🔴【第1話から読む】資格合格に「おめでとう」→義妹の短いお祝いに隠されていた“静かなマグマ”|プライドが高すぎる義妹
資格合格を報告したみつきのSNSに「優越感に浸るな」という匿名のコメントがつきます。直後、夫・和也の元に義妹さおりから電話が入り、その内容からさおりによる投稿だと推察できました。投稿内容を削除するか悩んだみつきが出した結論は…?
合格の余韻に浸っていた夜のできごと
合格発表の夜は、久しぶりにゆっくり眠れるはずでした。さくらを寝かしつけ、和也と2人で晩酌しながら合格の余韻に浸っていた、静かな夜21時過ぎ。和也が私のSNSを見て怪訝な表情を浮かべました。
「なんだこのコメント…」
覗き込むと、私の合格投稿に、1つだけ異様なコメントがついていました。それはフォロワーもフォローしている人も誰もいない、いわゆる捨てアカウントみたいなアカウントからでした。
「育児しながら合格したからドヤってるの?優越感に浸りたいだけの投稿って見苦しい」
心臓が凍り付きました。匿名のコメントですが、直感で「知り合いからだ」と思いました。
悪意のコメントの主は…
直後、今度は和也のスマホが鳴ります。発信元は義妹・さおりちゃん。和也は何かピンときたのか「ちょっと話してくる」とベランダに出て戸を閉めました。少し経つと何か言い争うような声が聞こえてきます。
「みつきは別に、さおりを意識して書いたわけじゃないだろ?」
「あのコメントもさおりだろ?つまんないことすんじゃねえよ」
和也の話から、あのコメントもさおりちゃんからなのかもしれないと思いました。でも、さおりちゃんも合格したのになぜ…?
しばらくして、和也が青い顔をして部屋に戻ってきました。
「みつき、ごめん」
「あのコメント、さおりちゃんなの?」
「俺が内容言ってないのになんて書いてあったか知ってたから、かなり怪しいと思う」
「そう…」
それにしてもなぜさおりちゃんが私の合格でそんなに怒るのか、私には理解できません。
義妹のプライドを傷つけてしまった私
和也は深く息を吐きました。
「さおり的には『育児の合間に一発合格』って部分が、さおりは育児もしてないのに1回落ちてるのをバカにしてるっていうんだよ」
「そんな…」
言葉が出ませんでした。
「匿名の誹謗中傷するなんて卑怯だろって言ったら、一方的に電話切られたよ」
さおりちゃんがそんな風に受け取っていたなんて。
私は一瞬、投稿を削除しようかと思いました。「いやな思いさせてごめんなさい」と謝って投稿を消してしまえば、こんなに面倒ないざこざをすぐに終わらせられるかもしれません。
「どうする?あんなコメントついた投稿さ…」
和也は暗に、投稿を削除するか聞いてきたんだと思います。でも私は少し考えて思い直して
「消さない」
と答えました。和也は普段平和主義な私の発言に驚いたような表情を見せました。
「私の努力の結果なのは事実なんだから消さない。今回は謝罪も、へりくだった態度も取りたくないよ」
静かな夜に、私の心は強くあろうとしていました。頑張った自分を否定したくなかったのです。
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あとがき:「卑怯」な攻撃と決然たる反撃
SNSでの匿名攻撃は、現実では誰もが直面しうる恐怖です。
しかし、みつきは努力の成果を理不尽な嫉妬で消すわけにはいかない、という決意をしました。非常に共感できる「自己肯定感の表明」です。みつきの静かな強さが、さおりの行動にどう影響するのか、注目したくなるエピソードでした。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










