🔴【第1話から読む】階下の住民の態度に【異変】→子持ちに理解を示していた老夫婦が気になる|分譲マンションで騒音トラブル
引越し当日、千鶴は手紙と菓子折りを持ち、最後のお詫びへ。わだかまりを残しつつも穏やかに別れ、新居での生活が始まる。庭を駆け回る息子の姿を見ながら、千鶴は誰にも怯えなくていい暮らしをかみしめます。
菓子折りを手紙を持って挨拶へ
引っ越し当日。 トラックに荷物が積み込まれていくのを見ながら、私は最後の仕上げをしました。用意したのは、老夫婦が好みそうな、地元で有名な和菓子屋の詰め合わせ。
それから、一通の手紙です。手紙には、これまでの騒音に対する心からのお詫びと、自分たちなりに対策はしていたけれど至らなかったこと、そして本日をもって退去することを書きました。
【ピンポーン】
わたしと夫は、下の階のチャイムを鳴らしました。
これがきっとお互いの最善だった
出てきたのはご主人でした。
「……あ、6階の……」
「お忙しいところ、申し訳ございません。本日をもって引っ越しをすることになりました。これまで、私たち家族の足音や配慮不足でご迷惑をおかけしましたこと、お詫びさせてください。これは、ほんの気持ちですが……」
手渡した菓子折りを受け取ったご主人の顔に、驚きの色が浮かびました。
「引っ越し……そうですか」
奥から奥様も顔を出しました。引っ越しという言葉を聞いて、驚きと少しの安堵を覚えたような表情に見えました。
「……こちらこそ、きつく言ってしまって悪かったですね」
奥様が小さく呟きました。
「いいえ、私たちの配慮が足りませんでした。本当に、ありがとうございました」
最後は、お互いに笑顔とは言えませんが、穏やかな空気で別れることができました。
笑顔溢れる新しい生活
その日から、新しい一戸建てでの生活が始まりました。
「しゅしゅしゅー!にんじゃ参上!」
俊也がリビングから廊下へ、そして庭へと駆け出します。
「俊也、走っちゃダメ……なんて言わなくていいんだよね、もう」
私は窓を開け、大きく深呼吸をしました。マンションの時は、音が下に響くことを恐れて、窓を開けることすらためらっていました。 でも今は、俊也の笑い声も、おもちゃを落とす音も、すべてが「生活の音」として心地よく響きます。
「千鶴、見て。俊也、あんなに楽しそうだよ」
篤郎が、庭で走り回る息子を見て目を細めました。
「うん。……私たち、間違ってなかったよね」
「あのマンションでの経験があったから、この家のありがたみが分かる。自分たちで責任を取って住環境を変えるのが一番だったと思うよ」
今、私は心から笑えます。 誰の目も、誰の耳も気にせず、家族の時間を大切にできる幸せ。 クレームに怯えていた日々は、もう遠い過去のことのように思えます。
「さあ、俊也!今日はハンバーグよ!キッチンまで競争だ!」
「わーい!いちばーん!」
ドスドスと力強い足音が響きます。それは、家族が自由を手に入れた、歓喜のステップでした。
🔴【第1話から読む】階下の住民の態度に【異変】→子持ちに理解を示していた老夫婦が気になる|分譲マンションで騒音トラブル
あとがき:響き渡る足音は、家族の幸せの鼓動
ついに手に入れた、心から深呼吸できる暮らし。ラストの「キッチンまで競争だ!」という言葉に、肩の荷が下りるような解放感を感じます。騒音トラブルに正解はありませんが、自ら環境を変える選択をした彼女たちは、法的・道義的な責任を立派に果たしたと言えるでしょう。
ドスドスと響く足音が「騒音」ではなく「歓喜のステップ」に変わった瞬間、物語は最高のハッピーエンドを迎えます。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










