紹介した弁護士、阿部先生は、夏乃が持参したLINEの履歴とインスタの不正アクセスの証拠を見るなり、深く溜息をついた。
「これは典型的な執着型のストーカーですね。ご自身で対応するのは非常に危険です。今日から、元ご主人との直接のやり取りは一切禁止してください」
阿部先生は手際よく動いてくれた。まず、平治に対して「今後、夏乃さんへの一切の連絡を禁じる。連絡はすべて弁護士を通すこと」という受任通知を内容証明で送付した。 ※1
元夫からのSNS監視と脅迫
ある日、男友だちからドライブに誘われた夏乃。そのことを、祥子が報告を受けた直後、夏乃から震えた声で電話がかかってきました。ドライブの件は、本人と祥子しか知らないはずなのに、元夫から「男と会うんだって?」とメッセージが届いたのです。元夫は夏乃のSNSに不正にログインし、監視していたのです。
恐怖で動けなくなってしまいそうですが、いち早く、弁護士に相談することができ、本当によかったです。そして、弁護士が平治と直接対面します…。
弁護士による徹底的な追及
阿部先生は平治を事務所に呼び出した。最初は威勢よく「俺も浮気されてたんだ!俺の方からも訴えてやる!」と喚いていた平治だったが、先生に淡々と詰められた。
「夏乃さんがやり取りしていた相手はご友人です。それから、あなたが夏乃さんのメッセージを勝手に見た行為は不正アクセス禁止法違反、および脅迫にあたります。また、アパートの又貸しは管理規約違反です。今すぐ退去または名義変更をしてください」
平治の顔から血の気が引いていく。夏乃には強く出られても、法律の前では無力でしかないのだ。
「……分かったよ。出ていけばいいんだろ」
平治は最後までふてぶてしかったが、阿部先生の監視下で、ようやくスマホとアパートの解約書類に署名したという。 ※2
虚勢を張っていても、法の前では無力ですね。夏乃が不倫していた事実もなければ、証拠もないため、話になりませんね。
そして、離婚後も夏乃が払い続けていたスマホ代もアパート代も、ようやく解約されました。本当の意味で、夏乃が元夫の呪縛から解放された瞬間でした。
本当の自由を手に入れた親友
一か月後。 夏乃名義のアパートは無事に引き払われ、平治は渋々、遠方の実家へと戻っていった。スマホも解約され、新しい番号は当然教えていない。
「祥子、本当にありがとう」
夏乃の顔には、久しぶりに柔らかい笑みが戻っていた。目の下のクマも消え、顔色もいい。
「阿部先生がね、もしこれ以上ストーカー行為を続けたり、待ち伏せをしたりしたら、即座に警察に通報して接近禁止命令を出すって厳しく言ってくれたの。彼、最後は泣きながら『もうしないから許してくれ』って言ってたみたい」
平治という男は、最後まで「反省」ではなく「保身」のために泣く人だった。でも、それでいい。彼が何を思おうと、夏乃の生活から彼が消えたという事実が重要なのだ。 ※3
夏乃に笑顔と平和な日常が戻り、本当に良かったです。これからは、理不尽な人に縛られることなく、自分のために幸せになって欲しいものですね。
一方、平治は本当の意味で反省した様子はなかったようです。ですが、話が通じない人と、これ以上付き合う必要はありませんね。今後一切、関わらないことのほうが重要です。
ストーカー被害は、本当に厄介で恐ろしいものです。もしも、異様な執着心を抱かれてしまったら…。ひとりで抱え込まず、信頼できる友人や専門機関に相談することが大切ですね。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










