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収入「減った」が「増えた」の7.8倍?働き方改革による労働時間と収入の変化

「働き方改革」とは、働く人が抱える事情に応じて、働き方を柔軟に選択できる社会にするために政府が行っている施策です。「長時間労働の是正」や「多様で柔軟な働き方の実現」、「雇用形態にかかわらない校正な待遇の確保」が目的とされています。主婦に特化した人材サービス「しゅふJOB」の調査機関であるしゅふJOB総研は、「働き方改革による労働時間と家庭の収入」について、働く主婦層にアンケート調査を行いました。労働時間の減少は家庭への収入にも関わることであり、決して他人ごとではありません。実際に働くママたちの声を参考に、働き方改革がもたらした影響を考えてみましょう。

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働く主婦に聞く、「働き方改革」による変化

人材サービス「しゅふJOB」の調査機関しゅふJOB総研が、働く主婦層に実施した「働き方改革による労働時間と家庭の収入」についてアンケート調査を実施しました。

こちらの調査は、働き方改革によって労働時間が今までと比べどのように変わったか、また家庭への収入に変化は出ているのかなどを調べたもの。実際に就業環境には変化が出てきているのでしょうか?また、どのような影響が現れているのでしょうか?

難しそうな課題ではありますが、働くママたちの意見を聞いて考えてみましょう。

調査概要

  • 調査手法:インターネットリサーチ(無記名式)
  • 有効回答者数:712名
  • 調査実施日:2018年3月14日(水)~2018年3月28日(水)
  • 調査対象者:ビースタイル登録者/求人媒体『しゅふJOBパート』登録者

「働き方改革による労働時間と家庭の収入」についてのアンケート調査結果

「働き方改革」によって、労働時間は実際に減ってきているのでしょうか?また、その結果がどう家庭に影響しているのでしょうか?

実際に、働くママたちの意見が反映されたアンケート結果を見ていきましょう。

働き方改革が推進されて労働時間減少を実感することが「ある」のは24.6%

労働時間が短縮できるのは結局は大企業や公務員だけ ※1
もっと世の中にはっきりわかるような改革にしてほしい。全然やってることがわからない ※2
全く何も変わらないです。働き方改革とか言ってても、結局は現場が変わらなければ働き方も変わらないと思います ※3

労働時間の減少を感じている方の割合は24.6%、感じていない方は75.4%という結果になっています。

上記の意見にもあるように、労働時間の減少を感じていない方の割合が8割近くを占めています。

そんな中でも、2割以上の方が就業環境の変化を実感しているということも注目すべきポイント。働き方改革関連法案の審議が難航している中でも、少しずつ変化が出始めているのですね。

労働時間減少を実感した理由、「時短勤務の求人が増えた」46.9%

就業時間の減少を実感した理由として、1番多かったのは「時短勤務の求人が増えた」でした。次いで2番目に多かったのは「自分の労働時間が減少した」、続いて「配偶者・パートナーの労働時間が減少した」という結果になっています。

1番多かった「時短勤務の求人が増えた」という意見は、子供が園に通っている時間だけ働きたいといった時間に制限のあるママたちにとっては、小さな子供がいても働きたい気持ちがかなえられるうれしい結果ではないでしょうか。

働き方改革による家庭の収入への影響、「増えた」3.7%、「減った」28.7%

残業時間が減って収入が減った方の保険料は定時改定があるまで変更がないと思うので、とても気の毒に感じます ※4
全く何も変わらないです。働き方改革とか言ってても、結局は現場が変わらなければ働き方も変わらないと思います ※5

働き方改革による収入変化の調査では、何も影響がないと答えた方が65.9%を占めています。

配偶者・パートナーの収入が減った方は14.9%・自分の収入が減った方は13.8%で合わせて28.7%となり、残業時間が減った分収入が減ったという声も。

また、自分の収入が増えた方は、2.5%・配偶者・パートナーの収入が増えた方は1.1%で合わせて3.7%。このような前向きな変化が多くなることが理想的ですが、収入が増えたという方の割合を見ても今すぐプラスな変化がみられるというのは難しいことなのかもしれません。

自分や配偶者・パートナーの労働時間が減少した家庭の収入「減った」73.0%

残業時間は減った分、基本給が上がれば一番いいのだが、現実は基本給は上がらず、ボーナスカットだから結局は収入が減った ※6

自分や配偶者・パートナーの労働時間が減少したと答えた方の中で、労働時間が減っても収入には影響がないという方は23.0%。自身の収入が減った方は43.3%、配偶者・パートナーの収入が減った方は30.0%となっており、労働時間の減少と共に収入が減った方は全体で73.0%という結果になっています。

労働時間が減ることで家族と過ごす時間が増えるのは、ママやパパにとってうれしいことですが、7割以上のご家庭では収入が減ってしまうとなると、いくら家族時間が増えたといえど簡単にはうなずけない問題です。

「働き方改革」とは?

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アンケート調査により、「働き方改革」による就業環境の変化を実感している方は2割程度ということがわかりました。その2割という割合から、少しずつではありますが変化してきているとも考えられます。

この改革による家庭への影響は無いと答えた方が半数以上を占めていますが、影響があったと答えた方の中では、収入が増えたという方よりも減ったと答えた方の方が10倍近く、労働時間が減った分だけ家庭へ収入が減ったという意見が見られました。単に残業しなくてもよくなったと喜んでいられる状況では無いことが明らかです。

残業時間を無くし、就業時間を減らすことで家族と関わる時間が増えることは、親にとっても子供にとってもうれしいこと。しかし、それにともない今までよりも家庭への収入が減ってしまうとなると、それは果たして「改革」と言えるのでしょうか。

労働時間を減らしながらも、今の家庭収入の維持につながることが目指すべきところ。収入が上がればなお良し!といったところだと思いますが、そのような仕組みができるのであれば「働き方改革」と呼べるように筆者は感じます。

これを機に、ご家庭でも「働き方改革」について考えてみてくださいね。

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