シズカ(27歳)は夫のタケルと3歳の長女、円佳と暮らす専業主婦。そんなシズカには、心から信頼できる親友がいました。中学校からの付き合いになる「リサ」です。リサとは、お互いに結婚してからも定期的に会っていました。リサが離婚し、シングルマザーとなってからも、変わらず続いていた2人の関係…。そんなある日、リサからの報告にシズカは胸騒ぎを覚えます。
恋愛体質なシングルマザーの親友
「ママ〜!お絵描きしよう」
娘・円佳(マドカ)の元気な声で、私はいつもの朝を迎える。食卓には、タケルが淹れてくれた温かいコーヒー。この穏やかな日常が、私にとって一番の宝物だ。
「うん、いいよー。何描く?」
クレヨンとスケッチブックを広げながら、ふと、リサのことを考えた。
「リサ」とは、中学のころからの付き合いで、お互い結婚して子どもができてからも、月に一度か二度、必ず会うくらいには仲良し。カフェでおしゃべりをしたり、子どもたちを連れて公園に行ったり…。
くだらない話から、将来の不安まで…何でも打ち明けられる存在。私にとって、リサはもう家族みたいなものだ。
私とは正反対のタイプのリサ。明るくて社交的で、周りを惹きつける魅力がある。でも、少しばかり恋愛体質なところがあって、それがたまに心配になることもある。彼女は、娘が生まれてすぐに離婚して、シングルマザーになった。大変なことも多いだろうに、いつも笑顔で、前向きで…。そんなリサを、心から尊敬していた。
親友との時間は大切な気分転換
ある日、リサからLINEが届いた。リサからの誘いは、いつも私をホッとさせてくれる。彼女との時間は、私にとって大切な気分転換だ。
©︎ママリ
リサと会う約束をして、少しだけ胸が弾んだ。彼女と話せば、きっとまた元気をもらえる。そう思っていた…。
その日は、円佳を連れて約束のカフェへ。リサはすでに到着していて、娘のアイちゃんと楽しそうにおしゃべりをしていた。
「シズカ!こっちこっち!」
リサの笑顔は、いつものように輝いている。
「ごめんね、待たせた?」
「全然!円佳ちゃんも大きくなったねぇ。うちの子と遊んでるのを見ると、本当に癒やされる」
子どもたちは、すぐにキッズコーナーで遊び始めた。私たちはコーヒーを飲みながら、近況を語り合った。
親友の恋愛話に頭が真っ白に…
「最近どう?タケルさんも元気?」
「うん、相変わらず忙しそうだけどね。リサこそ、仕事と育児、大変じゃない?」
「まぁね。でも、なんとかなってるよ。それよりさ…私、最近、いい感じの人と出会っちゃった」
リサの言葉に、私は少しだけ胸騒ぎを覚えた。恋愛体質のリサのことだから、「彼氏ができた」と聞くのは初めてでない。でも、今回は何かいやな予感がした。
「そうなんだ…。どんな人?」私は平静を装ってたずねた。
「あのね、ユウスケさんって言うの。43歳で、ちょっと年上なんだけど…すごく紳士的で、仕事もできる人なんだ」
「へえ、43歳か…」
「うん。それがね、ちょっと問題があって…」
リサはそこで言葉を濁し、私は、いやな予感がした。
「問題って、何?」
「…ユウスケさん、結婚してるの」
その言葉を聞いた瞬間、私の心臓はドクンと大きく鳴って、頭の中が真っ白になるような感覚がした。
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あとがき:「親友」と呼べる関係
皆さんには、「親友」と呼べる人はいますか?学生時代からの付き合いは、大人になってからも、貴重な存在ですよね。社会人になってからの同僚やママ友とも、またちがった存在…。昔からの自分を知っているからこその、家族のような気の置けない関係。
「親友」は、社会に出て、さまざまな心の鎧をまとった大人にとって、素の自分をさらけ出せる安らぎの場所でもあります。
そんな関係が長く続いている、シズカとリサはとてもうらやましいですよね。お互いを大切に思い、尊敬しあってきたからこそ、こうした友人関係が続いてきたのだろうと思います。
ですが、そんな2人の関係にヒビが入ろうとしていました…。きっかけは、リサの「不倫」。親友を大切に思うがゆえの、リサの話を聞いたときのシズカの心の揺れが、大きく伝わってきますね。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
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