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🔴【第1話から読む】占いにのめりこむ友人、学生時代に覚えた“最初の違和感”|占いに依存しすぎた友人
親友のまゆみとの関係を終わらせる決意をした主人公。子どもの誕生で価値観が変わった今、占いに人生を委ねるまゆみの言動を理解できず、二人の間には溝が深まっていきます。
親友との決別
たかととの相談の後、私は一つの決断をした。まゆみとの関係を、フェードアウトさせること。それは、私にとって、とても苦しい選択だった。長年の親友を、自ら遠ざけるなんて、想像もしていなかったから。
でも、今の私には、それしか方法がないように思えた。人の価値観はそれぞれ違う。それは頭では理解しているつもりだけど、今のまゆみと私は、価値観があまりにも合わないのかもしれない。
私はメッセージで今の気持ちをはっきりと伝えた。
「占いはあくまで占いだよ。私は大事なことは自分で決めるし、大事なものは自分で守る。まゆみにもいつか分かったらいいね。それまで、バイバイ」
私は、まゆみにそう送って、スマホを置いた。きっと返信がくるだろうし、電話もくるだろう。けれど、これには当分返事をするつもりはない。
苦渋の決断。だけど、これでいい
まりが生まれて、私自身の生活や考え方も大きく変わった。子どもの安全や将来を一番に考えるようになった今、占いの結果に一喜一憂し、そのために人生の大きな決断を下すまゆみの姿は、どうしても理解できなかった。彼女の言動が、私には、とても危うく見えてしまった。
学生時代、動物占いで盛り上がったあのころのように、話題の一つとして、楽しみの一つとして、占いを捉えることができるようになったら、また、楽しく話ができるようになるかもしれない。
「いつか、まゆみの占いの結果に、『友人との仲直りのコツは、占いを辞めること』なんて出たらいいのに」 私は、たかとの前で、つい皮肉を口にしてしまった。たかとは、優しく私の肩を抱き寄せた。
「まゆみちゃんにも、いつかその時が来るんじゃないかな。いつか、自分で気付く日が」
彼の言葉は、私の心をそっと包み込んだ。それは、まゆみへの皮肉であると同時に、どうしようもない現状への、私自身の諦めにも似た気持ちだった。
いつか友人が気が付く日を願う
時間の流れと共に、それぞれの人生の選択や、価値観は変わっていく。そういうものなんだと受け入れるしかないのかもしれない。
まゆみは今も、例の神社通いを続けている。私との関係修復も、その神社で願をかけるのだろうか。
私は、これからも、まゆみのことを心配し続ける。でも、彼女が自分自身の足で立ち、自分自身の意思で人生を歩めるようになるまで、私は、そっと見守ることしかできない。そして、いつか、彼女が本当に困った時に、占いの言葉ではなく、私の言葉を求めてくれる日が来ることを、心のどこかで願っている。
🔴【第1話から読む】占いにのめりこむ友人、学生時代に覚えた“最初の違和感”|占いに依存しすぎた友人
あとがき:縁を繋ぎ直す、その日まで
この物語は、親友との関係を、自ら手放さざるを得なかった主人公の苦悩を描いています。大切な存在だからこそ、相手の誤った選択を止められないもどかしさや、価値観の違いを受け入れるしかない諦めは、読者の皆さんにも伝わったのではないでしょうか。
占いに依存し、自分を見失ってしまった親友が、いつか自分自身の足で歩み出すことを願う主人公。この作品を通して、人間関係における「見守る」ことの難しさや「諦め」の中にある希望を感じていただければ幸いです。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










