ガスの自由化によってどのような影響があるの?
2017年4月より、一般家庭向け都市ガスの小売りが自由化されました。ガスには、都市ガス、LPガス、プロパンガスの3種類がありますが、今回の都市ガス自由化によって一般家庭向けのガスが3種類すべて自由化されたことになります。
都市ガスが自由化されたと聞いて、実際にどのようなことか分からないという方もいるかもしれませんが、これまで都市ガス会社のみが供給していたガスをさまざまな会社が供給できるようになったということです。
新しい会社からのガス供給と聞くと、安全性などに不安を感じる方がいるかもしれませんが、ガスの供給はこれまで使用していたガス管を使用するため品質に変わりはありません。また、ガス設備の点検やガス漏れなどの緊急時の対応についても、これまでと同じように提供されるため心配はいりません。
さらに、さまざまな会社の中から選ぶことができるため、それぞれのサービスからご家庭にあった会社を選ぶことでさまざまな恩恵を受けることができる可能性があります。
- 経済産業省 資源エネルギー庁「ガスの小売全面自由化とは」(http://www.enecho.meti.go.jp/category/electricity_and_gas/gas/liberalization/about.html,2017年5月16日最終閲覧)
ガスの種類と特徴
すでにご説明している通り、ガスには都市ガス、LPガス、簡易ガスの3つの種類があります。これらのガスの名称は何となく知っているという方がいるかもしれませんね。
ご家庭で使用しているガスがどのようなものなのか、そしてどのように供給されているのかご存じですか?それぞれのガスについての特徴や供給方法について説明します。
- 都市ガス
- LPガス
- 簡易ガス
都市ガスは、メタンという気体を主な成分とした天然ガスが原料です。ガスの供給元から、地中の配管を通って各家庭にガスが供給される仕組みになっています。
LPガスの原料は、プロパンやブタンといった成分が主な液化石油ガスです。LPガスが入ったボンベを各家庭に設置して使用します。
簡易ガスは、LPガス事業の一部ですが、ガスの供給システムに特徴があります。簡易ガスは、70戸以上の規模の大きい団地やマンションの敷地内に簡易なガス発生設備を設置し、そこで発生したガスの配管を通じて各家庭に供給するというものです。
一言でガスといっても、さまざまな種類があるのが分かりますね。
- 日本ガス協会「都市ガスとLPガスの違い」(http://www.gas.or.jp/chigai/,2017年5月16日最終閲覧)
- LPガス多治見地区会「都市ガスとオール電化を知ろう」(http://www.lpgas-tajimi.com/toshigas/#02,2017年5月16日最終閲覧)
- 静岡ガスエネルギー「簡易ガス事業」(http://www.gas-energy.co.jp/gasinfo/industry.html,2017年5月16日最終閲覧)
- 経済産業省 資源エネルギー庁「ガス事業制度について」(http://www.enecho.meti.go.jp/category/electricity_and_gas/gas/summary/,2017年5月16日最終閲覧)
一般家庭におけるガス自由化のメリットとデメリット
ガス自由化の最大のメリットは、やはりガス料金と言えるでしょう。ガス自由化によって、ガスを供給できる会社が増えたことでガス料金の価格競争が生まれ、利用者にとってはガス代が安くなる可能性が出てきたということです。
また、料金面だけでなく、電気とガスのセットによる割引や各種ポイント制など、提供されるサービスもさまざまなものから選ぶことができるようになりました。
たとえガス料金が下がらないとしても、例えば普段使用しているクレジットカードを利用するとポイントがたくさん溜まるなど、利用者によってお得になる面があるかもしれませんので、料金面だけでなく他のサービスについて調べてみるのもよいですね。
一方で、多種多様なサービスが提供されることで、利用者がたくさんの情報の中から取捨選択をしていくことが必要になるため、少々面倒に感じる方もいるかもしれません。そういった方にとっては、自由化によるメリットがデメリットとなる可能性がありますね。
- 東京電力エナジーパートナー「ガス自由化で何が変わったの?」(http://www.tepco.co.jp/ep/gas-jiyuuka/about/index-j.html,2017年5月16日最終閲覧)
- 経済産業省 資源エネルギー庁「エネルギーシステムの一体改革について」(http://www.enecho.meti.go.jp/category/electricity_and_gas/energy_system_reform/,2017年5月16日最終閲覧)
ガス料金を見直してみましょう
今回のガス自由化によって、一般家庭であれば自由にガス会社を選ぶことができるようになりました。ご紹介した通り、さまざまな会社のプランからご家庭に合ったプランを選ぶ必要がありますし、料金を比較したとしても必ずしも今より安くなるわけではありません。
とはいえ、比較してみなければ結果はわかりません。一度ガスの検針票を手元に用意して比較検討してみてはいかがでしょうか。