🔴【第1話から読む】2年間にも渡り「不倫をしていた」→夫から突然の自白、崩れ落ちる信頼|不倫相手に脅された夫
義実家での裁きを受け入れた勝昭は、不倫相手との別れを決行し、家庭に尽くすことを決意。家事育児に献身的に取り組み、償いの姿勢を示す。千佳子の心の傷はすぐには癒えないが、彼の覚悟を前にして心境に変化があり―――。
心を入れ替える決意をした夫
義実家での説教は、勝昭にとって文字通り「鉄槌」だった。勝昭は義両親の裁きを、全て素直に受け入れた。義実家から帰宅した後、彼は私に深く、深く頭を下げた。
「千佳子、本当にごめん。父さんと母さんの言う通りだった。俺は脅しを恐れている場合じゃない。千佳子への償いを考えるべきだった。すべて覚悟したから、すぐに相手との関係を断つよ」
その後、勝昭は不倫相手に連絡を取り、妻には自白したこと、職場への暴露も自分が責任を取る覚悟があると伝えて、きっぱり別れを告げたという。勝昭の変化に気圧されたのか、妻に自白されたことで私からの慰謝料請求を恐れたのか、女は連絡をしてこなくなった。結局、職場にバラされることもなかったようだ。
私は慰謝料請求を検討できる立場ではあったけれど、相手も既婚であることを考えるとこれ以上泥沼化させたくないと思い、慰謝料請求はやめた。勝昭が家族に尽くしてくれるなら、それが一番だと思ったから。
夫から感じる家族への愛情
あの義両親のお説教を機に、勝昭の生活は一変した。
彼はこれまで以上に仕事に精を出すようになり、家庭では家事も育児も積極的に取り組んでくれる。
「千佳子は疲れてるだろうから、律のお風呂は僕が入れるよ」
「洗濯物、畳んでおくよ。君は少しでも横になって」
律を抱くその背中からは、彼がどれほど私たち家族を大切に思っているかが伝わってくる。義両親からは時折私宛に、勝昭の様子を尋ねる連絡がくる。
「サボっていたらすぐに言ってね、お灸をすえるからね」
「次に千佳子ちゃんを泣かせたら承知しない。勝昭のそばにいてくれてありがとう」
義両親も一緒になって、私たちの再構築をサポートしてくれている。私はあの日からなかなか笑えなくなっていたけれど、こうしたサポートをうけて、だんだんと笑顔が増えてきた。
簡単には癒えない。だけど、少しずつでも進んでいけたら…
もちろん、2年にも渡った不倫による心の傷がすぐに癒えるわけではない。夜中にふと目が覚めると、不倫の事実が頭をよぎり、涙が出ることもある。そんな時、勝昭は私の隣に座り、私の手を握り、静かに言う。
「本当にごめん。千佳子が俺を許す必要はないよ。俺は毎日、千佳子と律だけを思って生きていくから」
勝昭の言葉には、以前のどこか甘えていた部分がなくなり、覚悟と責任感が見られるようになった。
いつか、本当に心から笑い合って、過去の傷を乗り越えられたと実感できる日が来るまで、私はとことん勝昭に反省をしてもらうつもりだ。彼の努力する姿を見ながら、私も少しずつ、彼を受け入れる努力を続けている。
結婚してからずっと不倫されていた事実はつらいけれど、不倫が終わった今、私たち夫婦は今、ようやく本当のスタートラインに立ったのかもしれない。
🔴【第1話から読む】2年間にも渡り「不倫をしていた」→夫から突然の自白、崩れ落ちる信頼|不倫相手に脅された夫
あとがき:愛の再定義と償いの重み
勝昭の償いの行動は、言葉だけではなく、時間と疲労という具体的な「重み」を伴っています。努力する夫の姿は、千佳子に少しずつ希望を与えます。傷は簡単には消えませんが、千佳子が「許す」ではなく「受け入れる」と表現したことは、彼女が感情を乗り越え、現実的な未来を見据え始めた証拠です。この夫婦の物語は、傷を乗り越えて「愛」を再定義する、真のスタートを切りました。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










