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「うるせーな!」怒号が響き凍り付く車内、4人のサラリーマン登場で予想外の展開に|満員電車で起きた奇跡の逆転劇

4人の子育てをしている都内在住の美咲さん(36歳・仮名)が、ある日、電車の中で経験したことを語った。『満員電車で起きた奇跡の逆転劇』第3話。舌打ちに続き「うるせーな」との怒声が響き、恐怖に震える美咲さん。絶望の淵で彼女の前に現れたのは、なぜか陽気なサラリーマン4人組だった。

©ママリ

👉【1話から読む】【地獄】満員電車に4人の子どもとベビーカー、0歳と4歳が同時泣きの悲劇

舌打ちからさらに追い打ちをかける声

舌打ちの衝撃で、美咲さんはしばらく動けなかったという。涙は流れているのに、感情はどこか遠くにあった。ただ機械的に体を揺らし、娘の背中を叩き続ける。

もう、周囲を見ることも、聞くこともやめたかった、と彼女は話す。

その矢先のことだった。

「――るせーなー」

すぐ隣の車両から聞こえてきた、低く、ドスの利いた男性の声。それは、先ほどの舌打ちとは比べ物にならないほどの、明確な悪意と攻撃性を含んでいた。

「全身に鳥肌が立ち、心臓がドクンと大きく跳ね上がりました。幻聴ではありません。まずい、本当にまずい。怒鳴られる。殴られるかもしれない、と。そんな恐怖で、一気に頭が真っ白になりました」

美咲さんは、誰に言うでもなく「ごめんなさい」と呟き続け、胸の陸くんをきつく抱きしめ、ベビーカーの陽菜ちゃんに覆いかぶさるようにして、小さくうずくまることしかできなかったそうだ。

「目的地はまだ先でしたが、もう一刻も早くこの電車から降りたい、と。小学生の二人が爆睡していても、叩き起こしてでも降りなければ。子どもたちに危険が及ぶかもしれない、とそれだけでした」

近寄ってきた複数人のサラリーマン

美咲さんの頭の中がパニックでぐちゃぐちゃになったそう。とにかくこの場からすぐにでも立ち去りたいという気持ちでいっぱいだったとのこと。

すると、その時。

連結部のドアが開き、数人の人影がこちらの車両に入ってきた。

「『絶対、あの声の主だ』と思いました。さらにこれから浴びせられるであろう罵詈雑言を、ただ耐えるしかない。お願いだから、子どもたちには手を出さないで、と。ギュッと目を閉じました」

ところが、予想していた怒声は、いつまで経っても降ってこなかった。代わりに聞こえてきたのは、複数の男性の、楽しそうな笑い声だった。

驚いて目を開けると、そこに立っていたのは、くたびれたスーツを着こなした、30代から40代くらいのサラリーマン4人組。仕事の打ち上げ帰りなのか、上機嫌で談笑していたという。

怒声の主は、彼らではなかったのかもしれない…?

少しだけ安堵した美咲さん。

すると、彼らの一人が、泣きじゃくる我が子たちと疲れ果てた美咲さんに気づき、ニヤリと笑った。

もしかして…酔っ払い…?

「その時の心境は、『最悪のタイミングで酔っ払いに絡まれる』という、新たな絶望でした。もうやめて。お願いだから、そっとしておいて、と心の中で叫んでいました」

予想外の展開へ

「もうダメだ」と再び目を固く閉じた、その時だった。

「よーしよしよし、泣かないで、お嬢ちゃん」

想像とは全く違う、穏やかで優しい声。

驚いて目を開けると、4人組のうちの一人が、ベビーカーの陽菜ちゃんの前にかがみ込み、ありったけの力で「変顔」をしていたという。

恐怖と絶望の淵で立ち尽くす彼女の目の前で起きた、あまりにもシュールな出来事。

何が起きているのか理解できない混乱の中、美咲さんはただ、変顔をするサラリーマンと泣きじゃくる我が子を、呆然と見つめることしかできなかった。

予測不能な展開がもたらす一筋の光

最悪の事態を覚悟した直後に訪れた、あまりにもシュールで穏やかな光景。それは、深い闇の中に差し込んだ、細く、しかし確かな一筋の光だったのかもしれない。

「本当にびっくりしました。まさか私たちにそんな風に接してくれる人がいるなんて思っていませんでした。」

この理解不能な出来事が、固く閉ざされた彼女の心をこじ開ける、最初のきっかけとなったのだ。

👉【次話を読む】「そいつどこだー!」電車の中、大声を出すサラリーマン。場の空気が一変

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