主婦さやか(30)は、高校時代の友人・聡子とSNSで再会し、子どもの年が近いことから徐々に親密に。しかし、聡子の投稿はいわゆる「自然派」など、少々強めの思想に傾倒していることがわかります。しばらくすると、市販品のお菓子や予防接種の投稿に対し、聡子からの否定的なDMが始まって…。
最近の困りごと
私はさやか(30)。主婦で、2歳になる長男るいと、夫の満(31)との3人暮らしです。性格はどちらかというと流されやすく、人付き合いは穏便に済ませたいタイプ。
大切な息子・るいの育児については、もちろん愛情たっぷりだけど、そこまでこだわりが強いわけじゃなくて、便利なものはどんどん取り入れる、ごく普通の現代のママです。
そんな私が最近、ちょっと、いや、かなり困っている相手がいます。それが、高校時代からの友人である聡子(30)のこと。
聡子とは、高校時代はクラスが一緒で仲が良かったのですが、卒業して大学に入ってからは自然と疎遠になっていて。でも、数年前にSNSを通じて偶然再会できたんです。
お互いに同世代の子どもがいることもあって、「いいね」とかメッセージのやり取りをする関係として楽しんでいました。
るいが生まれてすぐのころは、子育ての悩みを共有し合ったりして、また親密な友達になれたのがうれしかったです。ただ、るいが1歳を過ぎたころからかな。聡子のSNSの投稿が少しずつ、これまでとは違う雰囲気をまといはじめたのです。
意識が高いママ友の投稿
最初は「体に優しい手作りチョコクリームを作りました」「味噌も手作りしちゃおう」とか、ちょっと意識高めで、自然のものが好きなタイプの人の投稿だなっていうくらいだったんだけど、徐々にその内容が「現代医療への疑問」とか「市販品の危険性」みたいな、少し過激なものになっていって。
「あれ?なんかちょっと変わった?」って思い始めたころ、ある日、聡子の投稿に付いているハッシュタグをじっくり見てみたら、そこに「#自然派」「#ノーワクチン」「#真実を知る」という文字が。ちょっと私とは違う価値観かなと思いました。
いわゆる「自然派」という考え方は否定しません。私も無農薬の野菜を選んだり、添加物を気にしたりすることはあります。それは、みんな同じじゃないでしょうか?でも、聡子の場合は、それを信念として、投稿の端々から「それ以外の選択は間違っている」っていう強いメッセージを感じるのです…。
SNSにもダメ出しがくる
そして、その強い信念が、ついに私の日常にも押し寄せてきました。
SNSのストーリーに、るいが楽しそうに市販のお菓子を食べている写真を上げたり、小児科で予防接種を済ませた報告をしたりすると、すぐに聡子からダイレクトメッセージが届くようになった。
最初は、「さやかちゃん、るいくんかわいいね。でも、そのお菓子、裏の成分表示見た?あれは毒だよ。大事な子どもの体に、そんなもの入れちゃダメだよ」って、ちょっと心配してくれている体裁だったんだけど、すぐにその内容はエスカレートしていきました。
昔からの友達だから、波風立てたくなくて、SNSのフォローは外せないまま。
その結果、私は毎日、るいの成長の喜びを投稿するたびに、聡子からの「指導」を待つ羽目になってしまいました。自分の選んでいる育児が、根本から否定されているみたいで、本当に困っていたんです―――。
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あとがき:友情の影に潜む「正しさの強要」
昔の友達との再会は喜びでしたが、聡子さんの変貌はさやかさんの日常を蝕み始めます。自分の育児を否定される辛さに加え、さやかさんが波風を立てたくない性格であるため、問題が深刻化します。
聡子さんは悪意ではなく「るいのため」という信念で行動しているため、拒絶することが難しいのがこの状況の最大の問題です。「毒だよ」という言葉は、さやかさんの良心に突き刺さり、自己肯定感を少しずつ削っていく、序章として非常に苦しい展開です。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










