「本当に住みやすい街大賞」2019年版が発表されました
先日住宅ローン専門金融機関「アルヒ株式会社」が、会社のデータをベースに住宅専門家が選出した1都3県の"本当に住みやすい街"TOP10を紹介する「ARUHI presents 本当に住みやすい街大賞2019」を発表しました。
これからの住まい選びの参考にしてほしいという願いから、実際に生活するという視点で本当に住みやすい街をランキング。これから新生活を迎える、子供が産まれる、学校へ入学するなどのタイミングで引っ越しを考えているファミリー層には、とてもためになる内容となっています。
本当に住みやすい街の選定基準
「本当に住みやすい街大賞2019」は、アルヒ株式会社の住宅ローン有事実行件数を町名単位で集計。五つの選定基準を設定したうえで、専門家が参画する選定委員会で公平な審査のもと選定されました。
選定基準となった五つのポイントは以下の通りとなっています。
1.住環境
周辺のインフラ設備がきちんと整っているかどうか、スーパーや飲食店、生活用品店などの店舗数や豊富さ、買い物がしやすい環境がそろっているかなど、「住むことの快適さ」に影響を及ぼす周辺の状況の良さを、総合的に審査しています。
2.交通の利便性
「働く」という視点において主要駅へアクセスしやすいかどうか、電車路線の乗り入れ本数など、交通機関の利用面における快適さなどからチェックしました。
3.教育環境
幼稚園や保育園、小・中学校、周辺の公園や図書館、コミュニティーセンターなどの充実度合いなど、子供たちが安全・安心に暮らしていける環境がきちんと構築されているかどうかを判断基準に審査しました。
ファミリー層には重要なポイントともいえる基準です。
4.コストパフォーマンス
いくら住みやすいといっても、物件の家賃や分譲価格が高ければ、満足度に直結しにくいもの。
他の審査基準と連動する形で、住まい環境の充実度に対する、家賃相場や分譲価格相場、物価の相場などから判断をしています。
5.発展性
街全体の利便性に関し、駅周辺の再開発予定がある、今後大規模なマンションなどの建設予定があるなど、将来的に価値の向上が見込めるかを中心に審査しました。
あの街は何位?TOP10の発表
ここからは、ランクインした街TOP10を紹介していきます。
再開発が進み、今後の発展が見込めそうな街、都心から多少離れていても交通の便が良い街などが軒並み上位に食い込んでいる、という印象を受ける結果に。また自治体が子育て支援へ力を入れている街が多くランクインしているのも特徴的でした。
皆さんが気になっている街はランキングに入っているでしょうか?参考にしてみてくださいね。
第10位.矢向(やこう)
第10位に選ばれたのは、神奈川県鶴見区の矢向(やこう)。
かつての工業エリアが大規模なマンションエリアへと生まれ変わり、住みやすい街へと変貌を遂げています。各ターミナル駅の地価が上昇している中、この辺りは地価が抑えられた穴場エリア。戸建て住宅を4,000万円前後で購入することが可能で、東京から近いわりには、戸建てが比較的割安に購入できます。距離があまり離れていない川崎駅と比較しても、高コスパといえます。
JR南武線を使って、川崎・新川崎・武蔵小杉・溝の口といった、大型商業施設が立ち並ぶターミナル駅にアクセスが可能。東京や新宿、渋谷にも30分以内、横浜へは電車で10分前後で行けます。駅周辺には昔ながらの商店街やリーズナブルな価格設定のスーパーがあるので、日常の買い物にも問題なし。
大手企業の社員が多く住むエリアということで、小・中学校の教育レベルは高い傾向に。多摩川などの自然や、比較的大きな公園や憩いの場も点在しており、子育て中のファミリー層にもありがたい環境といえます。
- ARUHIマガジン「【本当に住みやすい街大賞2019】第10位 矢向:都心近郊ながら地価が抑えられた穴場エリアの街」(https://magazine.aruhi-corp.co.jp/0000-1666/?argument=wRwuVVkk&dmai=lp_2018sumiyasui10,2019年1月21日最終閲覧)
第9位.小岩
第9位は東京都江戸川区の小岩がランクイン。東京都の最東端に位置した下町情緒が残る街というイメージが強いですが、駅の南側では広大な土地の再開発が検討されており、今後の発展が期待できるエリアです。
JR総武線を利用し、秋葉原や新宿まで乗り換え無しで行けるのは非常に便利。東京駅までも20分強でアクセスが可能なので、東京方面へ通勤・通学する人にとっては利便性に富んでいます。また小岩駅からは羽田・成田の両空港や東京ディズニーリゾートを結ぶリムジンバス・シャトルバスも出ています。
「フラワーロード」「サンロード」などの下町風情が残る商店街と、大型商業施設が建つ新しい街区がうまく共存しているおかげで、さまざまななジャンルのお店が充実。買い物に困ることはほとんどありません。
また小岩がある江戸川区は、区独自の乳児養育手当の給付や、私立幼稚園の保育料補助金が他の区よりも高額など、子育て世帯に優しい制度がそろっています。小学校では放課後や学校休業日に、一般の学童保育のような「すくすくスクール」と呼ばれる事業を実施。
公園の数も非常に多く、駅から徒歩15分ほど行った江戸川河川敷にはグラウンドも整備されていて、自然やスポーツに触れ合いやすい環境が整っています。駅の南北に住宅地が広がるので、一戸建ての供給が継続的にあるエリア。駅近の一戸建ては少ないものの、徒歩圏ならば4,000万円台で検討が可能です。
- ARUHIマガジン「【本当に住みやすい街大賞2019】第9位 小岩:都心アクセスが良く、下町情緒を感じられる街」(https://magazine.aruhi-corp.co.jp/0000-1665/?argument=wRwuVVkk&dmai=lp_2018sumiyasui09,2019年1月21日最終閲覧)
第8位.千葉ニュータウン
第8位は白井市・印西市・船橋市にまたがる開発地区、千葉ニュータウンがランクイン。
「住む」「働く」「学ぶ」「憩う」など、各種機能の複合した総合的・先進的な都市づくりを進めており、ショッピングエリアや教育機関、医療機関が充実しています。県立北総花の丘公園をはじめ、自然あふれる環境が充実しているのは子育て世代だけでなく、シニア世代にもありがたいポイント。坂の少ない平たんな地形を活かし、広い歩道が整備されているので、小さな赤ちゃんがいる世帯でも安心して歩けます。
北総鉄道の北総線と、京成電鉄の成田空港線(成田スカイアクセス線)が乗り入れているため、都心方面や成田空港へのアクセスは良いと言える反面、北総線の割高な運賃は通勤・通学の際にネックになるという声が多いのも事実。とはいえ、新築分譲価格は比較的安く面積にゆとりがある物件が多いので、コストパフォーマンスは悪くないでしょう。
- ARUHIマガジン「【本当に住みやすい街大賞2019】第8位 千葉ニュータウン中央:商業施設が充実し、良好な住環境が醸成された街」(https://magazine.aruhi-corp.co.jp/0000-1664/?argument=wRwuVVkk&dmai=lp_2018sumiyasui08,2019年1月21日最終閲覧)
第7位.南千住
第7位には東京都荒川区の南千住が選ばれました。
以前は工場や旧国鉄の貨物駅が目立つエリアだったのが、近年の再開発によって商業施設や高層マンションが増え、イメージも一新。再開発エリアには「LaLaテラス南千住」などの商業施設があり、にぎわいを見せています。一方で、下町の雰囲気もいまだに残っており、散策などが楽しめるのもこのエリアの特徴。レトロな商店街「ジョイフル三ノ輪」も生活圏です。
つくばエクスプレス、常磐線、日比谷線の3路線が利用可能。上野東京ラインが2015年に開業したことで、上野駅までは6分、東京駅へは20分で行けるようになり、ぐっと利便性が増しました。都心方面への通勤にはとても便利なエリアと言えます。現在は駅に近いエリアの物件供給は一段落し、逆に物件価格は上昇傾向ですが、駅から少し離れた新築マンションは価格を抑えたものが多く、まだまだお値打ち感があるエリアといえます。
駅周辺の歩道はフラットで歩きやすく、公園など自然を感じられる場所も多いのでのびのびとした生活が送れます。夏には隅田川花火大会が見やすいのもうれしいポイント。また駅周辺や街中にはベビーステーションなど子育て応援施設があり、子育て世帯には魅力的な環境です。
- ARUHIマガジン「【本当に住みやすい街大賞2019】第7位 南千住:再開発で住みやすさ向上、イメージが一新した街」(https://magazine.aruhi-corp.co.jp/0000-1663/?argument=wRwuVVkk&dmai=lp_2018sumiyasui07,2019年1月21日最終閲覧)
第6位.勝どき
第6位に選ばれたのは、東京都中央区の勝どき。都営大江戸線開通をきっかけに再開発が進み、居住エリアや商業施設がどんどん増えているエリアです。今年度は超高層マンション3棟という大規模建設が着手、東京オリンピック開催後には選手村が5千戸を超える住宅へ改修される予定もあることから、今後さらに活気が増しそうです。
通る路線は都営大江戸線1路線のみで、現在は人口に対する駅のキャパシティが多少オーバーしているものの、都心へダイレクトにアクセスできる利便性は高評価。また東京・銀座方面へ向かうバスもあり、アクセスは良好です。環状2号線の汐留~有明間の開業後は、さらに交通利便性が高まるため、今後の発展へ期待が膨らみます。
また、運河沿いには黎明橋公園や晴海臨海公園などの公園も整備。すぐそばには築地や月島など昔ながらの下町があり、趣も感じられます。
近隣に学力レベルの高い名門の小・中学校が多く建ち並んでいることから、教育熱心な親が集まる地域でもあります。教育レベルは高まってきているものの、一方で近年の急激な子供の人口増加に対応しきれず、塾など習いごとの場所不足や待機児童数増加などの問題が浮き彫りになっています。
- ARUHIマガジン「【本当に住みやすい街大賞2019】第6位 勝どき:東京五輪を契機に、さらに活気付く街」(https://magazine.aruhi-corp.co.jp/0000-1662/?argument=wRwuVVkk&dmai=lp_2018sumiyasui06,2019年1月21日最終閲覧)
第5位.柏の葉キャンパス
第5位には千葉県柏市に位置する柏の葉キャンパスが選ばれました。官民一体の特徴的な街づくりが進められている珍しいエリアで、環境配慮型のスマートシティとしても知られています。駅から少し離れると閑静な住宅街が広がっており、美しい景観が広がります。
駅周辺部は電線の地中化などバリアフリー化が進み、広々とした歩道になるなど環境整備もばっちり。駅前には大型商業施設「ららぽーと柏の葉」や、複合施設「柏の葉T-SITE」があり、買い物に困ることはほどんとありません。国立がん研究センター東病院など医療機関も充実、健康をサポートしてくれる体制が整っています。東京大学、千葉大学のキャンパスがあることから、教育熱心な家庭が集まるエリアとなっており、教育レベルはかなり高い水準といえます。
以前は駅近のマンションが4,000万円程度で購入できコストパフォーマンスが高い場所でしたが、現在では人気の高まりによって価格も上昇中。またつくばエクスプレスが通っていることでアクセスの悪さは感じませんが、近年つくばエクスプレスの混雑具合が目立つようになってきたという声が増えており、少々不安材料となっています。
- ARUHIマガジン「【本当に住みやすい街大賞2019】第5位 柏の葉キャンパス:スマートに暮らせる最先端の学園都市」(https://magazine.aruhi-corp.co.jp/0000-1661/?argument=wRwuVVkk&dmai=lp_2018sumiyasui05,2019年1月21日最終閲覧)
第4位.川口
第4位には埼玉県の川口がランクイン。平成30年4月に中核市に移行し、更なる発展が今後も見込まれる川口市。埼玉県内でも人気が高いエリアです。
東京駅から遠いイメージが何となくありますが、実は川口駅から東京駅までは約15km圏。川口駅から東京駅までJR京浜東北線で23分、赤羽駅でJR宇都宮線(湘南新宿ライン)に乗り換えれば20分と、十分に通勤・通学圏内といえる好アクセスな場所に位置しています。
かつての工業エリアが居住ゾーンとして生まれ変わり、イメージが一新。現在は駅周辺の複数の商業施設を中心に、西口側に区画整理や緑化に力を入れたエリア、東口側に商店街や商業施設が連なるエリアと、雰囲気が異なる街並みが広がります。再開発事業によって、文化・教育環境の整備にも力を入れた結果、教育レベルも上がってきているという評価に。
工場エリアの色合いが薄まるにつれて、近年では分譲価格が上昇しつつあるので、コストパフォーマンスは以前ほど高くはありませんが、それでも同じ埼玉県の浦和や大宮より物件価格はリーズナブル。狙い目のエリアであることに間違いありません。
- ARUHIマガジン「【本当に住みやすい街大賞2019】第4位 川口:家族で楽しめる商業施設が充実した街」(https://magazine.aruhi-corp.co.jp/0000-1660/?argument=wRwuVVkk&dmai=lp_2018sumiyasui04,2019年1月21日最終閲覧)
第3位.日暮里
第3位は東京都荒川区の日暮里が選ばれました。繊維問屋街、徳川慶喜や渋沢栄一などのお墓がある谷中霊園、谷中銀座などが有名で下町風情が感じられるエリアですが、西日暮里・三河島と共に再開発エリアに指定されており、今後街の変化が大いに期待できます。
山手線、京浜東北線、常磐線のJR3路線の他に、日暮里・舎人ライナーや京成線も利用が可能。京成スカイライナーに乗れば成田空港へ36分で行けるアクセスの良さや、乗り換え無しで品川や東京へ行ける利便性は非常に魅力的です。あまりに公共交通機関が便利すぎるため、逆に自家用車を所有していると不便を感じる、という声もあるほど。
山手線沿線の中では交通の利便性が高いにもかかわらず、比較的価格がリーズナブルなエリア。駅の東口側には割安な新築マンションが建ち並んでいます。山手線沿線に住みたい、交通アクセスがいい場所に住みたいと考えている方におすすめといえるでしょう。
日暮里がある荒川区は教育に力を入れていて、私立幼稚園の補助金制度をはじめとする手厚い支援制度があるのもファミリー層にとってはありがたい点。新しさを取り入れながらも、日本の古き歴史を感じられる環境で子育てができます。
- ARUHIマガジン「https://magazine.aruhi-corp.co.jp/0000-1659/?argument=wRwuVVkk&dmai=lp_2018sumiyasui03」(【本当に住みやすい街大賞2019】第3位 日暮里:古き街並みが残る、都心へのアクセスが良い街,2019年1月21日最終閲覧)
第2位.南阿佐ヶ谷
第2位は、東京都杉並区の南阿佐ヶ谷が選出されました。団地建て替え事業で再開発が進んでいて、徒歩圏の阿佐ヶ谷と並んで近年の発展が目覚ましい地域です。活気ある阿佐ヶ谷に隣接しながらも、静かに都会的な生活ができることが利点です。
池袋、新宿、赤坂見附、銀座、東京といった都心の主要駅を結ぶ東京メトロ丸ノ内線の他、徒歩圏でJR中央線阿佐ヶ谷駅が利用できるため、アクセスは非常に便利。
桜の名所でもある善福寺川緑地や中杉通り沿いのケヤキ並木など、住宅地の周りには自然が多くあり、落ち着いた生活が送れます。駅前には杉並区役所をはじめ、区の公共施設がまとまっており手続きに便利。また阿佐ヶ谷~南阿佐ヶ谷間にある阿佐ヶ谷パール商店街は、多くの店が立ち並び常ににぎわっています。
幼稚園や保育園の数が多い杉並区は、待機児童数が少ないことも魅力の一つ。公立小中学校も評判が良く、子育ての環境がしっかり整っています。近年のエリア人気に押されてマンション価格は上昇傾向です。
- ARUHIマガジン「【本当に住みやすい街大賞2019】第2位 南阿佐ヶ谷:緑豊かな環境と利便性、子育てに最適な街」(https://magazine.aruhi-corp.co.jp/0000-1658/?argument=wRwuVVkk&dmai=lp_2018sumiyasui02,2019年1月21日最終閲覧)
第1位.赤羽
栄えある第1位は、東京都北区の赤羽が選ばれました。湘南新宿ライン・京浜東北線・宇都宮線・赤羽線・埼京線・高崎線のJR6路線が利用可能で、新宿・東京の両方面へのアクセスが便利なエリアです。バスの交通網も発達しており、北区のターミナル駅として利便性が高いのが魅力的。
総戸数3,373戸の大団地「赤羽台団地」の再生事業や、駅周辺の再開発計画により、今後さらに活気が増す街になることが期待されます。イトーヨーカドーをはじめとする大型スーパーの他、庶民的な商店街も二つあるので、遠くまで買い物に出かけなくても大抵のものは手に入ります。
「赤提灯の飲屋街」というイメージのある赤羽ですが、北区が「子育てするなら北区が一番」をスローガンに掲げ子育て支援の取り組みを充実させているので、今ではファミリー世代向けのエリアというイメージに変わりつつあります。図書館や大型公園といった公共施設も整っていて暮らしやすい環境です。
以前は23区内でも穴場的存在でしたが、人気のエリアになったこともあり、マンション価格・新築一戸建価格も上昇傾向に。コストパフォーマンスは以前よりも下がっているものの、まだJR中央線の駅前立地に比べて割安感はあります。
- ARUHIマガジン「【本当に住みやすい街大賞2019】第1位 赤羽:利便性と親しみやすさで人気急上昇の街」(https://magazine.aruhi-corp.co.jp/0000-1657/?argument=wRwuVVkk&dmai=lp_2018sumiyasui01,2019年1月21日最終閲覧)
さまざまな角度から街をチェックしてみましょう
家族が増える、旦那の転勤、子供の進学、手頃な物件が見つかったなど、新天地で生活を始めるタイミングは各家庭それぞれ。
今現在、自分たちが求める条件に見合っていて魅力的な街でも、長い目で見ると幼稚園は近いけれど学校が遠い、商業施設は充実しているけれど騒音や治安が気になるなど、どの街にもそれぞれメリット・デメリットが少なからず隣り合わせになっているもの。どこなら求めている条件がそろっているのか、妥協したくない点は網羅できているかをきちんと見極めたいですね。
皆さんも発表されたランキングを参考にしながら、自分が気になっている街をリサーチしてみませんか。