SNS大炎上は自業自得?
一人の指摘がきっかけとなり、周子ちゃんのブログは瞬く間に「検証」の対象となった。
ネットの特定班の力はおそろしいものだ。
過去の投稿まで遡られ、私のSNSだけでなく、他の人気インフルエンサーからの盗用も次々と発覚。コメント欄は批判の嵐…いわゆる「炎上」状態に陥った。
「自分で考える力はないんですか?」
「ハンドメイドのテレビボードまでマネするとか、ストーカーレベルでこわい」
「子どもがかわいそう。お母さんがパクリママだなんて」
しんらつな言葉がならぶ画面を、私は複雑な思いで見つめていた。
彼女がしたことはゆるせない。でも、ここまで叩かれる姿を見るのは、元友人として胸がいたむのも事実だった。 ※1
愛美の持ち物や子どもの習いごと、幼稚園、そして髪型までマネをしていた周子。距離をおいていましたが、今度はSNSがコピーされていることが発覚。愛美は恐怖と憤りを感じます。ただ、自業自得の結末とはいえ、元友人が叩かれるのはツラいものです。
最終的に、周子はアカウント削除に追い込まれます。さらに、幼稚園でもウワサになってしまい、孤立してしまった様子。
元友人からの謝罪
そんなある日の午後、幼稚園のうら門で、一人立ち尽くす周子ちゃんを見かけた。
以前のはなやかさは消えうせ、肩をおとし、ひどくつかれた様子だ。 彼女はこちらに気づくと、おびえたような…すがるような複雑な表情をうかべた。
「愛美ちゃん」
カサカサの声で、彼女が私を呼んだ。
「ただ、愛美ちゃんみたいになりたかっただけなの。愛美ちゃんはキラキラしてて、えらぶものが全部正解で……。私には、何にもないから」
涙をながしながら告白する彼女の言葉は、あまりにもおさなく、痛々しいものだった。
私は彼女の肩に手をおこうとして……思いとどまった。
ここでやさしくすれば、また彼女は私に依存し、マネを始める。 それは彼女のためにも、私の家族のためにもならない。
「周子ちゃん。私はあなたに正解を教えるガイドブックじゃないよ」
私は努めて冷静に、でもはっきりと告げた。 ※2
痛々しい姿に同情してしまいそうになりました。ですが、ここで手を差し伸べたら、周子のためにも愛美のためにも、よくありません。
元友人との決別
「愛美ちゃんの言うとおりだよね。ごめんなさい」
周子ちゃんは、しぼり出すような声で謝罪した。
「私、愛美ちゃんをマネしていれば、自分もしあわせになれるってかんちがいしてた。でも、ネットであんなに言われて…ようやく気づいたの。私は、愛美ちゃんのカゲになりたかっただけなんだって」
彼女の目から涙があふれた。
「みくにも、いやな思いをさせちゃった。幼稚園でもうわさになってるみたいで…」
私は深呼吸をして、あらかじめ夫と話し合っていた結論を伝えた。
「周子ちゃん、しばらく距離をおこう。私は、周子ちゃんに"私"を盗まれるのが、本当にこわかったの。しばらくは会わないし、SNSも見ないでほしい」
彼女は小さくうなずいた。
「うん…またどこかで会うかもしれないけど。その時は…ちゃんと自分の好きなものを見つけた私でいたい」 ※3
直接会うことも、SNS閲覧も拒否し、関係をたち切ります。同じ幼稚園ですが、周子は他のママとも必要最低限の付き合いにとどめているようです。そして、なぜ他人に依存してしまうのかを真剣にうけ止め、カウンセリングに通い始めたそうです。
その後、周子は劇的に変化。ある日、ハデな色の服を着た周子と再会。自分で考え、自分でえらぶ人生をたのしんでいるようですね。
人生は選択の連続。大切な選択を他人のマネで決めてしまうのは、もったいないですね。「自分らしく生きる」ことについて、考えさせられる作品です。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










