義両親と同居は、どのような暮らしになる?
結婚後は関わりが増える義両親。子育てを始めるとさらに、孫の成長を報告するなどで連絡をしたり帰省したりする機会が増える場合がありそうです。
また、結婚や出産をきっかけに「二世帯住宅」での同居について話す場合があるかもしれません。義両親がそばにいることで、困ったときに頼りになるかもしれない一方、何かと気を遣うのではと不安にも感じるものです。
義実家は古いため、建て替えるのですが
義母が「二世帯住宅だと水周りが2倍で金がかかる」「私たち(義父母)が死んだら家半分要らなくなる」等の理由で二世帯住宅は反対しています。
このままだと普通に同居になるのですが、
同居してらっしゃる方のメリットデメリット、
二世帯住宅の方のメリットデメリットを
それぞれ教えていただきたいです。
義両親から二世帯の打診がありました。
建て替えして私達を迎え入れたいようです。
結婚当初から話はありましたが私が断固拒否、主人も了承してくれました。
しかし、二人目が最近産まれ、部屋も狭い、お金もかかり、頼る人が居ない今、二世帯住宅でもいいかなと思い始めました。
周囲のママに義両親との同居生活について聞くのは、プライベートなことでもありなかなか気が引けるものですが、やはり気になりますね。
想像しきれない義両親との同居生活は、どのような暮らしなのでしょうか。
暮らし方が変わる、3種類の二世帯住宅
二世帯住宅には3種類あり、水回りや生活スペースの分け方に応じて以下のパターンがあります。
- 住宅設備を全て共有する「完全同居型」
- 住宅設備や部屋を一部共有する「部分共有型」
- 玄関から全てが別になっている「完全分離型」
どの二世帯住宅も外から見ると1軒の家に見えますが、中の間取りによって分類されます。共有スペースが少ないほど独立した暮らしができますが、建築費が高くなる面があります。
- レスコハウス「上手に賢く、これからの二世帯住宅」レスコハウス(www.rescohouse.co.jp/custom_built/two_family_house.html,2017年7月20日最終閲覧)
- ササキハウス「二世帯住宅」ササキハウス(https://www.sasakihouse.co.jp/nisetai/nisetai02/,2017年7月20日最終閲覧)
義両親と同居中の先輩ママに聞いた「間取り別」現状と本音
間取りによって同居生活はかなり違いがあると思われます。そこで、現在それぞれ違った間取りで義両親と同居しているママたちに、実際に同居して感じていることや、リアルな生活事情について聞きました。
それぞれのママの悩みや、二世帯同居での生活のコツについて、参考にしてくださいね。
住宅設備は全て共同「完全同居」で生活する、まみさん
- 家族構成:義父・義母・義妹・夫・まみさん・長女5歳・次女3歳
- 同居歴:2年半
- 間取り:3階建て5LDK(後で6LDKにできる設計)、1階は義両親、義妹の部屋、2階はリビングキッチンお風呂、3階はまみさん世帯の部屋、トイレは1階と2階
実家の建て直しをきっかけに同居
まみさんの義実家は、以前テナントを借りて小売業を行っていたそう。しかし、家と店舗の固定費が両方かかるため、実家を建て直して店舗兼住宅にするか、新しい土地を探すかという話になったといいます。
新しくローンを組むには義父が高齢なため、夫とまみさんでローンを組むこととなり、それをきっかけに同居の運びに。義実家は建て直しても家族で住むには狭いため、新しい土地を見つけて二世帯住宅を建築したそうです。
共同設備があるため、プライベート空間は少なめ
1階と3階で生活スペースが分かれているまみさん宅。まみさんは義両親が留守で、飼い猫の世話を頼まれたとき以外は、1階に立ち入らないようにしているそう。
一方で義母の方は、3階の冷蔵庫に、2階の冷蔵庫に入りきらないものが入っているため、まみさん世帯がいないときに部屋に入ることがあるようです。
共同で使う設備があると、完全なプライベート空間を作るのは難しいといえそうです。
食事の支度や子供の送迎を助け合う
平日は夫と義妹以外のみんなで食事をするというまみさん。夫と義妹は仕事で遅くなるため、それぞれ帰宅後に食事をするといいます。
まみさんも仕事をしているため、平日は義母が食事の準備を行ってくれるそう。その代わり、土日祝日や、まみさんが休みの日はまみさんが行い、毎日の片づけもまみさんの仕事となっています。食事の支度を頼める一方で、家族全員の食器の片づけを仕事の後に毎日行うのは大変ですね。
掃除や洗濯は各々の家族単位で行っているというまみさん一家。主に家事を行っているのは義母とまみさんです。
子供たちの保育園の送りは夫、お迎えはまみさんが担当です。しかし、雨の日には義両親がお迎えに行ってくれることもあるとか。休日は夫も掃除をすることがあるようです。家事は家庭ごとに分けつつ、子育てをシェアできるのは良いですね。
子供の世話を分け合えることがメリット
同居のメリットについてまみさんは、平日に夕食の準備をしてくれることや、雨の日などに保育園のお迎えに行ってくれることだと話します。また、突然の雨のときに洗濯物を取り込んでくれることも助かるそうです。
一つ屋根の下にいるからこそ、食事の準備や子供の世話を助け合えるのはうれしいことですね。
デメリットは、夫と義母の間に挟まれて気を遣うこと
同居のデメリットは、「いろいろ気を遣うことです」とまみさん。例えば、共有スペースのインテリアを自由に決めることができないこと。まみさんの場合、玄関やリビングのインテリアは義母が選んでいるといいます。また、義両親が喫煙者のため、煙のにおいが気になることがあるそうです。
また、子供たちが2階のリビングで遊ぶと、物音が1階の義両親のスペースに響くので、騒ぎそうになる場合には3階に連れて行ったり、騒がないように伝えたりしているといいます。
子供のこと以外にも気を遣うのは、夫が義母とけんかをしているときだと話すまみさん。どちらの味方にもつけないだけに、ストレスがたまりそうですね。やはり同居する以上は相手の生活との相違点にストレスがたまったり、はっきり言えないことにイライラすることがあるようです。
同居のコツは「協力はするが、甘えすぎないこと」
同居のコツについて、今はまだ探っている状態だというまみさん。自分たちのことは自分たちで行うことを意識しているといいます。
「協力はするけど甘えすぎない」。これが現在感じている、同居生活の上で大切なことだそうです。心地よい関係を築くためには、甘えすぎないよう意識する必要があるのかもしれませんね。
キッチンとリビングは共有、お風呂は別「部分共有」で同居中のかなさん
- 家族構成:義母、義父、夫、かなさん、子供8歳、6歳
- 同居歴:13年
- 間取り:5LDK、キッチンとリビング共有、お風呂とトイレは2箇所
同居のきっかけは、義両親を支えたいと思ったこと
義母が病弱のため家事をするのが難しくなり、義父は家事が一切できないことから同居することにしたかなさん。かなさんが同居を提案したそうです。
家事を共同で行うことで、義母を楽にさせたいという思いがあったと語るかなさん。義両親が年を取り、単独で暮らすのが難しくなったことをきっかけに同居を選択するケースがあるのですね。
プライバシーを意識した生活空間が良い
1階は義両親の生活空間、2階がかなさん家族の生活空間となっているかなさん宅。プライベートは十分に守れていると話します。
1階のリビングで過ごすことはほとんど無く、2階の寝室にテレビを置いて2階で過ごす時間が多いそう。子供も自分の部屋で読書をしたり勉強をしたりしており、義両親と関わる時間はあまり多くないといいます。
キッチンとリビングを共有していても、生活空間がしっかり分かれていれば、相手家族をあまり気にすることなく生活できるようです。
食事は夫以外で一緒、洗濯は各家庭ごとに
食事は、かなさんが義両親と自分たちの分の食事を作り、一緒に食事をしているそうです。週末は夫も一緒ですが、普段は仕事で遅いため、夜中に夫のみ食事をしているといいます。
片付けは、別々に食事をした場合でもかなさんが片づけているそう。義両親の生活を楽にしようと同居した分、家事は増えて大変な面がありそうですね。
かなさんによると、義母はごみの分別や管理を担当し、その他、週2回ほど義両親の居住スペースを掃除しているそう。体調があまりよくない日があるため、家事の分担は少なめです。
洗濯は家族ごとに別々。夫は休日の日曜大工や、壊れたものの修理をするのみで、常に担当している家事はないといいます。同居をすると家事は分け合えるというイメージがありますが、義両親の体調などによっては、こちらが助ける必要の方が多くなることがあるようですね。
メリットは、子供が祖父母と一緒に暮らせること
義母の健康を気遣って一緒に暮らし始めたというかなさんですが、それ以外にもメリットと感じていることがあるそう。
それは「子供が自分の祖父母と一緒に暮らせること」一緒に暮らしていることで、年上の人たちを敬う気持ちや思いやりの気持ちが育めていると感じているそうです。
身近におじいちゃんやおばあちゃんが居て、触れ合って育つことは子供にとってメリットになることがあるのですね。
相手からの生活に関する意見がストレス
円満に暮らしているというかなさん一家ですが、時々義両親がかなさんたちの生活について意見をいうときには、イライラを隠し切れないことがあるそう。
行き過ぎた心配をされると、とても窮屈に感じていると語るかなさん。また、義両親の手前、夫婦げんかをあまり派手にはできないため、夫婦間でストレスがたまっていると感じるようです。
同居のコツは「いちいち相手の言動に目くじらを立てないこと」
かなさんは、同居を円滑に継続していくため「ある程度は我慢する必要がある」ということを学んだそう。
義両親は高齢になるにつれて融通が利かなくなっているといいます。そのため、気持ちのすれ違いでちょっとしたトラブルになることがあるようですが、かなさんはできるだけ大らかな気持ちで、相手の気持ちを受け止めるようにしていると話します。
「同じ土俵で、相手の言動に目くじらを立てていたら、同居はうまくいかない」というかなさん。常に忍耐と優しい気持ちを持って義両親に接することが、同居を円満に進めていくカギなのですね。
玄関から全て別「完全分離」で同居中のみきこさん
- 家族構成:義父、義母、夫(単身赴任中で週末帰宅)、私、長女9歳、次女5歳、三女1歳、四女1歳(双子)
- 同居歴:3年
- 間取り:1、2階は義両親、3階をみきこさん世帯が使用、1階の側面にあるみきこさん宅専用玄関から直接3階へ入れる間取り
義両親が購入した二世帯住宅に同居
夫が長男で「親の面倒を見る」と決めていたため、同居することになったというみきこさん。義両親は夫が学生のときにすでに二世帯住宅を購入し、同居の準備は万端だったといいます。
子供たちが小学生になる前に同居を始めようと、長女が小さいころに何度も話し合って決めたといいます。
玄関から別のため、お互いに干渉しない
義両親は干渉しないタイプで、玄関から別になっているため同居の実感はあまりないというみきこさん。
相手の目を気にすることもなく、自由にのびのび生活しているといいます。玄関から全て別の間取りでは、あまり顔を合わせることがなく、プライバシーは十分に保たれるといえそうです。
食事は基本的に別、家事の分担もほとんどなし
食事は基本的に別で、それぞれの家庭で料理して食べているといいます。義母とは作った料理のおすそ分けをしあっているのだとか。いとこが遊びにきたら子供たちが義両親の家で食事をしたり、単身赴任の夫が帰ってきているときに義両親の家で会食をしたりするようです。
付かず離れず、料理のおすそ分け程度なら、普段の食事もあまり相手を意識せずに作ることができて自由があるように感じますね。
特に義実家と家事を共有することはないそうですが、共有の階段はみきこさんが掃除しているそう。
一方で、回覧板の管理や玄関前の駐車場の掃除、庭の手入れは義両親がしているといいます。間取りが全て別では家事を「分担」するという意識はなく、お互いに自然と細かいことを分けて行っているようです。
子だくさんにはうれしい、育児の手伝い
4人の子供を育てているみきこさん。双子の妊娠中や産後に入院しているときは、義両親が子供の面倒を見てくれたことがありがたかったといいます。
今でも幼稚園の送迎や、子供たちの習い事への付き添いが必要なとき、義両親に末っ子の双子を預けるそう。また、お風呂に入れるときも毎日手伝ってくれるという義両親にはとても感謝していると話します。
子供が1人でもそうですが、子だくさんで夫が単身赴任では、子育ての手助けはうれしいですよね。
同居自体のデメリットは感じない
完全分離の二世帯住宅では、同居という感覚があまりなく、同居自体のデメリットは感じないというみきこさん。
みきこさん自身も義両親との関わりに感謝する思いがあり、毎日子供の入浴で会うことも好意的に捉えているため、近くに暮らしている良い部分を最大限に感じられているのかもしれません。
一定の距離があり、その上でできる限りの手助けをしあえる環境が、義実家との同居を良いものにしていると考えられますね。
同居のコツは「距離を保ちながらも、感謝の気持ちを持って助け合うこと」
相手の生活をあまり感じることがないというみきこさん。完全分離の二世帯住宅ではお互いに心地よい距離を保ちやすく、だからこそ相手からの支援に対する感謝の気持ちを持ち続けられる面がありそうです。
みきこさんによると、二世帯住宅にするなら公共料金のメーターは別がよいそう。金銭面がごちゃまぜになってしまうといざこざの種になりやすいため、きっちり分けておくのも「一定の距離」ですね。
また、みきこさんのように、相手に対して「ありがたい」と思う気持ちを常に持ちながら、支援を素直に受けいれ、自分もできる限りお返ししながら生活することが、同居を成功させるコツのように思えます。
同居でも"くっつきすぎない"ことが円満のカギ
3人のママのリアルな同居生活について聞き、感じたことは「くっつきすぎない」ことが同居を成功させるカギだということ。同居をしていく中では、相手の生活を手助けするだけでなく、自分たちが助けてもらうことがあるでしょう。
そのときには感謝の思いを持ちつつも、甘えすぎるのではなく、一定の距離を保っていることで、常に良好な関係を維持できるのではないでしょうか。
間取りによって悩みや生活はさまざま。どのようなスタイルが自分の家族に合っているかをじっくり考えて、二世帯住宅の暮らしについて考えたいですね。