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🔴【第1話から読む】良きママ友と思っていた彼女に違和感…執着の始まりを感じた瞬間|ママ友に執着された親子
幼稚園外のママ友・理沙さんとの関係は順調に見えたが、子どものトラブルや雨の日の対応に小さな違和感を覚えるようになりました。その後も理沙さんの行動にはモヤモヤがつのります。
雨の日に届いた“赤の他人”の写真
理沙さんと子どもたちを遊ばせに公園に通う習慣は依然続いてはいるものの、私の理沙さんに対する違和感は拭えずにいました。雨が降ったあの日から、私の理沙さんに対する印象には影が差していたのです。
そんなこととはつゆ知らず、目の前の彼女は相変わらずの笑顔と穏やかな雰囲気で子どもたちや私に声をかける。息子の陽向も、そんな朗らかな雰囲気の彼女にいつしか懐いていて、その様子を見ると「違和感を抱いている私がいけないんじゃないか?」と考えるようになりました。
土砂降りの休日。いつもの公園遊びの予定は中止になり、家族でまったりおうち時間を過ごしていると、スマホの通知が鳴りました。ロック画面には理沙さんからの連絡を知らせる通知バッチが重ねて表示されています。私は彼女とのチャット画面を開き、中身を確認。するとそこには、1通のメッセージと数枚の写真が。写真には子どもと「稲葉」と表札のあるお家が写っていて、文章から察するに、その子のお家の写真でした。
「この子、来年一緒の幼稚園に入園するんだ!」
来年の入園を前に知り合いができたことへの嬉しさから送られてきたメッセージと写真。微笑ましさがありつつも、私はそれ以上の強い胸の引っ掛かりを感じていました。
写真の子は公園で何度かママさんと見かけていましたが、知り合いという関係ではありませんでした。つまり、私にとっては“赤の他人”なのです。その“赤の他人”にその子やその子の家の写真を送ってきている理沙さんに、私は拭えない強い違和感をまた感じていたのです。
湧き上がる違和感と「私が変なのかな?」という自分への疑い。矛盾する思いを抱えて重くなる気持ちは、より一層、心を曇らせていきました──。
公園で繰り返される距離感のずれ
後日、私はまた理沙さんと、子どもたちを連れて公園に遊びに来ていました。心なしか表情の引き攣りを感じる私とは裏腹に、普段と変わらぬ様子の彼女。
「ひなたくん!こっち〜」
「たくみくん、まって〜」
子どもたちが2人で遊び始める中、私たちはそばのベンチに腰かけ、いつものようにママ友トークを始めました。公園での理沙さんとの会話は、子育ての悩みや愚痴、そして来年の入園を控える彼女からの質問に私が答えることが中心でした。この日も同じような内容を話していたのですが、ひと段落すると何の気無しに彼女が話し始めました。
「そういえば、この前送った写真の子、“イナバ チカ”ちゃんって子なんだけどさ、お家も立派だったでしょ〜?」
送られてきた“赤の他人”の話を振られて、その瞬間、私は表情が強張りました。
「あ、そうでしたね〜。すごい大きくてびっくりしました……」
「でしょ〜?この前公園来た時に偶然お話する機会があってね。そしたら来年同じ園に入園するって聞いてさ〜」
同じ園に通う予定のママ友との出会いを嬉しそうに語る理沙さん。彼女の嬉しいという気持ちを素直に喜びきれない自分に、胸の奥がキュッと詰まる。
「話も弾んで近所って言うから、帰りも少し話しながら帰ったの。そしたらあのお家で、興奮しちゃって写真撮っちゃったの!誰かに共有したくてさ!」
その最後の一言に、心の中の私と彼女の間の距離がグンと離れるのを感じました。個人情報についての考えが、私とは全く違うことを突き付けられたのです。私は苦笑いしつつ「そうだったんだ」としか返す言葉が見つからず、続く彼女の話が遠くに聞こえていきました。
好奇心か執着か──向けられる視線
理沙さんとの「分かり合えない距離」を感じた矢先、彼女は私に質問しました。
「そういえば私、何だかんだ美咲さんについて全然知らないよね?お家ってどこら辺?旦那さんはどんなお仕事されてるの?」
目を輝かせて、身を乗り出しながら質問を投げかける彼女。その微笑んだ顔に私は、違和感を通り越して不気味さを感じるようになっていました。
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あとがき:すれ違う価値観と募る不安
第1話で芽生えた小さな違和感は、赤の他人の情報を“共有”される出来事を機に、より濃く、重く心に積もっていきました。子どもを通じて繋がる関係だからこそ、関係を絶ち切ることは難しい。その中で感じる「分かり合えない距離」と「不気味な執着」。それはまだ序章に過ぎず、美咲と理沙さんとの関係は、さらに深い不安の影を帯びていくのでした。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










