多く、家族で過ごすことができる絶好の機会。女性たちもできれば悶々とせず、楽しい気持ちで迎えたいものですよね。どうしたら女性もお正月を快適に過ごすことができるのか、私なりに解決策を考えてみました。
身近な人に相談する
意外と多いのが、このお正月の悶々とした気持ちをご主人やお母様に相談しても、「そういうものでしょ」「昔からそうだし」と流されてしまうケース。
今の子育て世代の親世代に当たる人たちは、専業主婦家庭が多く、自然と「家事は女性の役割」になっていたご家庭が多くなっています。こうした家庭で育ったパパたちは、お正月にママが忙しくせっせと働いていることに対して、良い悪いではなく何とも思わない、景色のようになってしまっているのではないでしょうか。
イライラしながら「なんでこうしなきゃいけないの?」と感情的に話をするのではなく落ち着いて、ご主人やお母様など身近な人に「私はこう思う」というのを伝えてみてはいかがでしょう。具体的な解決にはならなくても、心の内を聞いてもらえる、わかってもらえるだけで少し気持ちがすっきりとするものです。
話し合って、具体的な解決策が見えたら尚良いですよね!
他の楽しみを作って割り切る
家族間の関係性にもよりますが、こうして親戚一同で集うのは年に1、2回というケースも多いのではないでしょうか。
お正月ぐらいゆっくり休みたい…という気持ちもよく分かります。しかし、年に1度だからその時は割り切って気持ちを切り替えよう、という考え方でその場に挑めば、悶々とすることも少なくなるのではないでしょうか。他の親戚の女性から料理や家事のコツを学べるかもしれませんし、悪いことばかりではないかもしれませんよ!
ただ、それでもやっぱり休みは欲しい…というのが正直な気持ち。帰省が終わったらご主人にお子さんを預けて友達とランチに行く時間をもらったり、家族で温泉旅行に行ったりと、お正月の前後にちょっとした楽しみを作っておくと、悶々することもなく乗り切れそうですよね!
過去の習慣にとらわれず改善していきたいという意志を持つ
今は自分たちの親世代とは世間の様子も変わり、以前ほど専業主婦が一般的ではなくなったことは先ほども述べました。
義母によくよく話を聞いてみると「自分が嫁いだ時嫁姑関係では苦労したから、お嫁さんにはそういう思いをしてほしくなく、自由に過ごしてほしい」という思いがあって、私に対して指導も干渉もせず自由にさせてくれるのだそうです。とてもありがたいことですね。
この例のように、過去の習慣にとらわれず、時代の流れに合わせて良くないと思ったことは自分の意志で変えていこうという思い。そのような気持ちが、今後お正月の習慣を変えていく鍵になるのではないかと感じました。
「私はこんな苦労をしたから…」という気持ちを、もっと先の若い世代に対して「同じ苦労をしてほしい」ではなく、「同じ苦労をしなくて済むように変えていきたい」と思える人でありたいですよね。
年に一度のお正月…やっぱり楽しい気持ちで迎えたい!
年に一度訪れるお正月。みんなで新年を迎えることを祝うおめでたい行事ですが、親戚、特に義理の実家などでは自分が生まれ育った環境とは異なることも多く、疲れてしまうというママも多いですよね。人それぞれ、思うところもあるでしょう。
それでも、やはり、できるだけ悶々とした感情は払拭し、すっきりした気持ちで楽しく迎えたいものです。私の体験をもとに執筆させていただきましたが、何か参考になることや、あるある!と共感していただけることがあれば幸いです。