かつては穏やかだった親族づきあい
私は夫の和也と、3歳になる娘の陽菜と3人で、穏やかな毎日を過ごしていました。
住まいは義実家から車で30分ほどの距離にあり、つかず離れずの程よい距離感だと思っていました。週末には陽菜を連れて義実家に顔を出し、義両親に孫の顔を見せるのが恒例で、そこには同じく近所に住む義兄の健一さんと、その妻の真由美さん夫婦もよく集まっていました。
真由美さんは教育熱心で、少しプライドが高いところもありましたが、親戚としては至って良好な関係を築いているつもりでした。しかし、ある夏の午後の電話が、その平穏な空気を一変させたのです。
「美咲ちゃん、今、ちょっといいかしら……」
真由美さんの声は、今にも消え入りそうなほど震えていました。普段、毅然としている彼女からは想像もつかない弱々しさに、私は胸がざわつきました。
「どうしたんですか、真由美さん。何かあったんですか?」
「実はね、私のSNSに、知らないアカウントから変なメッセージが届くようになったの……。最初は一通だけだったんだけど、今は毎日…」
真由美さんの話では、彼女が日常を綴っているSNSに、捨てアカウントと思われる人物から執拗な中傷が届くようになったというのです。
「内容はうちの子の悪口なの。『あんな生意気な顔、見てるだけでイライラする』とか、『親の欲を押し付けて習い事ばかりさせて、子どもが可哀想』なんて。うちが最近ピアノと英語を始めたことまで知ってるみたいで怖いのよ…」
家庭の内情を知る人物による「嫌がらせ」
同じ母親として、子どもの容姿を否定されたり、家庭の内情を覗き見られるような発言をされたりすることが、どれほどの恐怖か痛いほど分かりました。
「それは怖いですね……。絶対に許せません。警察やSNSの運営に相談した方がいいですよ。身の回りの安全も確保しないと」
私は自分のことのように憤り、真剣に彼女の話を聞きました。真由美さんは「美咲ちゃんに聞いてもらえて少し楽になったわ」と言って電話を切りました。
その時の私は、彼女の猜疑心の矛先が、すでに私の方へ向き始めていることなど、夢にも思っていませんでした。彼女は犯人を「身近な、事情をよく知る誰か」だと決めつけ、その候補を無意識に絞り込んでいたのです―――。
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あとがき
SNSという顔の見えない場所からの攻撃は、人の心を疑心暗鬼にさせます。真由美さんの恐怖は本物でしたが、その「恐怖」が身近な人間関係を侵食し始める序章となってしまいました。善意で相談に乗ったはずの美咲さんが、皮肉にも最初の「ターゲット候補」に選ばれてしまう展開に、胸が締め付けられます。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










