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下の階の住人の行動は、結衣さん一家の日常生活を大きく制限するようになっていた。浩二さんが休みの日は、洗濯機を回すことすらできない。洗濯機の音がするたびに「ドンドン」と叩かれたり、叫ばれたりするからだ。
休みではない日も、健太さんが帰宅すると、陽太くんのハイハイは禁止に。ハイハイするたびに「ドンドン」と音が響き、叫び声が聞こえるため、結衣さんは陽太くんをずっとおんぶしていなければならなかった。健太さんの帰宅が遅いため、その時間は1時間程度ではあるが、それでも幼い息子に自由に動き回らせてあげられないことに、結衣さんの心は深く傷ついた。
これらの状況に耐えかねた結衣さんは、大家である父に相談した。しかし、父からの返答は
「管理会社にも報告済みだし、契約解除も法的にできないらしい…」
という、絶望的なものだった。
法的な手段も限られ、実の父ですら助けられないという現実に、結衣さんは深い孤立感を味わっていた。彼女の心は、もはや限界に達していた―――。 ※1
自分の家なのに、安心して過ごせない
洗濯物もハイハイも禁止だなんて…。ここまで他人に生活を制限されるのは、おかしいですよね。ですが、結衣さんはできるだけ静かに過ごすしか、ありませんでした。
大家である父ですら、解決できない状況に、結衣さんの心身は追い込まれる一方です。
もう、引っ越すしかない?
実家の隣というこの場所は、彼女にとって最高の環境だったはずだ。両親とも、そして陽太くんとも離れたくない。特に、今ぐずぐず期に入っている陽太くんをワンオペで見られるかという不安も大きい。だが、もはや状況は彼女の意志を許さなかった。結衣さんは、諦めざるを得ないと悟っていた。
この1ヶ月間、眠れない日々を過ごし、幼い陽太くんにハイハイを我慢させ、梅雨の時期の貴重な晴れの日に洗濯機を回せない生活を強いられるのは、本当に耐え難い。実家に避難することも、事情があって泊まりができないため不可能だった。結衣さんは、完全に孤立無援の状況に追い込まれていた。 ※2
避難できる場所も、頼れる人もいないという状況は、本当にツラいですね。幼い息子を抱え、結衣さんはどれほど孤独だったことでしょう。
しかし、ある日突然、思いがけないかたちで騒音トラブルから解放されます。
急展開!ようやく取り戻した日常
下の階の住人が帰ってくる音がすると、どんなに楽しいことをしていても急にイライラしたり、動悸がしたりする。常に胸騒ぎがし、心が休まることはなかった。この状況で、どうすればいいのか。引っ越しまでの期間、ただ我慢するしかないのだろうか…。
そんなある日、父からの着信があった。父の声は明るく弾んで聞こえた。「田中さんが、引っ越しするっていうんだよ!」まさかのことだった。
「え、うちがうるさいから?」思わず聞いた結衣さんだったが、どうやらそうではないらしい。父によると、実家のご両親の体調がよくないため、急遽地元に戻ることになったのだそうだ。
「しばらく親御さんの様子のことでご兄弟と揉めてたそうでな。それでイライラしてたって。結衣にも悪かったって言ってたぞ」
事態は意外な結末を迎え、結衣さんはあっけにとられるばかりだった。その週の日曜日、引っ越しトラックがやってきて田中さんは引っ越した。「悪かった」と父に語ったというわりには、引っ越しの挨拶などはなかった。しかし、結衣さんはそんなことは気にならなかったという。
急な展開により、日常には穏やかさが戻った。家で元気にハイハイをするわが子を見て、結衣さんと夫・健太さんは胸をなでおろす。どこか他人事だと思っていた騒音トラブルだったが、いつ自分が当事者になるかわからないと改めて認識したできごとだった。 ※3
結衣さんは、もう引っ越しをするしかないと考えていました。ところが突然、階下の住人・田中さんが先に引っ越すことに。急な展開でしたが、結衣さんはようやく騒音トラブルから解放され、平穏な日常を取り戻すことができました。
本作では、アパートの下の階の住人から、執拗な騒音トラブルに悩まされた様子が描かれています。普段の生活音を「騒音だ」と決めつけられ、嫌がらせを受けたら…。誰だって、心身ともに追い込まれてしまうものです。
結衣さんは、ただただ我慢をし、やり過ごしますが、異常なまでのトラブルに巻き込まれた場合、警察に相談するこもと必要ですね。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










