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平和主義の主婦・美智の元に、元同僚の尚子が息子・駆を連れて遊びに来る。静かな娘たちとは対照的に暴れ回る駆。尚子がスマホに夢中になる中、駆が投げた金属製のおもちゃがテレビを直撃。液晶が粉砕される。
平和主義の私が巻き込まれたまさかの事件
「ママ、見て!かんちゃん、お花の絵描いたよ!」
「えまも!えまも描いたの!」
リビングに響く、5歳の長女・かんなと3歳の次女・えまの愛らしい声。私はキッチンで夕飯の支度をしながら、そんな娘たちの姿に目を細めていました。私の名前は美智(みち)、31歳。夫の照也とは同い年で、都内のマンションで慎ましくも幸せな四人暮らしを送っています。
私の性格を一言で言えば「平和主義」。争い事は苦手だし、人との縁は大切にしたい。そんな私が、まさかあんな事件に巻き込まれるなんて、この時は夢にも思っていませんでした。
「ねえ美智、今週末空いてる?久しぶりに遊びに行ってもいいかな」
スマホに届いたのは、前職の同僚だった尚子からのLINEでした。彼女は1年前に離婚してシングルマザーになり、偶然にも私たちと同じ学区に引っ越してきたのです。
「もちろん。駆くんも一緒にぜひ来てね」
尚子の息子、駆くんは6歳。やんちゃ盛りだと聞いてはいましたが、我が家の娘たちは内向的で、家の中で暴れるようなことはまずありません。「子ども同士、仲良くなれたらいいな」なんて、呑気なことを考えていたのです。
元気すぎる友人の息子
約束の日、尚子親子がやってきました。
「お邪魔しまーす!ほら、駆、挨拶は?」
「……うわ、この家、おもちゃ少なっ!」
挨拶もそこそこに、駆くんは持参した大きな機関車のおもちゃを振り回しながらリビングへ突進していきました。
「あはは、ごめんね。この子、元気すぎて。ねえ美智、最近仕事どう? 私はさ……」
尚子はソファに座るなり、自分の近況をマシンガントークで話し始めました。私はお茶を出しながら、チラリと子どもたちに目をやります。駆くんはソファの上で飛び跳ね、娘たちはそれを少し怖がって部屋の隅に固まっていました。
「駆くん、テレビの近くだとちょっと危ないかも ……」
「大丈夫だって! ほら、子どもは元気が一番でしょ? それより聞いてよ、前の職場の上司がさ……」
尚子はスマホを取り出し、画面を見せながら愚痴を続けます。彼女の視線は手元の画面に釘付け。その時でした。
「いっけえええええ! 必殺、アイアン・スマッシュ!!」
駆くんの叫び声と共に、鈍い音がリビングに響き渡りました。
嫌な予感は当たった―テレビが壊れた瞬間
「ガンッ――バキッ!!」
「え……?」
視線を向けると、大型テレビの液晶に、駆くんが振り回していた金属製の機関車がぶつかっていました。
画面いっぱいに、クモの巣のような亀裂が広がっています。
次の瞬間、ぐらりと本体が傾き、台座から外れてテレビが床へ倒れました。
「あ……」
呆然と立ち尽くす私。隣でスマホを見ていた尚子が、ようやく顔を上げました。
🔴【続きを読む】「本当にごめんね、でもさ……」その後に続いた信じられない言葉
あとがき:沈黙を切り裂く、招かれざる「轟音」
穏やかな午後のティータイムが一瞬で修羅場に変わる……。子育て中の方なら、背筋が凍るようなシーンだったのではないでしょうか。美智さんの「子ども同士、仲良くなれたら」という淡い期待が、無残な音と共に砕け散る描写は、その後の波乱を予感させます。活発な子を否定はしませんが、親がスマホに夢中で目を離している隙の出来事となれば、モヤモヤせずにはいられません。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










