健太がFXを始めて数ヶ月が経ちましたが、最初の高揚感は消え、彼は投資について何も話さなくなりました。朋美は、彼がもう飽きてしまったのだろうと思っていました。しかし、子ども手当を貯蓄口座に移そうとしたとき、その残高が目に留まります。本来あるべき金額と比べて、明らかに不足している貯金。その直感は最悪の予感を裏切りませんでした。
🔴【第1話から読む】「家族のため」のFX。専業主婦が夫に数十万円の貯金を託した夜|夫がFXで家計を崩壊させた話
銀行で見た「通帳の異変」。ごっそり消えていた100万円の貯金
健太がFXを始めて数ヶ月経つと、以前のように「利益が出た」といった報告は一切なくなりました。朋美は、難しい投資に飽きて、もうやめたのだろうと思っていました。
ある日、子ども手当を貯蓄口座に移そうと、銀行の通帳を記帳したときのことです。朋美は自分の目を疑いました。通帳の残高が、どう考えてもおかしいのです。直感で計算してみると、100万円もの大金が、貯金からごっそりと消えていました。
「まさか…」
朋美の頭の中で、最初に浮かんだのは健太の顔でした。彼は、投資を始めてから、以前にも増して落ち着きがなく、どこか上の空なことが多かったのです。家に帰ってきた健太に、朋美は通帳を突きつけ、事の真相を問いただしました。健太は顔面蒼白になり、最初は口ごもっていましたが、朋美のただならぬ様子に観念したように白状しました。
「ごめん…FXで大きな損失が出てしまって。どうしても取り戻したくて、家の貯金に手をつけちゃった」
「どうしても取り戻したくて…」泣きながら白状した夫の裏切り
健太は泣きながら、「本当にバカだった、魔が刺したんだ」と反省の言葉を述べました。あの時約束した「生活資金には絶対に手を出さない」というルールは、あっけなく破られていたのです。
家族の生活を守るための貯金が、たった一人の身勝手な行動で100万円も消えていたという事実に、朋美はショックで体が震えました。このお金は、子どもの進学や、急な病気に備えて、必死で貯めてきたものなのです。
「お願いだ、許してくれ。すぐにやめるから。本当にごめん…」
泣いて謝る健太を見て、朋美は怒りを通り越して、目の前が真っ暗になりました。
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「許してくれ」と懇願する夫。壊れた信頼は修復できるのか
この第2話では、夫の裏切りと無責任さが明らかになります。健太は、最初の「数十万円」というルールを破り、損失を補填するために家族の貯金に手を出しました。彼が泣いて反省する姿は、依存的な行動をとる人の典型です。
朋美さんは、彼の謝罪の言葉を受け止めつつも、お金の計算を任せていたという自身の失敗を痛感しました。この事件を機に、朋美さんは家計の管理権を握ることを決意します。
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