©️ママリ
イラスト:もりもとあい
生まれて間もないうちの子は、よく泣きました。
お腹がすいたわけでも、眠いわけでもなさそうなのに、私の姿が見えなくなると、すぐに泣いてしまう。
私はそのたびに、抱きしめていました。
抱きしめると、あたたかい体温が伝わって、わが子の泣き声が少しずつおさまっていくのがわかるんです。
でもある日、夫と義母にこう言われました。
「また抱っこ?」「癖になるよ、甘やかしすぎじゃない?」
その言葉に、一瞬自信がぐらつきました。もしかして私のやってることは、間違ってるのかもしれない…。
でも――。
そんなある晩、少しだけ泣かせたままにしてみたんです。
「大丈夫だよ」って声だけかけて、少し離れて。
けれど、我が子は泣きやむどころか、声を詰まらせてしゃくり上げ、目を真っ赤にして私を探すように手をのばしてきました。
あわてて駆け寄って、ぎゅっと抱きしめた瞬間――その小さな手が、私の服の胸元をきゅっと掴んで離さなかった。
そのとき、わかりました。
泣いている理由なんて、考えなくてよかった。この子はきっと、「そばにいてほしい」って、ただそれだけだったんです。
私はゆっくり背中を撫でながら、心の中でつぶやきました。「大丈夫。あなたの泣き声に、私はこれからも応えるよ」
それ以来、誰に何を言われても、自分の“抱っこ”を迷うことはありませんでした。
ーーー
泣き声に応えること、それは甘やかしではなく、確かに届く愛情のかたち。そんなふうに、今日も多くのママたちが、自分なりの答えを見つけながら育児と向き合っています。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
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