©suzukimiro
リーダーをやるのは順番的に自分だ——ゆみさんも薄々気づいていました。かつては出世したいと仕事に打ち込んでいたのに、今はなるべく周りに迷惑をかけないようにと働く毎日。そんな自分に、リーダーなんて務まるのだろうか。指名された瞬間、胸の奥で自信がどんどんしぼんでいくのを感じるのでした。
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昔の自分と今の自分を、つい比べてしまうゆみさん。あの頃のように全力で走りたい気持ちはあるのに、今は周りに迷惑をかけずに仕事をこなすことで精いっぱいです。
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気づけば、理想と現実のあいだでため息がこぼれてしまうゆみさん。終わっていない仕事が山ほどあるのに、プロジェクトリーダーなんて本当に務まるのだろうか——。不安は、時間が経つほど大きくなっていきました。そんなとき、部署で唯一の子持ちである課長がそっと声をかけてきます。「今回のリーダーは、ゆみさんが適任だと思うよ」課長のその言葉を聞いても、ゆみさんの胸のざわつきはまだ収まりません。
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幸せだと思える日々があれば、それで十分
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シングルマザーとして4歳の娘を育てるゆみさんは、仕事と育児に追われる日々のなかで、いつも娘を優先して過ごしています。朝は慌ただしく身支度を整え、気づけば自分のことは後まわし。それでも「娘の笑顔を守りたい」という思いを胸に、今日も前へ進んでいます。
しかし、周囲から「お母さん」としての役割ばかりを求められるなかで、自分という存在が薄れていくように感じることもあります。母である前に、1人の自分としての気持ちに戸惑う瞬間もあるのです。
また、周囲との違いにふと孤独を感じることも。家庭のかたちや環境は人それぞれだと分かっていても、自分だけが違う場所にいるように思えてしまう日もあります。
そんなゆみさんを支えているのは、娘の何気ない笑顔や優しさでした。与えているつもりでも、実はたくさんのものを受け取っていることに気づかされます。
比べなくていい、完璧でなくていい。今の自分なりの幸せを大切にしていいのだと、そっと背中を押してくれるお話です。
書籍『33歳という日々』(鈴木みろ/KADOKAWA)とは、高校の同級生だったエリ、このみ、ゆみの3人を主人公に、33歳になった彼女たちの「混じり合わないけれど地続きな日常」を描いた作品です。現在、1〜3巻が好評発売中。
鈴木みろ|Suzuki miro(@suzukimiro)さんのインスタグラム
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