1年生の子どもが登校拒否気味に…こんな時どんな対応をすればいい?
子どもが小学校に入ると、子どもたちの世界は一気に広がり、活動や人間関係の幅も広がります。ただ中には学校生活を過ごすだけで心身が疲れてしまう子もいるでしょう。
子どもが学校生活で不安や心配を抱えていたら、ある日「学校に行きたくない」という気持ちをパパママに伝えることもあるかもしれません。もし子どもが「学校に行きたくない」と伝えてきたらどうすれば良いのでしょうか。
ママリに投稿された質問から子どもが登校拒否気味になった場合の対応を考えていきましょう。
1年生の登校拒否パターン①朝だけ乗り気にならない
とにかく朝気乗りしない子です。
学校に入ってしまえば普通に過ごすそうですし、放課後は晴れだと毎日友達と外で遊んでます。
スクールバスの学区なので、バス利用か保護者の送りが必要です。担任の先生からは「車で送ってもらえるのがすごく嬉しくて安心するようなので、負担にならなければそうしてあげて下さい」と言われてます。バスに乗れる日は乗りますし、車がいい日は車です。バスより早く親が出るとか、色んな理由で送って来る家庭はあるのでそれはいいのですが...
先週と今日で、車から降りてくれないのが2回ありました。
今日は降りてバイバイと笑って手を振っていたので手を振りながら車を動かした所で呼び止められてドアを開けられました。
(中略)
今日は朝準備が始まる頃に急に足が痛いと言い出しました。
歩けないとか曲げれないとか。本当は今まで歩いてただろと思いましたが湿布を貼ってあげました。車に乗るのは渋々でしたが、学校に着くまでになんとか色々話して、機嫌良く行けそうだったんです。
色々やってるつもりです。毎日毎日優しく励まして来ました。
でも最近私まで朝になるのが嫌です。
車なら頑張れると言うから送ってるのに、結局降りなくなる。
先生に何とか降ろしてもらってまで行かせる意味あるんだろうか。登校してくる子たちの見る目。こちらまで嫌になってきます。イライラしてきます。息子に寄り添う気持ちより、うちだけこんなんで恥ずかしいと思うようになってきました。
もう明日から送りたくないです。
でもバスも乗ってくれなかったらどうしたらいいんでしょう。
ほんとにもう嫌です。
スクールバスに乗れる日、乗れない日がまちまちで、自家用車で送った日はなかなか車から出られない…という子のママからの投稿です。
学校に行ってしまえば楽しく過ごしているようですが、毎日「朝のグズグズ」がストレスになっているよう。このような場合、親子はどのようにしていけば良いのでしょうか。
三木先生より:親子ともに「頑張ってること」を認め合ってみる
せっかくバスがあるのに送りが必要になったり、それが不定期で読めなかったり、親の負担も多くて大変ですよね。ただ、僕がこのエピソードを読んだ最初の感想は、「すごく頑張ってるなー!」でした。「頑張ってる」というのは、お子さんも、そしてお母さんも、両方です。
お子さんはきっと学校に行くことがけっこう不安なんでしょうね。行ってしまえば普通だけど、最後の一歩がちょっと不安…。だから、それを振り切って学校に入るまでの葛藤する時間が必要なんだと思います。
そして、「ぐずぐずする=お母さんや先生の助けを借りて踏み出す」ことができているわけですね。それがまさに先生の『車で送ってもらえるのがすごくうれしくて安心するよう』という言葉に表現されていますね(よく見てくださってる先生ですね)。
そしてお母さんも毎日お疲れ様です。
すんなり行ってくれる日とそうじゃない日があるから、「今日はどうなんだ」と余計にやきもきしますよね。でもそれをぐっと飲みこんで送りをされているのは、自分で自分をほめてあげていいポイントだと思います。モヤモヤするけどちゃんとやるって、実は大変なことですからね。
放課後は二人で「今日もお互い頑張ったね!」と言ってみると、少し気分が変わるかもしれませんね。
1年生の登校拒否パターン②理由がわからず登校拒否気味に…
少し不登校気味で学校行ったり行かなかったりです。
理由を聞いても行きたくないとしか言いません。
クラスでトラブルもないようです。
夜、普通に過ごして、朝になるとあそこ痛いなど言い出し、
しまいに行きたくないと言います。
毎日😞💨ハァとタメ息ばかりです。
お子さんが不登校気味や不登校になってみえる方、
毎日どのように過ごしていますか?
学校は嫌ではないのに行きたくないと言う。
理解出来なくて苦しいです。
友だち関係がうまくいかない、勉強がわからない…など学校に行きたくない理由が分かる場合は、パパママも対策を練りやすいかもしれません。しかしこちらの投稿のように「はっきりした理由がわからない」という場合は、「どうすればいいのか」と混乱してしまうかもしれませんね。
こうした場合、親はどのように対応していけば良いのでしょうか。
三木先生より:嫌なことを説明するのは難しい!子どもが戦っている時間を見守って
嫌なことを嫌だと説明するのって、実はけっこう難しかったりします。僕らもそうだと思うのですが、特に「やらないといけないのはよーーく分かってるけど、なんか気が乗らない仕事」とか、まさにそうですよね。
たまっている家事、気が乗らないPTAの会合、締切間際の原稿など…。なまじ「やるべきだ」と思っているだけに、「やりたくない理由」をハッキリと自覚して述べることは難しかったりします。
大人でもそうなのですから、子どもが自分の気持ちをしっかりと理解して、且つそれを説明するというのは至難の業なのだと思います。しかも、僕の知る限り、学校に行きたくない子どものほとんどは「学校には行かねばならないのだ。学校に行きたくない自分はダメな子だ」と思っています。
そういう板挟みの気持ちを持ちながら、でもそれをうまく言えないから、ぐずぐず言ったりおなかが痛くなったりするんだと思います。
お子さんが学校に行けない日があるのは親にとってもかなりストレスだと思うのですが、そのぐずぐずこそが「その子が戦っている証拠」です。苦しそうなわが子を見るのはつらいですが、そういう時こそ大人が落ち着いて見守ってあげることがお子さんの安心にもつながると思います。
1年生の登校拒否パターン③繊細な気質で学校に行きにくい…
1週間学校行けてません💦
理由としては
・先生が怒ってる声が怖い(自分に対して怒ってる訳じゃないしその子が怒られてる理由もわかっています)
・給食を吐いてしまうのが怖い(お友達に吐くから嫌いだと言われた、吐いちゃう自分も嫌だしお友達がそれを見るのも嫌だと思うと言ってる、吐いちゃう原因がわからない)
です。
普段は精神的に辛い時や
お惣菜の匂いでも嘔吐します。
昨日初めてHSCというのを知りました。
診断項目を見ると10項目くらい当てはまります。
なので気味なのかな?と思ったりしてます。
同じような感じの子いますか?
学校へ行けるようにどのように促してますか?
普段の生活で気をつけていることはなんですか?
お話出来る範囲でいいので
教えていただきたいです!
保育園時代からたまーに吐くことはありましたが
気持ちの問題かな?程度で先生も私も思ってました。
小学生になってから目立ってきました(´・・`)
十人十色の子どもたち。同じ環境にいても、同じ言葉をかけられた時でも刺激の受け取り方は人それぞれです。中には他の人には気づきにくい点が大きな刺激になっている子もいるでしょう。
こちらの投稿者さんの子も繊細であるゆえに学校生活がしんどくなることがあるそう。こうした繊細な子についてはパパママはどのように対応していけば良いのでしょうか。
三木先生より:「休むこと」と「環境を調整すること」を大切に
これはなかなかしんどそうですね。彼にとって世の中は過剰な刺激にあふれた世界なのかもしれません。
我々で例えると「大音響のパンクロックの会場でみんなが叫んでいる中、香水と生ゴミのにおいがただよい、ぐったりしている様子を大勢の人に見られている」ような感じでしょうか(想像しただけでちょっと気持ち悪くなってきましたね…)。
そんな状況でずっと学校に行っていたなんて、すごく頑張り屋さんですね。そりゃあ少しお休みしたくなる気持ちも分かります。それを乗り越えるためのプランを考えてみましょう。
まずは「しっかり休む」あるいは「調子が悪くなりかけたら休む」です。
クラスメイトに比べると、同じことをしていてもかなりの消耗をしているはずです。なので、同じペースで過ごしていると、とても持ちません。コンディションが本格的に悪くなる前にサッと休んで、速やかなリカバリーにつなげましょう。
もう一つは、環境調整です。
彼が特にしんどい刺激は何かを探り、それを避けたり減らしたりできる方法がないかを担任の先生と相談してみましょう。遮蔽する、その場から避難する、時間を区切ってみるなど、いろんな方法が考えられます。
今の学校環境にお子さんを合わせようとすると、どうしてもしんどい思いをさせることになります。この二つの方法で、お子さんにとっても少し楽な状況を作っていきましょう。
1年生の登校拒否パターン④友人関係の変化が心配…
1学期までは毎日お友達と遊べて楽しかったようなのですが、夏休みが明けると今まで遊んでいた友達が遊んでくれなくなったようで。
仲間に入れてーと言うと一人の女の子が他の子に耳打ちして何にも言わずにどっかに行ったり、いいよーと言われても遊んでる途中で一人にされたりするようです。もともと娘と1番仲の良かった子たちがそのグループにいるらしくて休み時間は一人でいる事がほとんどなようで。
先生にも何度か状況を相談はしてるのですが、なかなか💦
親としてどうアドバイスしたらいいか悩んでます。
一応私からは、娘自身も泣き虫な所があり、よく学校で泣いてるそうなので、まず学校で泣く回数を減らそう。話しかけやすい別のグループのお友達とも遊んでみよう。どうしても上手くいかないときは先生に相談しよう。もう学校に行きたくないなぁーって時は素直に教えて。とは伝えています。
同じような経験をされた事がある方どのようにしたらよいか教えて頂きたいです。
三木先生より:家が「どこよりも安心できる場所」になれば大丈夫
1年生なのに、なかなか難しい状況になっていますね…。
まず、今されている取り組みは、それで良いと思います。
- 本人が取り組める対策を教えてあげる
- 頼れる大人への頼り方を教えてあげる(先生への相談方法や保護者への気持ちの伝え方など)
- 安心できる場所があること、安心して帰れる場所があることを教えてあげる
という3点と、さらに学校対応もしっかり押さえておられるのは素晴らしいですね。
残念ながら、お友達からの関わりに対してこちらからできることはあまりありません。できることの中では、担任の先生に何度もお伝えしてクラスからアプローチしてもらう方法が一番有効です。
1年生だとクラス全体での指導や担任の先生の雰囲気づくりで変わる場合もあります。また、その子がなぜそういう行動をとるのか、ママ友経由などのルートで情報収集してみても良いかもしれません。
外からやってくるトラブルですので家庭での対策が難しいのですが、自分たちでできる一番の対策は先述した③の「安心できる場所があること、安心して帰れる場所があることを教えてあげる」です。
外の世界にはつらいことがいっぱいありますが、「ここにいればいつでも安心安全なんだ」という居場所があれば、なんとか翌年度まで耐え忍ぶことができます。
1年生の登校拒否パターン⑤登校拒否が続いていてどうすればいいかわからない…
義母は私の育て方が悪かったから子供が登校拒否を起こしている、と遠回しに指摘してきます。
今は第二子を出産した直後なのですが、義母からは、同じように育てるとまた上の子みたいになっちゃうよ、と言われて落ち込んでいます。
私なりに頑張って育児をしてきたのですが、なんだか失敗をしてしまったような気がして、とても責任を感じています。
母親に向いてなかったのかな、なんて思うと、子供らにも夫にも申し訳なくなり、涙が出てきます。そして、第二子も私の育て方次第で登校拒否をするようになってしまったらどうしよう、とプレッシャーを感じています。
登校拒否の子供をお持ちのママさん、なんでもいいのでアドバイスをいただきたいです。
三木先生より:まずは親が「楽になれる状況は何か」を考えてみて
なかなかつらい状況ですね…。
まず、せっかく心配して言ってくださっているところすごく申し訳ないのですが、おばあちゃんの言うことは無視で良いです (笑)。おばあちゃんは、自分の心配をあなたにぶつけているだけです(つまり、八つ当たりです)。
実際に子育てをしているのはあなたで、一番頑張っているのはあなたで、一番悩んで一番心配しているのもあなたです。
万が一あなたの育て方のせいだったとしても、それを正面から指摘することがお子さん(孫)のためになると思っている時点で間違っています。なので、とやかく言われる筋合いはないと思ってオッケーです。お子さんのことを一番よく分かっていて一番想っているのは、間違いなくあなたです。
また、子どもと親のコンディションは連動して良くなったり悪くなったりするものです。お子さんが登校拒否だと自分もつらくなると思うのですが、お子さんの状態が良くなったから自分も上がってきた、という順番は考えにくいですよね。
なのでまずは自分が楽になれる方法を探しましょう。その時は、「頑張らなきゃ」と思わないことが大事です。つらい毎日の中でも、少しでも楽になれるのはどういう時、場所、状況かを振り返ってみましょう。自然と笑顔になれる状況を生活の中に少しでも多く用意することで、家庭の雰囲気がだんだん穏やかになっていくと思います。
親子それぞれが頑張ってることを認めて少しでも楽しい時間を
子どもの学校生活がスムーズでない場合、親も気持ちが沈んだり悩みが深くなったりするのは「一生懸命、子どもに向き合っている」からではないでしょうか。
子どもの学校生活が楽しくなさそう、苦しそうであることはパパママにとって決してうれしいことではありませんが、学校に行きたくないと思っている子ども自身も、それを支えるパパママもお互いに「頑張っているのだ」と認め合うことは大切かもしれません。
最後の質問への回答で三木先生がアドバイスされていたように「自然と笑顔になれる状況を生活の中に少しでも多く用意すること」を心に置いて過ごすことで、子どももパパママも笑顔の時間が増えることを心から願っています。