29歳の主婦・愛美は、趣味の合うママ友・周子と意気投合する。しかし、新調したバッグや息子の習いごと、検討中の幼稚園まで、周子が次々と「おそろい」にしてくることに困惑。偶然を装う彼女に、小さな疑念が芽生えはじめる。
親友のようなママ友だと思っていた
「ねえ愛美ちゃん、そのバッグかわいい!どこの?」
「あ、これ?ネットで見つけたノーブランドのやつだよ。キャンバス地で使いやすくて」
「愛美ちゃんはセンスいいよね。海斗くんもイケメンだし!」
私は愛美(29歳)。やさしい夫の義春と、元気いっぱいの4歳の息子・海斗と、ごく普通のしあわせな毎日をおくっている。
そんな私の日常に欠かせないのが、ママ友の「周子ちゃん」。
娘のみくちゃんは、海斗と1か月ちがいの同い年で、私たち自身も同い年。趣味も合うし、最初に出会った時は「運命の親友かも」なんてまい上がっていた。
偶然?私と同じものばかり選ぶ友人
でも、最近。ほんの少しだけ、胸の奥がザワつくことが増えた。
「愛美、食配はじめたの?」
ある夜、義春が聞いてきました。
「そう!買い物に行く手間が省けて助かるよ。そういえば周子ちゃんも、私がはじめた直後に、同じサービスはじめたみたいだよ」
「へぇ、気が合うんだな」
そう、「気が合う」…最初はそう思っていた。 でも、私がバッグを新調すれば、その数日後には周子ちゃんが「これ、似てるでしょ?」と同じ形の、素材だけが少しちがうバッグを持って現れる。
「海斗、来月からスイミング通わせようと思って」と話せば、「みくも運動させなきゃと思ってたの!」と、同じ曜日の同じクラスに申し込んでくる。
「幼稚園どこにするか決めた?」
公園のベンチで周子ちゃんに聞かれた時、私は正直に候補の園を伝えました。
「うちはのびのび幼稚園にしようと思ってるんだ。"どろんこあそび"がたのしそうで」
「えー!ステキ!私もそこ、気になってたんだよね〜」
といった具合だ。
「気が合うだけ」には思えない…
結局、彼女は別の園を検討していたはずなのに、願書提出の日には、私のうしろにならんでいました。
「また、一緒だね」
「本当!縁があるよねー私たち」
満面の笑みで答える周子ちゃん。その笑顔に悪気は一切感じられない。
でも、週末に家族で行ったキャンプ場の写真をSNSにアップすると、その2か月後には、彼女の一家が同じキャンプ場の、まったく同じサイトで、私が使っているのと色ちがいのテントを立てている写真が投稿された。
(偶然?それとも、わざと? )
私の心の中に、小さな…でも、消えない「疑念のタネ」が芽生えはじめた。
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あとがき:友情から執着へ
「センスをほめられる」のはうれしいはずなのに、なぜかザワつく…。そんな経験、ありませんか?最初はあこがれだと思っていた相手の行動が、少しずつ自分の領域を侵してくる不気味さ。愛美が抱いた違和感は、決して自意識過剰ではありません。共感と依存の境界線が崩れ、純粋な友情が「執着」へと形を変えていくプロローグに、多くの女性が背筋を凍らせたはずです。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










