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🔴【第1話から読む】「休むやつはレギュラーにしない」他にも…息子が直面した強豪チームの驚愕ルール|独裁監督がいるスポ少
チームを続けるべきか否か、最終的な決断を下すために、主人公夫婦は息子ハルと話し合います。「サッカーが楽しい!」というハルの言葉は、親の迷いを断ち切り、子どもの気持ちを最優先するという大切な答えを導き出します。そして、ハルは家での自主練習を重ね、ついに大会でゴールを決め、監督からも称賛されるまでに成長します。
「今のサッカーチーム、楽しい?」…息子の答え
私は、夫と、そしてハルと、今後のことを話し合うことにしました。
「ハル、今のサッカーチーム、楽しい?」
私がそう尋ねると、ハルは笑顔でこう言います。
「うん!練習大変だけど、楽しいよ。みんなでサッカーできるのがいいよね」
ハルの言葉に、私は、胸が熱くなりました。そうだ。ハルは、サッカーが大好きで、みんなでサッカーができるのが、何よりも楽しいんだ。
夫は、ハルの頭を優しく撫でて、こう言いました。
「ハルがサッカーを楽しめるなら、それが一番大事だよな。でも、パパとママは厳しいスポーツチームで頑張った経験がないから、ハルを見ていると心配になることもある。ハル、もしつらくなったら、いつでもパパとママに言ってね」
ハルは
「大丈夫だよ、強くなるための練習だもん」
と笑った。この子はまだ小1なのに、ほんの数か月のスポーツ少年団での経験で、こんな気持ちになっていたのか…親よりも大人なのかもしれない。
なにより、ハルの「サッカーが楽しい!」という言葉は、私たち夫婦に、たくさんのことを教えてくれました。私たちが悩んでいたのは、チームのルールや、周りの親のことばかり。でも、一番大事なのは、ハルの気持ち。プレーするのは親ではなく子どもなのですから。
私と夫はそのあと話し合い、このチームで続けることにしました。また親として、ハルがサッカーを楽しめることが一番大事だという考えを再確認し、問題が出てきたらまた考えるということも共有できました。
監督の初めて見る、優しい笑顔
そして、ついに、ハルが初めての公式戦に出場する日が来ました。相手は、地域でも強いほうに入るチームです。試合が始まると、ハルは、これまでの練習の成果を発揮するかのように、何度もボールに絡んでいきました。周りの子たちに後れを取っていたハルが、今では、周りの子たちと遜色なく、ボールを追いかけています。
そして、試合の終盤。ハルは、相手ゴール前でボールを受け取ると、迷うことなくシュートを放ちました。ボールは、美しい放物線を描き、ゴールネットを揺らしました。
「ゴール!ハル、ゴールだよ!すごい!」
私は、思わず叫んでいました。周りの親たちも、ハルのゴールに歓声を上げていました。試合後、監督がハルに駆け寄ってきました。
「ハル、よくやった!今日のゴールは、お前の努力の成果だ。本当によく頑張ったな」
監督は、ハルの頭を優しく撫で、褒めてくれました。いつも厳しい監督の、初めて見る優しい表情、そしてまるで監督もサッカー少年のようにうれしそうな顔でした。
ハルは、このチームに入って、たくさん悩んだり、苦労したりしたけれど、その分、強くなりました。監督の指導には気になる点もありましたが、子どもへの愛はあるのだと再認識しました。ハルは、試合後、私に満面の笑みで言いました。
「またゴールを決められるように、またいっぱい練習しなくちゃ!」
私は、その笑顔を、もう二度と曇らせたくない、と心に誓いました。ハルの「サッカーが楽しい」という純粋な気持ちと、それに伴う努力と成長。この経験は、私たち家族にとって、かけがえのない宝物になりました。
これからも、私たちは、わが子の成長を信じ、見守り続けていこうと思います。
「また練習しなくちゃ!」…息子が教えてくれた“努力と成長の価値”
最終話では、ハルの言葉から親の迷いが消え、チームでの継続を決意します。そして、ハルが努力を重ね、試合でゴールを決め、監督に褒められるという成長が描かれます。この物語は、親の不安や葛藤ではなく、子どもの純粋な情熱を信じ、見守ることの大切さを伝えます。親子で共に成長する姿が、感動的なエピソードでした。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
イラスト:きさらぎ










