主人公・みつきは育児の合間に難関資格に一発合格。昨年落ちた義妹・さおりも同じタイミングで合格するが、みつきがSNSにつづった合格報告の一文が、さおりの強いプライドを刺激。静かな「おめでとう」の裏で、彼女の心には激しい嫉妬のマグマが煮えたぎっていました―――。
私と義妹の間で起きたできごと
これは、私の夫の妹、つまり義妹との間で起きた、とても理不尽な…でもどこか共感してもらえるかもしれないお話です。
私の名前はみつき・30歳。夫の和也は32歳、そしてかわいい2歳の娘・さくらがいます。私の日常は、どこにでもいる普通の主婦の1日です。朝起きて、さくらの世話をして、和也を送り出し、家事の合間に少しだけ自分の時間を持つ。穏やかで、幸せな日々を送っているつもりでした。
義妹・さおりちゃんも私と同い年の30歳。独身で、都心の企業でバリバリ働くキャリアウーマンです。彼女はいつもピシッとしていて、誰に対しても礼儀正しいけれど、時折「ちょっとプライド高そうだな~」と思うことがありました。
夫も「さおりは昔から負けず嫌いだから」と言っていたことがあります。でも私は彼女と張り合うような立場でもないので、特に気にしたことはありませんでした。
育児と両立して頑張った試験勉強
「みつき、さおりが今年この資格受けるらしいんだけど、みつきにも役立つんじゃない?」
数か月前、和也がそう言ってきたのが、全ての始まりだったかもしれません。その資格は、私が近々仕事を始めたい中でも役立ちそうなものだったので、なんとかチャレンジしようと思いました。主婦の期間がある分、しっかりアピールできる資格が欲しかったんです。
とはいえ、育児と家事と両立しての勉強は本当に大変で、さくらが寝静まった深夜だけが、私にとっての戦いの時間でした。さおりちゃんは昨年もこの資格にチャレンジしたものの残念な結果で、今年は必死に勉強していると和也から聞きました。お互いに頑張らなきゃと思ったのを覚えています。
そして迎えた合格発表の日。私は自分の番号を見つけた瞬間、思わず声を上げてしまいました。一発合格。喜びのあまり、すぐに和也に電話をしました。
「受かった!受かったよ~!」
和也もすごく喜んでくれました。
その日の午後、夫から私の合格を聞いたさおりちゃんから短いメッセージが届きました。
「私も合格したよ。おめでとう、みつきさん」
簡潔なメッセージに、私はすぐに「さおりちゃんもおめでとう!一緒に受かってうれしいね!」と返しました。お互いに合格できてよかったなという、純粋な気持ちでした。
うれしくて投稿したSNS
私はその夜、私の資格挑戦を知って応援してくれていたママ友たちへの報告も兼ねて、SNSに写真を添えて投稿しました。
「育児の合間に頑張って、念願の一発合格!」という言葉を添えて。
ただ、自分の努力を、自分の喜びを、素直に表現したかっただけなんです。このSNSはさおりちゃんも見ているものでしたが、さおりちゃんも合格していたことを知っていたので問題ないと思いました。
まさか、この一文がさおりちゃんのプライドを刺激して怒らせてしまうなんて、まったく予想していなかったのです―――。
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あとがき:プライドを焦がす「一発合格」
この物語の始まりは、女性なら誰もが経験しうる「比較」の苦しみです。主人公のみつきは自分の努力を素直に喜んだだけ。
しかし、さおりのように「誰かと比べて優位に立たないと満たされない」という高いプライドを持つ人にとって、その投稿は嫉妬心を生んでしまったようです。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










