©suzukimiro
お風呂に入っているとき、ゆみさんはふと「保育園の時間がもっと長くなったら寂しい?」と娘に聞きました。けれど返ってきたのは「寂しくないよ」というあっさりした答え。さらに「おばあちゃんのご飯のほうが好きだし」と無邪気に口にした娘に、ゆみさんは思わず黙っていられなくなりました。言葉が強くなる自分を止められなかったのです。
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娘に保育園の時間が長くなっても寂しくないかと聞くと、返ってきたのは「寂しくないよ」という予想外の答えでした。子どもの気持ちを第一に考えたいからこそ、きっと寂しいだろうと思っていたゆみさんは、少し寂しくなりました。
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娘は素直に「おばあちゃんのご飯のほうが好きだし」と言いました。その言葉に、ゆみさんは思わずカチンときてしまいます。自分だって娘のために一生懸命頑張っているのに——そう思うと、つい声を荒げてしまいました。案の定、娘は何も言えなくなり、浴室には気まずい静けさだけが流れました。
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幸せだと思える日々があれば、それで十分
シングルマザーとして4歳の娘を育てるゆみさんは、仕事と育児に追われる日々のなかで、いつも娘を優先して過ごしています。朝は慌ただしく身支度を整え、気づけば自分のことは後まわし。それでも「娘の笑顔を守りたい」という思いを胸に、今日も前へ進んでいます。
しかし、周囲から「お母さん」としての役割ばかりを求められるなかで、自分という存在が薄れていくように感じることもあります。母である前に、1人の自分としての気持ちに戸惑う瞬間もあるのです。
また、周囲との違いにふと孤独を感じることも。家庭のかたちや環境は人それぞれだと分かっていても、自分だけが違う場所にいるように思えてしまう日もあります。
そんなゆみさんを支えているのは、娘の何気ない笑顔や優しさでした。与えているつもりでも、実はたくさんのものを受け取っていることに気づかされます。
比べなくていい、完璧でなくていい。今の自分なりの幸せを大切にしていいのだと、そっと背中を押してくれるお話です。
書籍『33歳という日々』(鈴木みろ/KADOKAWA)とは、高校の同級生だったエリ、このみ、ゆみの3人を主人公に、33歳になった彼女たちの「混じり合わないけれど地続きな日常」を描いた作品です。現在、1〜3巻が好評発売中。
鈴木みろ|Suzuki miro(@suzukimiro)さんのインスタグラム
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