ⓒ講談社/福田泰宏・清水茜
ⓒ講談社/福田泰宏・清水茜
舞台は妊娠40週目の赤ちゃんの体内
『はたらく細胞BABY』は、妊娠40週目のママの胎内にいる、赤ちゃんの体の中が物語の舞台に。スピンオフの元である『はたらく細胞』シリーズは、細胞を擬人化してその働きぶりや体の中での役目を忠実に描いた作品。
本作で登場するのは、無邪気で元気いっぱいな赤血球の子どもたちです。赤血球はさまざまな細胞に酸素を運ぶという重要な役目を担っており、胎盤で順番に酸素を受け取った赤血球たちは胎児の体へと運んでいきます。
まだまだ幼い赤血球たちは、無事に酸素を届けることができるのでしょうか…。
出産が始まる
ⓒ講談社/福田泰宏・清水茜
ⓒ講談社/福田泰宏・清水茜
赤血球たちが酸素を運ぼうとすると、たびたび揺れが起こり、何が起こっているのかわからず不安になる細胞たち。だんだんと増えているその揺れは、出産が近づいてきた子宮が収縮を繰り返す「陣痛」であることが知らされます。
出産が近いことを知ったものの、これからどうなるのか不安を感じてざわつく赤血球たち。さらに、出産後は胎盤から酸素や栄養がもらえなくなってしまうのです。
そして、またしても大きな揺れ…。出産時に、赤ちゃんの体ではどのようなことが起きているのか、とてもわかりやすく、ハラハラドキドキの臨場感あるストーリーで描かれています。
赤ちゃんが肺呼吸を始める瞬間を描く
ⓒ講談社/福田泰宏・清水茜
ⓒ講談社/福田泰宏・清水茜
ⓒ講談社/福田泰宏・清水茜
ⓒ講談社/福田泰宏・清水茜
大きな揺れを経て、無事に出産が完了し、急いで胎盤から出て赤ちゃんの肺に酸素を運ぶために移動を始める赤血球たち。
なんとか肺に到達したものの、臍帯が閉じてしまってもう胎盤には戻れません。これからは胎盤が渡してくれた酸素や栄養素を、新しく生まれた体の細胞で作っていかねばならないのです。
最初は羊水でいっぱいだった肺から水が排出されたものの、なぜか肺は動かないまま…。懸命に呼びかける赤血球に応えるかのように、大きな泣き声が響き渡り、無事に肺が動き出して赤ちゃんは呼吸を始めるのでした。
赤ちゃんが肺呼吸になるのも当たり前ではありません。体の中のあらゆる細胞がスムーズに動き出す奇跡の重なりであるということがとても身近に感じられます。
出産のためにがんばってくれる細胞たちへ
ⓒ講談社/福田泰宏・清水茜
私たちの体を動かしてくれているのは、実際に目にすることはできないとても小さな細胞たち。それぞれに大切な役割があって、体を正常に動かそうと日々奮闘してくれています。
妊娠・出産は細胞たちにとっても、これまでにないような大きなできごとで、戸惑うことばかりなのかもしれません。
少しでも細胞たちが働きやすいよう、きちんと栄養を取って体を休ませてあげたい、そんな気持ちになる『はたらく細胞BABY』。出産を控えたママだけでなく、かつては赤ちゃんだった全ての人に読んでほしい作品です。