©ママリ
「そんな……。駆くんがおもちゃを叩きつけたのが原因だよね?」
「あのさ……今回のことって、美智の家の管理不足もあるでしょ。子どもが遊びに来るって分かってて、なんで対策してなかったの? 私はシングルで必死に働いてるの。そんな大金、払えるわけないじゃない!」
——逆ギレだ。でも、きちんと伝えなければいけない。
「あのさ……でもね。今回は駆くんが壊したんだし、修理代は尚子が負担してくれないかな……?」
「ああ言えばこう言う! もういい。これ以上責めるなら、ママ友に『美智さんに脅されてる』って相談させてもらうからね!」
ブチッ、と電話が切られました。私は震える手でスマホを置きました。友人だと思っていた人は、もうそこにはいませんでした。 ※1
テレビの修理代を請求したら、本性があらわに
美智が冷静に伝えますが、尚子はテレビの修理代を支払う気はまったくないようです。逆ギレをした挙句、美智が不利な立場になるよう言いふらすと脅し、一方的に電話を切ったのです。
会話が成立せず、美智はこのことを夫に伝えます。すると夫は、あとは自分から連絡をすると言い、その日のうちに尚子へメールを送ったのです。
夫が送った、事務的で逃げ場がないメール
『尚子さん、夫の照也です。先ほど美智から話を聞きました。
話し合いを拒絶し、さらに「脅迫」という虚偽の事実を周囲に広める示唆をされたとのこと、非常に遺憾に思います。
今回の件についてですが、当方の火災保険(個人賠償特約)は、あくまで「被保険者が加害者になった場合」に適用されるものです。今回のように、他人が壊した物を自分の保険で請求する行為は虚偽申告にあたり、詐欺と見なされる可能性があります。
つきましては、以下の対応を提案いたします。
・修理見積額14万8千円の全額賠償
・支払いが困難な場合は、分割払いの相談に応じます
もし上記を拒否される場合は、法的手続き(少額訴訟)を検討します。
その際は、当日の一部始終を記録した防犯カメラ映像(ペット見守り用)を証拠として提出する予定です。』 ※2
淡々としたメールを送った結果、尚子は当初「大げさだ」と主張。しかし、美智も負けずに「誠意を見せて欲しかった」と伝えます。
すると、尚子は…。
テレビを壊した子どものためにも
結局、尚子は折れました。
照也が提示した「月々1万5千円の10回払い」という条件で、公正証書に近い形の示談書を作成することに同意したのです。
後日、尚子がわが家を訪れました。
以前のような傲慢な態度はなく、どこか小さく見えました。
「美智……本当に、ごめんなさい。甘えてた。あなたがいつもニコニコしてるから、何でも許してもらえるって、勝手に思い込んでたの」
彼女の手元には、第1回分の現金と署名済みの書類が握られていました。
「駆にも厳しく言い聞かせたわ。……もう、前みたいには戻れないかもしれないけど、お金は最後まできちんと払うから」
「……分かった。待ってるね」
私はそれ以上、彼女を責めませんでした。
彼女が自分の過ちを認め、責任を取るという“親としての背中”を駆くんに見せること。それが、何よりの解決だと思えたからです。 ※3
テレビを壊してしまったことをうやむやにし、美智の優しさにつけ込んでいた尚子。しかし今回、美智の夫のき然とした態度を突きつけられ、ようやく自分たち親子がしてしまったことの大きさに気づきます。
逆ギレも脅迫も、さらには虚偽の申告を勧めるのも、本当にあり得ない行為ですね。尚子は、ひとりの大人として責任をとり、わが子に背中をみせなければいけません。
美智と尚子の友人関係は終わってしまいましたが、これから尚子親子が同じ過ちを繰り返さず、真っ直ぐ謙虚に生きて欲しいですね。また、美智も平和主義な性格ですが、家族のために強くあることの大切さを学んだできごとでした。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










