🔴【第1話から読む】「旦那さん、稼ぎ悪いの?」→失礼すぎる!新居の近くに住む“不穏なボスママ”|近所のヤバいママ
引っ越してきたばかりの主人公・みのりは、ご近所さんの中村さんと交流するが、近隣で恐れられる“ボスママ”東城さんから目をつけられ、不安を抱き始めていた。ある事件を目にし、その恐怖は現実味を帯びる―――。
助けたい気持ちと不安
憧れのマイホームに引っ越してきて、気の合うご近所の中村さんにも出会えた矢先、“ボスママ”の東城さんの存在が、私の平穏をじわじわと蝕んでいた。東城さんは中村さんの何が気に入らないのか、わざとゴミの中をのぞいたり、夫婦が不仲だという噂を流したりしているみたい。
中村さんが東城さんにゴミのことで絡まれていた数日後、中村さんに声をかけてみた。
「中村さん、その、先日は大変でしたよね……」
「気にかけてくれてありがとう。ただ、普通に暮らしたいだけなのに、何が気に入らないのかわからないの」
その表情は限界に近づいていた。しかし、東城さんの行動はまだエスカレートしていた。ある日の買い物帰り、路地裏にいる東城さんを見てしまったのだ。視線の先はなんと、中村さんの敷地内だった。
東城さんは、明らかに中村さん宅を監視している。この日以降、何度も執拗に中村さんの家の前を往復する東城さんの姿を見た。他の住民も気にしているようだったが、東城さんに盾つく人はいなかった。
膨らむ噂と限界
そんな状況に追い詰められ、中村さんは玄関前に、小さな監視カメラを設置した。
「これで少しは…安心できるかもと思って」
ポツリとつぶやく中村さん。けれど、それは火に油を注ぐ結果となったようだ。
翌朝、ゴミ捨てに外に出ると東城さんがまた中村さんに絡んでいた。
「監視カメラつけたのね?最近物騒ですもんね~」
「はい…」
「中村さんの不在中に、旦那さんが女性を家に連れ込んでいるんでしょう?気の毒よね~」
もちろんそんな話を中村さんから聞いたことはないし、東城さんのでっちあげだと思う。でも、東城さんがわざと大きめの声で言うので、ゴミを出しにきた近所の人はギョッとした表情を浮かべていた。
周囲に人がいる状態でウソを言ってにやりと笑うその顔は、まるで中村さんの反応を楽しむようで不快だった。
「ち、違います……そんな……」
中村さんはくちびるを噛みしめ、その後足早に家に帰っていった。私は東城さんと目を合わせないようにさっとゴミを捨て、急ぎ足で家に帰って中村さんにメッセージを送った。
「あれはひどいですよね、中村さんのご主人がそんなことするわけないのに」
「ありがとう。あんなこと言われる義理がないのに、意味不明。もう限界かも…」
追い出されるように
それから数日後。中村さんの家の前に、大きなトラックが静かに停まっていた。
「中村さん……これって?」
「引っ越すことにしたの。とはいえまだすぐに家が決まらないから、まずは実家に荷物を運んで、ゆっくりしようと思ってる」
そう言って笑った彼女の目は、もう泣き疲れていた。
「え!中村さんお引越し~?寂しくなっちゃうわ」
自宅の門から大きな声で話しかけてくる東城さん。その目は寂しいどころか笑っていた。
「中村さんと仲良しの佐藤さんは、もっとさみしいでしょうね~」
その言葉で「もしかしたら次は私が標的かも」と感じ、背筋が寒くなる。中村さんを乗せたトラックゆっくりと角を曲がり、見えなくなる。その後ろ姿に、私はただ祈ることしかできなかった。
(中村さんに平和が訪れますように…)
夢のマイホームでの穏やかな新生活だったはずが、いつの間にか恐怖に怯える生活へと変わっていた。
(私は負けない、絶対ここでの暮らしを守りたい…)
日が落ちつつも、まだ街灯が灯らない街の暗がりの中で、私は決意だけを胸に灯した―――。
🔴【続きを読む】カーテンの隙間から見えたのは「ママ友の目」→親子で背筋が凍った【監視の恐怖】|近所のヤバいママ
あとがき:奪われた日常、残された恐怖
第1話では“違和感”だったボスママの存在が、この第2話でははっきりと“恐怖”へと変わります。家族を守りたいだけの普通の主婦が、周囲の視線と噂によって街を追われてしまう。噂は目に見えないのに、人を深く傷つけ、生活を奪ってしまうものです。
中村さんが去ったことで、主人公の逃げ道はひとつ消えてしまいました。次は誰が―――その答えは、もう主人公の目の前に迫っています。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










