Ⓒママリ
夫の兄嫁からの電話
顔を合わせるたび、義姉・明子さんから義母への愚痴は止まらなくなっていた。
さらに、最近の明子さんは、私にも不満を覚えている様子が伝わってくる。
私が曖昧な相槌しか返さないことに、イライラしているようだった。
ある日、明子さんから着信があった。
普段はメッセージのやりとりなので珍しいと思って出ると、ひどく沈んだ様子だった。
明子:「昨日、旦那(義兄)と喧嘩しちゃって…」
沙希:「え、 大丈夫ですか?」
(夫婦喧嘩の話か…義母の愚痴よりはマシかも)
一瞬そう思った私は甘かった。
明子:「それが、原因はまたお義母さんなの」
沙希:「え、どういうことですか?」
明子:「旦那にお義母さんのこと色々話したんだけど、旦那ったら『それじゃわざわざ実家に行かなきゃいいだろ』って」
沙希:「あー…」
義兄が言うこともわかる。明子さんは文句を言いながらも、ことあるごとに義母に甘えているのだ。
甘えておいて、意見されたら批判するというのもどうかと思う。
夫の兄嫁が爆弾発言
明子:「ほんと、堀田(夫の苗字)家の男って、全員ワガママ。お義母さんに甘やかされて育ったからだよね、絶対」
沙希:「え…? 全員、ですか?」
全員というと、私の夫の太一も含まれているということ?
一瞬、頭の上にハテナが浮かんだ。
明子:「 沙希ちゃんはそう思う? ぶっちゃけ太一くんが一番のマザコンじゃない? お義母さんにしょっちゅう電話してるんだって?」
太一はたしかによくお義母さんに電話しているけれど、それは親を大事にしているだけだと思っていた。マザコンとは思ったことがない。
沙希:「確かに…、ただ私は、お義母さんを大切にしてるだけだと思ってましたけど…」
明子:「ふーん、沙希ちゃんは優しいねぇ。でもさ、結局のところ、あの家の息子はお義母さんの言いなりなのよ」
ひどい言い草だと思った。
自分の夫の愚痴だけならまだしも、家族全員を巻き込むのはやめてほしい。
その後もああだこうだと愚痴をいう明子さんに、適当に相槌を打つだけで電話が終わった。
沙希:(明子さんからの電話、出たくない…。こっちまで気分が滅入るよ)
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嫁と義母、付き合い方について考えさせられる作品
この作品では、主人公の沙希と兄嫁である明子の交流が描かれます。お互いに嫁という立場で義母とそれぞれ向き合っていますが、明子は義母との付き合いに不満を抱くようになります。
義母からの口出しへの不快感を強める明子ですが、一方で初孫フィーバー中の義母から多くの援助をしてもらっていました。中には明子の方からねだって援助を得ていることも。話を聞く中で明子の立場に共感しつつも、どこか虫の良さを感じる沙希。
本作で考えさせられるのは、嫁と義母という関係の中での付き合い方。まず大切なのは、双方の立場を理解すること。そして、明子と義母のすれ違いからは、お互いに期待しすぎず適度な距離感を持つことが大事だと気づかされます。
親族同士の関係性に暗雲が立ち込めているとき、あなたならどのように立ち回りますか?
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています