ユイさんが初めて実家へ挨拶に来る日がやってきました。両親は緊張しながらも、最高級のケーキを用意して彼女を迎えました。ところが、玄関をくぐるなりユイさんの口から飛び出したのは、感謝ではなく毒でした。
「うわ、なんか重苦しい家。ケーキなんて、いちいち大袈裟じゃないですか? 今時こういうの、頭硬すぎっていうか……古臭くて引くんですけど」
父も母も凍りつきました。私がフォローしようと「せっかく父たちが準備したんだから」と言いかけると、彼女は私を無視してタケルに耳打ちしました。その内容は、後にタケルから聞かされることになります。
「ユイがさ、姉さんのこと『マジでうざい、独身のくせに偉そうに』って言ってたよ。あんまり干渉すんなよな」
タケルの言葉に、耳を疑いました。さらに最悪なのは、私の愛する娘への態度です。
「ちょっと、そのガキ、ベタベタした手でこっち見ないでくれる? 汚いんだけど」
3歳の李衣菜に向かって、彼女は平然と汚い言葉を投げつけました。李衣菜は怯えて私の背中に隠れ、小さな体を震わせていました。
私は怒りで震えが止まりませんでした。
「タケル、悪いけど私、この人とはやっていけない。もしこのまま結婚するっていうなら、私とは縁を切って」
「はあ? 姉貴がそんなに心狭いやつだとは思わなかったわ。いいよ、別に。縁切っても困らないし」
タケルはあっさりとそう言い放ちました。知らない女に初対面で「うざい」と言われ、子どもを傷つけられ、実の弟からは絶縁を言い渡される。私の心は、冷え切った怒りで満たされていきました。 ※1
弟が連れてきた女のせいで…
30歳のタケルはユイと付き合い始めてから、姉である主人公・美保に対して、お金の無心をします。「ユイが欲しいバッグからあるから」という理由で、ヘラヘラしているタケル。信じられませんね…。
美保のトラブルの予感は的中してしまいました。ユイは、美保が思っていた以上に失礼で厚かましい性格の女のようです。
その後、父にガンが見つかってしまいます。今後の治療について家族会議をしている最中、タケルが「結婚したいから保証人になって」と、書類を持ってきたのです。ですが今は、正直、そんな状況ではありません。そのことをタケルとユイに告げると…。
弟のパートナーの信じられない一言
「お父さん、大変ですね。でもまあ、私の母も癌でしたけど、余命半年って言われて3か月で亡くなりましたよ。お父さんもあんまり期待しないほうが楽ですよ?」
部屋の空気が凍りつきました。父と会うのはこれがまだ2回目です。人の生死、それも義理の父親になるかもしれない相手に向かって、よくそんな言葉が吐けるものだと、私は自分の耳を疑いました。
「あんた、今なんて言ったの……?」
私の声は震えていました。
「え? 事実を言っただけじゃないですか。現実逃避しても仕方ないでしょ? 姉さんって本当に感情的で疲れる」
彼女は首をすくめ、タケルを連れて帰っていきました。タケルもタケルです。「ユイは素直なだけだから」と彼女を庇う始末。両親も私も、この非常識な女性との結婚を認めることは到底できませんでした。 ※2
ユイの発言は「素直だから」というものではありません。いい大人が、言っていいことと悪いことの判別もつかないなんて、呆れてしまいます。
このままでは、結婚なんて認めることはできません。
弟夫婦のとんでもない行動
しかし、二人は私たちの反対を押し切って勝手に入籍してしまいました。
「もう勝手にして。でも、親戚付き合いだけは絶対にしないで」
私は両親に強く言いました。法的に家族になったとしても、私の心が彼女を家族として受け入れることは、万に一つもありません。 ※3
失礼なことばかりを繰り返す女を、家族と認めることはできませんね。勝手に入籍してしまったものは仕方ありませんが、今後一切、関わりたくはありませんね。
わたしたちの常識では考えられないことをする人がいるものですね。そんな人が、もしも家族の一員になったらと考えるとゾッとします。主人公の、毅然とした態度を応援したくなる作品です。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










