©ママリ
👉【1話から読む】新1年生になった娘は登校拒否児なりかけだった
「私がやらなきゃ」という呪縛から解き放たれ、私は学校を頼ると決めた。頼みの綱は、メンタルケア専門の先生。翌朝、これまでの経緯と限界を正直に話した私。「下駄箱まで連れてくるので、その後をお願いできませんか…?」という必死の願いに、先生は…
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決意と、最後の望み
上司の一言は、私の凝り固まった思考を打ち破るハンマーのようだった。
そうだ、任せよう。一人で抱え込むのはもうやめだ。学校を、プロを、頼ろう。決意は固まった。
でも、問題は「誰に」頼るか、だ。担任の先生たちに、これ以上負担をかけるのは申し訳ない…。
その時、ふと入学説明会で校長先生が紹介していたメンタルケア専門の先生を思い出した。
全校生徒の心のケアを担当し、困ったことがあれば相談してください、と言っていた気がする。
詳しい面識はなかったが、他に選択肢はなく、まさに藁にもすがる思いだった。
震える声で、願いを託す
翌朝、いつもより少しだけ早くユイと家を出た。心臓がドクドクと早鐘のように打ち、不安が頭をもたげる。
でも、ここで引き返すわけにはいかない。昇降口で幸運にもメンタルケアの先生を見つけ、深呼吸一つ、ユイの手を握りしめて先生に近づいた。
「あ、あの、先生!少しお時間よろしいでしょうか…?」
声は緊張で震えていたかもしれない。
先生はにこやかに
「どうかなさいましたか?」
私は必死でこれまでの経緯、毎日の付き添いが限界なこと、そして学校を頼りたいという強い思いを説明し、覚悟を決めお願いを切り出した。
「下駄箱までユイを連れてきますので、そこからのケアを先生にお願いできませんでしょうか…?」
「任せてください!」暗闇に差し込んだ光
言ってしまった…!先生はどんな反応をするだろうか。
やっぱり遠回しに断られるかもしれない。先生だって忙しいのだ。一人の生徒のために毎日時間を割くなんて、普通に考えたら無理なお願いだ。
固唾を飲んで、先生の言葉を待った。すると先生は、私の話を真剣な表情で最後まで聞き、ふわりと微笑んで予想もしなかった言葉を口にしたのだ。
「わかりました!やりましょう!」「お母さん、今まで本当によく頑張りましたね。大変だったでしょう。これからは私に任せてください。下駄箱でユイさんを預かります。一緒に教室まで行きましょう!」
あまりにも力強い返事に、驚きと安堵で一瞬言葉を失った。目の奥が熱くなり、涙を必死でこらえる。(仲間が、できた)心の底からそう思った。
強力な案内人が現れてくれたようだった。
「あ、ありがとうございます…!」
明日からきっと変わる。確かな希望の光だった
踏み出した一歩が照らす、希望の道筋
母親が勇気を出して助けを求めた行動は、閉塞した状況を打破する大きな転機となりました。
専門家であるメンタルケアの先生がその思いを真摯に受け止め、「仲間」として力強く支えを約束したことで、母親の心には絶望から希望へと変わる確かな光が灯ります。
一人で抱え込まず、他者を信頼し頼ることの大切さ、そしてそれが未来を切り開く力となることを、このエピソードは強く示唆しているのです。物語が解決に向けて大きく動き出す、重要な局面と言えるでしょう。










