妊娠・出産をめぐるさまざまな感情・想いを映像化することで、より視聴者へダイレクトに内容が伝わっています。皆さんも、ドラマを見ながらいつの間にか自分のことのように感じているのではないでしょうか。
感情移入しやすいからこそ、「自分が同じ立場だったらどんな行動をとるだろう」などいろいろと考えながら視聴でき、見終わった後には気持ちが高揚してしまう人が多いのかもしれませんね。
5.描かれる現実を見届けていきたい
『透明なゆりかご』では妊娠・出産、そして産科医療をリアルに描き出すため、他のドラマではなかなか触れないような内容の描写がいくつも登場します。
筆者自身も、第1話の人工中絶の手術シーンや第4話の癒着胎盤剥離による出血性ショックの処置シーンでは想像以上の展開で、思わずチャンネルを変えてしまいたくなりました。けれど「消える命と生まれる命が絶えず交差する場所」で繰り広げられる、私たちが知らない現実を知っておきたい!という気持ちから、残りの話も最後まで見たいと私は思っています。
自分が体験したこと(これから体験するかもしれないこと)のダークな部分もこの目で見ておきたい、理解したいと考える方がきっと多いのだろうな、と思います。
6.今ある幸せは奇跡!
©沖田×華
妊娠したら母子共に健康で出産ができ、周りの人から祝福されることが当たり前となんとなく感じていた筆者。
ですがドラマを見て、なかにはうれしいはずの妊娠を泣く泣く諦めないとならない人や、望まない妊娠に苦悩する人、いとしいわが子に会えずに亡くなってしまう人がいるという現実を知り、妊娠・出産は改めて奇跡の積み重ねの結果なのだなと感じました。
当たり前と感じていたことが実はそうではない…。ドラマ『透明なゆりかご』を見ていると、命の尊さとはかなさにはっとさせられることが多いですよね。
7.医療の視点から見てもリアル!
産婦人科ではありませんが、医療職です。色々なドラマやマンガでは綺麗なところばかりなのでツッコミどころ満載ですが、透明なゆりかごは漫画を知った時、おぉと思ったのを覚えています。
学生の頃(10年以上前) 産科の先生が教師としてきた時。
日本の死因第1位の人数を超える 堕 胎 が毎年行われている。という話がとても印象に残っています。
こちらは医療関係者の方からのコメントです。医療に携わる立場の人から見てもドラマ『透明なゆりかご』は本格的な作りになっているようですね!
他の作品ではなかなか知りえなかった医師や看護師たちの苦悩や葛藤、志を全うしようとする強い想いに対して、「そういう風に先生たちは考えているのか…」とドラマを見ていくと、また違った思いが芽生えてくるのがこのドラマの面白いところだなと感じます。
8.アオイの思いに感情移入してしまいます
©沖田×華
「看護師見習い」という、医療側と私たち一般人側両方の視点をもつアオイの立場から見た純粋な気持ちや率直な意見は、医療現場の現実、パパやママになった人に対して非常に鋭く切り込んでいますよね。
「きちんとどんな思いなのか知りたい!」「きっとこんな思いだったに違いない」と相手に伝えたり独特の表現で相手に寄り添ったりするのは、少し人の気持ちを理解するのが苦手なアオイだからこそ。それを映像を通してうまく視聴者に伝えてくれるので、とても感情移入しやすいと思う人が少なくないようですね。
9.産院は生と死が隣り合わせの場所
こちらのコメントを寄せてくれた方もおっしゃっていますが、『透明なゆりかご』を見ていると産婦人科医院は生まれてくる命と無くなっていく命が常に交差する場所なのだな、と改めて思い知らされます。
第1話で、人工中絶手術をした分娩台でその後新しい命が誕生するシーン、主人公のアオイのように同じ場所で生と死のドラマが繰り広げられていることに対し、筆者自身もとても不思議な気持ちになりました。
人の誕生と死を引き受ける産婦人科医院、想像を超えるやり取りが日常的に繰り広げられているのだな、と感じます。










