私はずっと武が子どもたちから好かれていると思っていた。スポ少では熱意あるコーチとしてユウタを指導し、家でもサッカーで遊んでいる。ミツカとも一緒にゲームしたり、遊ぶ姿をよく見ていた。しかし、彼らは彼らで、父親に対する「不満」を抱いていたようだ。
ミツカ:学校を転校したのも、パパのせいだよね?ひどいよ
ユウタ:俺だってチームを変えたくなかった。何やってんだよ
武:み、ミツカ。ユウタ…
武はおろおろするだけ。自分の行いがどれだけ子どもたちに悪影響を及ぼしたのか、突きつけられている。そしてその様子を見て、私の心も変化し始めた。これほど子どもに嫌な思いをさせている父親って、本当に必要だろうか…と。私は2人に視線を合わせてしゃがむと、穏やかに言った。
真奈美:ミツカ、ユウタ。心配かけてごめんね。パパには反省してもらうし、もう引っ越したりチームを変えたりはしないよ
「本当に?」と聞き返す子どもたち。親の離婚など、子どもたちにとっては大ごとだろう。今後何も変わる必要はないと告げられ、安心した表情になった。背後で、武がホッとしたような気配も感じる。でも、「あなたは安心したままでいないでね」と私は心の中で呟く。 ※1
子どもにバレてしまった…夫の裏切り
二度目の不倫が発覚し、真奈美は「きつい制裁を加える」と心に誓います。そのひとつが、互いの両親に不倫の事実を暴露すること。話し合いの日、子どもたちには公園に行ってもらうことにしました。
ですが、大人の不穏な雰囲気を察知したのでしょう。子どもたちは「ごめんなさい」と言いつつ、「離婚するの?」と聞いてきたのです。真奈美は、離婚をするつもりはないため、正直に伝えます。家庭の日常を守らなければいけませんが、それは夫には当てはまりません…。
慰謝料請求と妻の心の内
その後、私は桃子さんに対して慰謝料請求を起こした。以前もしたことがあるので、手続きをスムーズに行えてしまうのが悲しい。きっちり片をつけねばと頑張った結果、取れた慰謝料は100万。支払いは半分ほど武が立て替えたようだ。
もともとクラブに力を入れていなかった桃子さん側が退会し、武はサッカークラブに残ることができた。今回は私が早めに不倫の芽を摘んだので、幸いママ友に伝わることもなく、この噂話が立つことはなかった。
武「真奈美。俺、心を入れ替えていくよ」
騒動終息後、武はそんな言葉を吐いたがもちろん信じていない。私は無機質な心のまま「そうしてね」と答えた。 ※2
もはや、夫・武の「心を入れ替える」という言葉は、真奈美の心には届きません。すっかり夫への愛情は冷めてしまったのです。
二度も家族を裏切った代償
それから、憐れな武の生活が始まった。私は彼のお弁当作りを一切やめ、笑顔を向けなくなる。武に対する愛情はゼロを通り越してマイナスになり、無言で対応することが多くなった。
武:真奈美、冷たいな…
真奈美:そう?
もちろん子どもの前ではそこまでひどくしない。しかし、子どもたちも父親に対して以前のように懐くことはなくなった。思春期に入ったミツカに関しては、武に対して相当な反抗をして、ことあるごとに不倫した過去をほじくり返す。
ミツカ:えらそうにしないでよ、家族を裏切って不倫したくせに
これには私も庇いようはない。最初に落ち度を見せたのは武の方だ。そしてユウタも、サッカーではなく別のスポーツに興味を持ち始める。友達が誘ってくれたスイミングが忙しくなり、スポ少はやめてしまった。
武:ユウタ、サッカーやろうよ
ユウタ:俺、今からスイミングだから
庭の片隅で、1人リフティングする武の姿を、冷ややかに見る。寂しさアピールしても無駄なのだと、いつ気づくのだろうか。 ※3
武は離婚は免れたものの、家の中ではすっかり居場所を失ってしまいました。子どもたちも、父親がしたことの重大さがわかっているようで「ママの味方でいる」というスタンスに。
真奈美は、子どもたちが成人したら熟年離婚しようと考えています。離婚や慰謝料請求だけが、不倫への制裁ではないのですね。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










