動画ならではの「心配ポイント」と、保育士流対処法
保育士として保護者の方の悩みを聞いていると、動画視聴には、テレビと異なった悩みをかかえている人もいます。その一例が以下の3つの悩みです。
お悩み別で、解消のポイントをお伝えしますね。
1. 手元で見てしまい、目が近くなりがち
動画視聴は小さい画面を見つづけることやブルーライトで、目への悪影響を心配されています。もちろん、テレビでも同じことは考えられますが、タブレットやスマホでは熱中しすぎて目と画面を近くしてしまいがち。手元で見られてしまうのも、目が近くなる原因の一つかもしれません。
筆者は子どもに動画を見せるときは「画面と顔の距離が、腕の長さになるように」と、なるべくわかりやすい表現をするように工夫しています。
2. 次々と「好きそうな動画」が出てきてやめられない
テレビは時間ごとに番組が変わり、興味がない番組が始まると自然とテレビの視聴自体を終わりやすいですね。しかしテレビとは違って、動画は関連した動画が、次々に出てきます。そうすると、なかなか視聴を終われなくなりますね。
そんなときは時間制限を設けたり「この番組を見たらおわり」など、一定のタイミングで終了することを根気強く伝えていきましょう。根気よくルールを伝えていくことが大切です。
3. あき時間=動画タイムになってしまう
「なにもすることがなくなると、すぐに動画を見たがります」「暗証番号を解除しないと、怒るんです」など、常に動画を見たがる子もいます。本来、子どもは「何もすることがない、自由な時間」にこそ「好きなことを時間制限なく」楽しめるのです。そんな時間に、想像力や工夫する力を養っています。
しかし「あいた時間イコール動画視聴」になっていると、「想像力」「工夫する力」を育てる機会が失われてしまう可能性も。
子どもの「余白の時間」は、大人が何か楽しませなくちゃと思わなくても大丈夫。何か動画以外に好きなことがあれば、自分自身で工夫して遊べることに時間が使えるようにできると良いですね。
メディア視聴ルール作り、3つのポイント
今の世の中で、全くメディアに触れないまま成長するのは難しいと思います。だからこそ「メディアと付き合うためのルール作り」が大切です。子どもとのルール作りのポイントは、以下の3つがあげられます。
- 大人が一方的にルールを決めて押しつけない
- 大人が子どもの前では「ルールを守る」
- 生活リズムを大きく崩さない
このポイントでとても大切なことは「家庭にあったルール作りをすること」です。
年齢や子どもの性格などを考えず、画一的なルールを押しつけると、子どもが反発します。子どもと一緒に話しながら、各家庭にあったルールづくりをしてみてくださいね。そして、そのルールは家族みんなで「崩さない」ということを意識しましょう。
子どもと一緒に決めることの大切さ
年齢にもよりますが、ルール作りの基本は「子どもと一緒に決めること」です。私たち大人も、一方的に押しつけられたルールには反発をしたくなりますが、一緒に決め「このルールは難しい」と思ったタイミングで見直すほうが、守る意識になりませんか?
もちろん、子どもの意見だけではルール作りはうまくいかないかもしれません。そのときには親の気持ちも伝え、お互いに納得したルール作りができるといいですね。